2016年1月14日木曜日

2015/12/20~12/26の知財高裁判決



20151220日から26日までになされた裁判は、侵害訴訟4件(特許2件、その他2件)、審決取消訴訟7件(特許4件、商標3件)、です。

なお、今回から弁理士・弁護士が代理人となっていない事件は省略いたします。

また、技術的に難解な事件はコメントが適当となっています・・・が、詳細な分析より、とりあえず目を通すことを目的としておりますので、あしからずご了解ください・・・。


1.侵害訴訟

(1)平成27(ネ)10036  特許権侵害行為差止等(東京地方裁判所 平成26()3343
平成271224日判決 控訴棄却(4部)
特許権 (ピタバスタチンカルシウム塩の結晶,ピタバスタチンカルシウム塩の保存方法)
構成要件充足性,均等侵害

*コメント
請求項において、回折角が小数点2桁以下まで記載されている場合、明細書に許容誤差を許容する旨の記載がない、もしくは技術常識でもない場合、回折角の完全一致が求められると判断されました。やはり、請求項を数値により特定する場合には、数値範囲(幅)で解釈されるよう記載することが必要と思われます。

(2)平成27(ネ)10031  特許権侵害差止等(東京地方裁判所 平成25()33993
平成271224日判決 控訴棄却(4部)
特許権 (ピタバスタチンカルシウム塩の結晶,ピタバスタチンカルシウム塩の保存方法)
構成要件充足性,均等侵害

(3)平成27(ネ)10112  違約金請求本訴,違約金請求反訴(東京地方裁判所 平成25()30391
平成271225日判決 控訴棄却(3部)
特許権 (放射性物質を含む下水汚泥中の放射能物質を集約する方法等)
契約の成否・解除

*コメントはありません。

(4)平成27(ネ)10069  売買代金(東京地方裁判所 平成24()21128
平成271224日判決 原判決変更(4部)
特許権 (ディジタル加入者線伝送方法及びxDSL装置)
その他

*コメント
被控訴人には契約違反の債務不履行があるとして,控訴人の被控訴人に対する損害賠償債権を自働債権とする相殺の抗弁が認められた事例です。付記試験のネタになりそうな事例ですね・・・。

*コメント
上記と同様です。

2.審決取消訴訟

(1)平成27(行ケ)10162  審決(拒絶)取消
平成271225日判決 請求棄却(3部)
商標権 (Tiara)
品質誤認を生ずるおそれ(4条1項16号)

*コメントはありません。

(2)平成27(行ケ)10116  審決(無効・不成立)取消
平成271224日判決 審決取消(2部)
特許権 (窒素物系半導体素子の製造方法)
進歩性(相違点の認定,相違点の判断)

*コメントはありません・・・。

(3)平成27(行ケ)10084  審決(無効・成立)取消
平成271224日判決 審決取消(2部)
商標権 (エマックス)
周知性(4条1項10号)

*コメント
引用商標に関する宣伝広告等は活発とはいえず、周知でないと判断されました。

(4)平成27(行ケ)10083  審決(取消・成立)取消
平成271224日判決 審決取消(2部)
商標権 (エマックス Eemax)
周知性(4条1項10号)

*コメント
上記と同様です。

(5)平成26(行ケ)10263  審決(無効・不成立)取消
平成271224日判決 請求棄却(2部)
特許権 (ビタミンDおよびステロイド誘導体の合成用中間体およびその製造方法)
進歩性(相違点の判断)

*コメント
当該物質に関し、たとえ収率が低くても製造可能であれば実施可能要件を満たすとされました。

(6)平成27(行ケ)10071  審決(無効・不成立)取消
平成271221日判決 請求棄却(3部)
特許権 (サイクロン集塵装置,電気掃除機)
進歩性(引用発明の認定)

*コメント
特定の文献にいかなる事項が開示されているかについては,その文献の記載に基づき,技術常識等をも参酌して判断されるべきことであって,その文献とは異なる文献の記載に基づいて判断されるべきものではない、とされました。