2014年10月25日土曜日

航空機ビジネスについて

三菱飛行機のMRJの初号機がロールアウトしたニュースが話題となっています。YS-11以来の国産旅客機ということで大きな期待がよせられていると思います。

しかし、いろいろなニュースをみておりますと、ちょっと気になることがいくつか指摘されていました。

まず、航空機で一番儲かる部分はジェットエンジンであるということです。

ジェットエンジンは単体での価格が高価であるのみならず、一定周期でメンテナンスの必要があることから、ハードとメンテナンスを組み合わせた補完品ビジネスが成立し、利益を上げやすいとのことです。

もちろん、飛行機完成品にもそのような考えが当てはまるとは思いますが、メンテサイクルはジェットエンジンほどではなく、ボンバルディアやエンブラエルなどの競合もいますので、そう簡単には利益を上げることができません。

また、MRJのエンジンは、プラットアンドホイットニー製のものを購入しており、このジェットエンジンは燃費向上のコアの部分となりますが、将来的には、三菱以外の航空機にも搭載されることになるようです。

そうすると、MRJの性能の優位性は大きく失われますので、 ボンバルディアやエンブラエルとの価格競争に落ちいるリスクが高いものと考えられます。

このジェットエンジンのビジネスモデルはインテルのビジネスモデルに近いものとなります。

インテルの場合にはMPUのみを製造し、それが搭載されたパソコンを台湾、日本のメーカーに製造させ、台湾、日本のメーカーを価格競争に落ちいらせて、自社が大きな利益を上げるビジネスモデルです。

MRJも、ボンバルディアやエンブラエルに対抗し、値下げや過大な広告宣伝活動を行うことになるかもしれませんが、その場合一番儲かるのが、MRJ、ボンバルディア、エンブラエルにエンジンを供給しているプラットアンドホイットニーとなるわけです。

言い換えれば、プラットアンドホイットニーが行うべき営業努力を、三菱、ボンバルディア、エンブラエルがやってくれるわけです。そうして、ジェットエンジンが売れればそのメンテナンスで大きな収益を上げることができます。

もちろん、この程度のことは三菱もわかっており、対策を立ててはいると思いますが、MRJの開発には国費も投入されておりますので、儲かるビジネスモデルができていることを期待したいと思います。

一方、ホンダがジェットエンジンの外販を進めるとのニュースもありました。将来的に小型ジェットの3割位のシェアを目標にするそうです。

ホンダは、ホンダジェットという完成品を製造するだけではなく、ジェットエンジンも(自社のみではありませんが)自主開発しております。

素人の目には、ジェット機の完成品が空を飛ぶとすごいな、と感じますが、上記のように、ジェット機完成品は商売上あまり旨味がありません。

そうすると、ジェットエンジンを開発して売りたいところですが、ジェットエンジンは高価なこともあり新規参入のメーカーのエンジンをわざわざ買うことはなく、やはりエンジンとしての実績が必要となります。

ホンダの場合には、ホンダジェットが広告塔となり、ジェットエンジンの優秀性をアピールできます。

そう考えると、ホンダジェットはあくまでも動く広告宣伝手段に過ぎず、ビジネスの本丸はジェットエンジンにあるのかもしれません。はじめからこのような計画であったとしたら、軍師的な人が社内にいるのかもしれません。

もちろん、エンジンの外販は、ホンダジェットと他のメーカーの飛行機との喰い合いが発生し、ホンダジェット自体の売上が低下するリスクもありますが、そのあたりは、F1でも経験していることですので、完成品でも負けない自信があるのでしょう。