2013年1月6日日曜日

液晶テレビについて

年末年始を利用して小旅行に行って参りました。といっても、お金の節約のため、泊まるホテルは安宿ばかりでした。安いホテルに泊まってまず感じたことは、液晶テレビの性能が低いことでした。


スピーカーの性能が低いのか、ボリュームを大きくしても声がよく聞き取れません。また、処理速度が遅く、番組表の表示やチャンネルの切替に微妙に時間がかかり、とてもいらいらしました。

これらの液晶テレビは当然日本製ではなく、メーカーもよく知らないテレビでした。なぜこのようなテレビがホテルに据え付けられることになるかというと、単に安いからです。

これは日本のホテルに限らず、安い液晶テレビは全世界的に受け入れられており、高性能の日本の液晶テレビが苦境に立っているのはご存知のことと思います。

思えば、日本のものづくりはひたすら高性能化を図る技術開発が行われてきました。それにより、1990年前後には日本の製造業は世界を席巻するレベルに達しました。

この成功体験をひきずって、今でも技術力重視の製品開発が行われていると思います(私は、製造現場から離れて10年立ちますので、この部分は私の推測です。間違っていたらすいません。)


しかしながら、技術力を考える場合には、もうひとつ世の中のニーズとのマッチングを考える必要があると思います。


図のように、企業の開発活動により技術力は急激に高まりますが、世の中のニーズは、ゆるやかに高まりますので、ある時点で需要者が技術力の向上のありがたさを感じにくくなります。

日本でいえば、電気製品や自動車の性能向上は、1990年くらいまでは非常に意味があるものでしたが、それ以降は、高性能は逆にコスト増大要因となり、結局安く製造できる、新興国の製品がありがたがれることになりました(いわゆる、イノベーションのジレンマ)。

したがって、日本の製造業が復活するには、少々やり方を変える必要があると思います。

例えば、世の中のニーズを満たすほどに技術が進化していない他の分野へ進出するとか、技術力が十分な分野については、ニーズを満たす範囲で性能を落とし、コストを低減した製品を販売するなどです。

安いホテルの安い液晶テレビも1晩テレビを見る分には我慢ができるレベルと思いますので、こういう割り切りも必要なのかと思います。真面目に開発に取り組んでいる技術者の方には面白くないかもしれませんが・・・。