2012年1月12日木曜日

無理難題について

以前の投稿で、下請けの企業は大企業から技術的な課題を提示されるので、下請けの企業は特許情報を収集する必要はないと書きました。この点について、もう少し丁寧に書きたいと思います。(下請け企業とは大企業の仕事を請ける企業とします。企業のレベル云々を表現するものではありません。私自身も下請けの仕事をしています。)

まず、大企業は自社の経営上の課題を設定します。大企業の場合には世界市場におけるシェアを拡大するとか、新たな技術分野に進出するとか、比較的大きな課題となると思います。ただし、大きな課題のままでは課題を解決できませんので、課題を細かく分解して、解決可能な大きさの課題まで小さくします。

これを図解すると次のような感じになります。
大課題⇒中課題⇒小課題の順に課題が小さくなります。例えば、自動車の場合には「燃費の向上」⇒「エンジンの軽量化」⇒「バルブスプリングの軽量化」とでもなるでしょうか。つまり、大企業が車の燃費を向上したい場合には、下請けの企業には、バルブスプリングを現状のものより軽量化してください、との要求を出すことになります。そして、小課題をすべて解決することにより、結果として大課題が解決されることになります。

したがって、大企業は、①課題設定機能、②課題分析機能、③課題分配機能を有するといえます。

このように、下請け企業は大企業の課題の一部を解決することになります。ここで、10%軽量化とか、5%コストを押さえるなどの比較的リーズナブルな課題であれば良いのですが、一部の報道で伝えられているような、50%値下げ要求などの無理難題ともいえる課題が提示された場合にはどうすればよいのでしょうか?

まず、何とかして解決することが考えられます。しかし、課題が無理難題の場合には赤字前提で受注するということになるでしょうか。

また、仕事をお断りするという考えもあると思います。この場合には、大企業からの仕事が今後来なくなることを覚悟しなければなりません。

なかなか難しいかと思いますが、代案を出すという考えもあると思います。大企業の課題分析の結果、50%コストカットという課題が導かれたとしても、課題の設定や課題の分析に問題がある可能性もあります。また、他の見解もあるかもしれません。

ただし、代案を出すためには独自に課題を分析する必要があり、下請け企業には荷が重いといわざるをえません。一番の解決法は、大企業の課題設定及び課題分析作業に下請け企業も加わってもらって、一緒にアイデアを出すことと思います。

そうすれば、無理難題ともいえる課題が下請け企業に提示されることはなくなるのではないでしょうか。