2016年7月14日木曜日

知財高裁判決(2016年5月22日~2016年6月4日)



2016522日から201664日までになされた裁判は、侵害訴訟2件(特許1件、著作権1件)、審決取消訴訟1件(特許1件)です。

1.侵害訴訟

(1)平成27()10091  特許権侵害行為差止等(大阪地方裁判所 平成24()6435
平成2861日判決 原判決変更(4部)
特許権 (破袋機とその駆動方法)
損害額,構成要件充足性

*コメント
特許法102条1項ただし書に規定する「販売することができないとする事情」は,例えば,市場における競合品の存在,侵害者の営業努力(ブランド力,宣伝広告),侵害品の性能(機能,デザイン等特許発明以外の特徴),市場の非同一性(価格,販売形態)などの事情がこれに該当するというべきである、との規範が提示されています。
営業努力等は1021項但し書きの事由に該当するか争いがありますが、今の知財高裁の考えは上記となるようです。

(2)平成28()10002  証書真否確認等(東京地方裁判所 平成27()10310
平成28526日判決 控訴棄却(3部)
著作権
その他

2審決取消訴訟

(1)平成27(行ケ)10220  審決(拒絶)取消
平成28530日判決 請求棄却(4部)
特許権 (殺傷犯罪防止刃物)
進歩性(相違点の判断)

*コメント
ナイフ先端に備わるストッパの機能の相違(殺傷防止と半球抜け止め)を主張しましたが、構成としては近似しておりますので、容易想到とされてしまいました。






2016年7月11日月曜日

ブランド戦略について(その2)

以前、ブランド戦略がよくわからないというお話をしました。

その理由としては、「ブランド」という言葉が多義的に用いられており、あまり厳密な定義をしていないとからです。

しかし、いくつか専門書を読んだ結果、「ブランド(戦略)」とは、以下のような、複数の内容の組み合わせとなると考えてよいのではないでしょうか。



一つ目は、ブランドイメージ戦略です。これは、トレードマークやロゴが、需要者の心にどのように感じられるかを中心にする考えです。

ブランドイメージは需要者の心の中に構築されますので、効果的に作用を与える方法(ネーミング、プロモーション)を考えることが、ブランド戦略の柱となります。

二つ目は、ブランドアイデンティティー戦略です。これは、自社が他社と比較して、どのような特徴を有するか、または、有すべきかを中心とする考えです。

ブランドアイデンティティーは企業の中に構築されますので、そのような構造を構築する方法(経営ビジョン、組織、ブランド属性)を考えることが、ブランド戦略の柱となります。

三つ目は、ブランドコミュニケーションです。これは、自社にブランドアイデンティティーがあるといっても、需要者がそのようなブランドイメージを持たなければ、独りよがりとなりますので、このギャップを埋めてゆく考えです。

例えば、自社のブランドアイデンティティーに「品質の高さ」がある場合には、需要者のブランドイメージも「品質の高さ」となるよう広告宣伝をしたり、そういうイメージとなっているか顧客にヒアリングをしたりすることが考えられます。

ということで、ブランド戦略といった場合、上記の3つの分類で話を聞くとわかりやすいと思います。