2013年12月14日土曜日

インセンティブについて

最近のニュースでは、若い人が忘年会に参加しないため忘年会が中止になることが話題になっていました。

忘年会とか社員旅行とかは1960、70年台の会社では大変盛んに行われていたと思いますが、最近は参加したくない人が多いようです。

なぜこのようなこととなったかといえば、その理由の一つに、参加するインセンティブがなくなったことがあると思います。

インセンティブとは、人や組織のモチベーションを誘引するものをいいます。

終身雇用制のもとでは、忘年会の参加は上司との結びつきを深くし、自身の雇用を安定させる意味で参加のインセンティブがありましたが、終身雇用も崩壊しつつある現在ではそのようなインセンティブはありません。

このインセンティブは、資本主義や自由主義社会では非常に重要なものでして、例えば、特許法もインセンティブを刺激するような制度設計となっております。

特許法は、公開の代償として特許権という排他権を与えることにより、特許出願を行うインセンティブを刺激し、これにより国としての経済発展を実現する制度といえます。

特許権という排他権はビジネス上非常に有用ですので、企業は我先にと特許出願するわけです。

一般的な法律もインセンティブを与えるような設計となっているようです。インセンティブがあればその法律を国民自ら守ろうという意思が働きますので、国家権力を行使しなくても世の中の安定が図れます。

例えば、健康保険とか国民年金とかは未納の人が増えて問題となっておりますが、これは、制度自体が崩壊しており保険金を納付するインセンティブがないからです。

したがって、納付を強制するために口座差押えや訴訟の提起など国家権力を行使しなければなりませんが、このようなことは行政コストが上昇しますので、うまい方法とはいえません。

良い法律とは、国民自ら守ろうというインセンティブがしっかり設計されている法律といえるでしょう。

また、インセンティブというのは、一般のビジネスではさらに重要です。国の場合には最後には国家権力を駆使して従わせることが可能ですが、自社製品を強制的に買わせるということはできません(押し売りというものがありますが・・・)。

したがって、自社製品を買ってもらうインセンティブの設定が重要となり、このあたりがビジネスマンの腕の見せどころとなります。

忘年会に戻りますが、ビジネスマンとしてはインセンティブをしっかり設計し直すことが必要でしょう。逆に、人が集まる忘年会を企画できる人はビジネスマンとしての能力も高いのではないでしょうか。