2013年10月4日金曜日

TPPと知財について

最近ニュースでTPPが話題になっています。wikiによればTPPとは以下の意味のようです。

環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement または単に Trans-Pacific Partnership,(トランスパシフィックパートナーシップ) TPP,環太平洋経済協定、環太平洋連携協定、環太平洋経済連携協定、環太平洋パートナーシップ協定)は、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定 (EPA) である。

経済貿易協定といえば、一昔前はGATTやWTOの場で話し合われて来ましたが、多数の国の協議では利害が衝突しやすく、近年は、利害を調整しやすい二国間や地域別の協定を結ぶことが盛んに行われているようです。

さて、TPPの話を聞くと私はどうしてもGATTのウルグアイ・ラウンドのことを思い出してしまいます。

ウルグアイ・ラウンドとは、1986年にウルグアイで交渉開始が宣言された、GATT(関税貿易一般協定)の多角的貿易交渉のこと。自由貿易の拡大を目指して新しい貿易ルールを作る交渉である。期間は4年間で交渉は15項目。GATTは2国間に貿易問題が起きたとき仲裁する立場だったが、貿易の形も次第に複雑化し、複数国の間で利害問題が浮上してきたため、多角的貿易交渉(ラウンド)へ移行していく。ウルグアイラウンドでは特許権、商標権、著作権といった知的所有権の取り扱いから、旅行、金融、情報通信など、物品をともなわないサービス貿易の国際的取引の自由化、農産物の例外なき関税化について交渉した。124カ国が参加したこの会議は難航をきわめ、94年に合意に至った(ASCII.jpデジタル用語辞典) 。

今思い返せば、このウルグアイ・ラウンドが、日本のいわゆる失われた20年を創りだした一つの要因とも思います。

この交渉では様々な協定が成立したのですが、例えば、TRIPS協定が成立したものの一つです。

TRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定:Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights)は、1994年に作成された世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の一部(附属書1c)を成す知的財産に関する条約である(wiki)。

この協定により、発展途上国も知的財産権の保護を実行あるものとする義務が生じましたので、プロパテント政策を推し進めるアメリカには有利に働き、その後のアメリカの復活の要因の一つとなりました。

また、TBT協定というのも成立しました。 TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定:Agreement on Technical Barriers to Trade)は、東京ラウンドにおいて1979年に「GATTスタンダードコード」として合意し、ウルグアイラウンドにおいて1994年にTBT協定として改定合意されて、1995年に世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO設立協定)に包含した標準化に関する条約である(wiki)。

この協定によって、規格を国際規格(国際標準)に整合化する義務が生じました。このため、日本のたて型洗濯機が輸出できなくなったりしました。

国際標準の策定についてはヨーロッパ勢が優位に立っておりますので、ヨーロッパに有利な標準が成立しやすく、ヨーロッパの存在感の向上に寄与しました。

さて、日本といえば何をやっていたかというと、もっぱら「コメの自由化阻止」でした。ウルグアイ・ラウンド対策として農村にお金がばらまかれ、余ったお金で温泉センターが乱立したりもしました。

ウルグアイ・ラウンドではコメの完全自由化は阻止されましたので、目的は達成されたかもしれませんが、国益という観点では、TRIPS協定やTBT協定をねじ込んだアメリカやヨーロッパにしてやられた感があると思います。

今回のTPPの件でも農業の保護が主要な論点となると、ウルグアイ・ラウンドの二の舞いとなる恐れがあります。

やはり、日本として今後発展してゆく分野は何かを見定め、交渉に力を入れてゆくことが必要となると思います。

前回と違い今回は知財も大きなトピックとなっておりますので、交渉の行方を見守りたいと思います。