2014年2月23日日曜日

ドーナツの穴について

本日、次のようなニュースを見つけました。

「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」とは 2ちゃんねるの「難問」に阪大教員が大真面目に答えた!(J-CASTニュース)

残念ながら、この本を私は読んでいないのですが、「穴」という虚無の状態をどう捉えるかについて、アカデミックな考察がなされていると思います。

この「穴」というのは特許請求の範囲を記載する際にも、いろいろ悩むところであります。

特許請求の範囲には、発明の構成要件を記載するのですが、「穴」は実体のない空虚な存在ですので、 実体を記載すべき特許請求の範囲に記載して良いものか、という問題があります。

事実、日本の審査では、特許請求の範囲に「穴」を記載しても記載不備(拒絶理由)とはならない可能性がありますが、アメリカでは「穴」を記載すると記載不備となり、拒絶されるようです。

したがって、構成要件に「穴」と直接的に記載するのではなく、「穴を有する部材」のような実体を伴う構成として、特許請求の範囲に書く工夫が必要となります。

また、「穴」以外にも実体のない表現として、「溝」とか、切り餅事件のような「~がない」とかいう表現も、実際に使えるか注意が必要です。

さらに「穴」として特許された場合に、今度は権利行使できるのかが問題となります。権利行使時にはまず特許請求の範囲の属否を判断することになりますが、その際、構成要件の対比を行うことになります。

実体のある構成要件を対比することは容易ですが、「穴」は実体として存在しませんので、存在しないものを対比するという、なんだかよくわからないことになります。

実際的には「穴を有する部材」として拡大解釈して、対比することになると思います。

さて、「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」ですが、私なりに考えますと、 ドーナツを周辺から食べ始めますと、ドーナッツ本体の幅が徐々に縮小し、ドーナツの幅が「0」になった瞬間、ドーナツの穴は認識できなくなります。

ドーナツの穴は、もともと実体がありませんので、 ドーナツの幅が「0」になった瞬間、消滅するのではなく、認識できなくなるだけです。

したがって、認識できるよう別の手段を考えればよいわけで、例えば、ドーナツを食べる過程を画像・動画で撮影し、ドーナツの幅が「0」になった瞬間を記録するとか、ドーナツの穴に、気体、液体、固体を充満させ、虚無の状態を実体化させておくとかすればよいと思います。