2016年3月12日土曜日

2016/1/31~2/6の知財高裁判決



2016131日から201626日までになされた裁判は、侵害訴訟1(不競法1)、審決取消訴訟2件(特許2件)です。

1.侵害訴訟

(1)平成27()10109  損害賠償(大阪地方裁判所 平成26()3119
平成2829日判決 原判決一部取消(1部)
不正競争 (発光ダイオード)
虚偽事実の陳述流布

*コメント
一審原告の侵害訴訟を提起した旨のプレスリリースが虚偽事実の陳述流布(不競法2115号(旧14号))に相当するとの主張に対し、裁判所は一審被告には過失がなく損害賠償請求は認められない旨、判示しました。

逆にいえば、プレスリリースの内容に不備(確認漏れなど)がある場合には、過失があると認定されるともいえますので、プレスリリースを作成する際には、特許権侵害の要件(技術的範囲の属否、特許発明の実施等)をしっかりと確認する必要があるようです。

2.審決取消訴訟

(1)平成27(行ケ)10070  審決(拒絶)取消
平成2823日判決 請求棄却(2部)
特許権 (バックライト光源用発光装置)
進歩性(相違点の認定,相違点の判断)

*コメントはありません。

(2)平成27(行ケ)10035  審決(無効・不成立)取消
平成2823日判決 請求棄却(4部)
特許権 (破袋機とその駆動方法)
進歩性(相違点の判断)

*コメント
引用発明には本件発明の(相違点に係る)技術的思想は記載も示唆もなく、引用発明に相違点に係る構成を適用する動議づけもないとされ、容易想到であるとはいえないとされました。

ここでいう技術的思想とは発明の課題なのか、解決手段なのか、はたまた効果なのかよくわかりませんが、判決文を読みますと課題ともとれ、解決手段ともとれ、効果ともとれますので、包括的に使用しているのかと思います。なんとなく、まとめの言葉に使用すると収まりが良い気がします。



2016年3月9日水曜日

2016/1/24~1/30の知財高裁判決


2016124日から2016130日までになされた裁判は、侵害訴訟3(意匠1件、著作権2)、審決取消訴訟6件(特許4件、商標2件)です。

そろそろ追いつかなくなってきましたので、目新しい争点がないものや、(申し訳ありませんが)非常に難解な事件は、スルーします・・・。

1.侵害訴訟

(1)平成27()10077  意匠権侵害差止等(東京地方裁判所 平成26()12985
平成28127日判決 控訴棄却(2部)
意匠権
類似性

*コメント
部分意匠の類否判断が争点となりましたが、当方の頭が悪いためか、原告意匠の形状を図から理解できませんでした・・・。部分意匠について判断した貴重な裁判例ではあります。

(2)平成27()10022  損害賠償等(東京地方裁判所 平成25()22541
平成28127日判決 控訴棄却(4部)
著作権
編集著作物性,編集著作者性

*コメント
控訴人が編集著作者であるとして著作権侵害を主張しましたが、控訴人は被控訴人に対し様々な編集項目の要望はしたものの、項目を決定したのは被控訴人であるとして、編集著作者ではないとされました。

(3)平成27()10106  損害賠償等(東京地方裁判所 平成25()32688
平成28126日判決 控訴棄却(1部)
著作権
契約の成否・解除,著作物性,複製・翻案,その他

*コメントはありません。

2.審決取消訴訟

(1)平成27(行ケ)10058  審決(無効・不成立)取消
平成28128日判決 審決取消(3部)
商標権
類似性(4条1項11号)

*コメントはありません。

(2)平成27(行ケ)10171  審決(拒絶)取消
平成28128日判決 審決取消(3部)
商標権
類似性(4条1項11号)

*コメントはありません。

(3)平成27(行ケ)10056  審決(拒絶)取消
平成28128日判決 請求棄却(1部)
特許権 (器用さ獲得装置)
進歩性(相違点の判断)

*コメントはありません。

(4)平成26()10202  審決(無効・不成立)取消
平成28127日判決 審決取消(2部)
特許権 (フルオレン誘導体の結晶多形体およびその製造方法)
新規性,進歩性,公然実施,明細書の記載要件

*コメント
公然実施の証拠の真正性の認定が争点となりましたが、審決と異なり判決では、証拠として問題はないとされました。証拠の認定は、特許庁より裁判所の方が得意と思いますので、審取を提起するのも有効と思います。

(5)平成27(行ケ)10066  審決(拒絶)取消
平成28127日判決 審決取消(2部)
特許権 (再構成可能命令セル・アレイ)
進歩性(引用発明の認定,相違点の認定)

*コメント
特許庁の引用発明の認定に誤りがあるとされました。と、いってしまえばそれまでですが、引用発明の認定は重要中の重要ですので、審査官も誤らないようとても神経を使うのですが、誤ることがあるのだなという感想です。そういう意味では最後まであきらめない姿勢も必要と感じました。

(6)平成27(行ケ)10028  審決(無効・不成立)取消
平成28127日判決 請求棄却(4部)
特許権 (照明装置)
進歩性,先願発明との同一性(相違点の判断)

*コメント
非容易想到性を認める論理付けとして、引用発明に(本件発明との)相違部分を組み合わせる(積極的)動機付けがないこと、と、引用発明に相違部分を組み合わせても、本件発明の構成とはならないこと、と、引用発明に相違部分を(技術的に)組み合わせることができないこと、の3つが整然と判示されております。