2018年3月31日土曜日

STEP3)ブランドアイデンティティの策定について(その1)

ブランドアイデンティティの策定ですが、STEP1のブランド資産の評価、及び、STEP2の便益の階層分析の結果を踏まえて、最終案を策定します。

具体的な作業としては、いろいろやり方はあると思いますが、私は以下の進め方としました。

(1) STEP1のブランド資産の評価、及び、STEP2の便益の階層分析で抽出されたキーワードのスクリーニング

アイデンティティを表現するのに重要と思われるキーワードのみ残し、ありふれたキーワードは削除する。これを「拡張アイデンティティ」とします。

(2) 「拡張アイデンティティ」をKJ法を用いて、グルーピングする。グループを4~6つ作成する。これらを「コアアイデンティティ」とする。

グループ数を4~6とするのは、人間の記憶力の限界や、経営資源の選択集中のためです。

KJ法を用いて、同一上位概念化できる「拡張アイデンティティ」をまとめ、作ったグループの共通の上位概念を「コアアイデンティティ」 とする。

(3) コアアイデンティティからブランドエッセンスを考案する。

4~6つのコアアイデンティティをまとめた象徴的なフレーズを考案する。今回の場合、これがキャッチフレーズとなります。

それで、まとめたのが以下の表となります。実際にはこういうまとめ方はしないのですが、ここでは、使い慣れた系統図表としています。

ブランドエッセンス
(=キャッチコピー)
コアアイデンティティ
拡張アイデンティティ
老後の安心、ゆとり
安心、豊かさ、ゆとり
節税、管理容易
職場の魅力UP
採用、離職の改善
事務所の魅力向上
特許業界に特化
特許業界への貢献
信頼できる基金
信用・信頼
健全・安定運営


論理的な処理ができるのはここまでで、最後のブランドエッセンスについては、センスの良い言葉を考えねばなりません。

ただし、BtoBサービスと考えるのであれば、抽象的な言葉より、少々センスはないですが、具体的な言葉の方が良さそうでもあります。

2018年3月21日水曜日

STEP2) ブランドが提供する便益の階層分析について(その2)

さて、弁理士企業年金のキャッチフレーズ作成ですが、次のステップとして、便益階層の分析を行います。

便益の階層分析ですが、作業としては下記表の空欄に該当する便益のキーワードを記入してゆきます。


便益
顧客
特定ベネフィット(情緒的、自己表現的便益)
⇒顧客がどのように感じるか

一般ベネフィット(機能的便益)
⇒顧客が何をできるようになるか

ファクト(属性、特性)
⇒顧客に提示される特性


ここで悩みましたのが、顧客は誰かということです。

通常の企業年金の顧客は加入者となりますが、 弁理士企業年金の場合には、加入者は従業員であることは同じですが、実際に加入するのは特許事務所となります。

したがって、加入者への便益のみ考えると、特許事務所への便益が不明確になり、特許事務所が加入する動機がなくなってしまいます。

特許事務所としても、弁理士企業年金への加入は経費が掛かることもあり、ここでは、特許事務所への便益を明確としたいところです。

そこで、仕方なく、加入者と特許事務所の双方への便益を考えてみました。
 

便益
加入者
事業者
特定ベネフィット
(情緒的、自己表現的便益)
⇒顧客がどのように感じるか
老後の安心、老後の豊かさ、家族への安心
働きやすい職場、人が安心して働く職場
一般ベネフィット
(機能的便益)
⇒顧客が何をできるようになるか
安心、掛け金がリーズナブル、資産運用、信用・信頼
求人容易、信用・信頼、全額損金、
ファクト
(属性、特性)
⇒顧客に提示される特性
支払金額、加入期間、節税額、老後の積立額
採用率、支払金額、経費、定着率


 加入者に対してはBtoCとなりますので、特定ベネフィット(情緒的、自己表現的便益)が重要となります。

一方、事業者に対してはBtoBとなりますので、一般ベネフィット(機能的便益)が重要となります。しかし、機能的便益のみでは味気ないので、特定ベネフィットも一応入れてあります(特定ベネフィットを重視してくれる事業者はいわゆるホワイト企業といえると思いますが・・。)。

ということで、次は、STEP3)ブランドアイデンティティ の策定へ進みたいと思います。

2018年3月10日土曜日

仕事に個性はいらない。

毎年のこの時期は確定申告の時期となります。

私も確定申告の手続きをするのですが、いつも悩むのが経費となるか否かです。

悩む例としては、スーツの取り扱いです。私は安物のスーツを愛用しておりますが、スーツは仕事にしか着ませんので、経費にしたいところです。

ネットで調べますと、スーツは経費になる説と、ならない説が拮抗しております。

ならない説としては、40年くらい前の裁判例を根拠とし、仕事以外にも着る場合がある(冠婚葬祭、夜の飲み会?など)ので、経費にできないという意見です。

なる説としては、サラリーマンは経費として認めれられる場合があるような税制度が最近設けられましたし、スーツは仕事にしか着ませんので、経費にできるという意見です。

私は、そもそも冠婚葬祭に行くことはありませんし、夜の飲み会に行くこともありませんので、スーツを経費にできるのではないかと考えておりました。

しかし、経費とすることはやめました。 それはネット上で見つけたある説が胸に落ちたからです。

その内容というのは、自己の嗜好が入ったものは経費にできないというものです。確かにスーツは、安くても、色、形状、ブランド等、選ぶ人の嗜好が入る余地が大きいです。

こういうものは仕事の道具というよりも、個性の表現の割り合いが大きくなります。そして、今の日本では仕事に個性を出すことは、考えられていないと思います。

仕事を遂行するための機能のみを発揮するものが経費として認められやすいと思います。

そうしますと、革靴は経費にならず、安全靴なら経費になる、スーツは経費にならず、作業服は経費になる、かばんは経費にならず、パソコンバッグなら経費になる、車ならプロボックスなら経費になり、メルセデスなら経費にならない、という感じでしょうか。

といっても、仕事に個性はいらないというのは、工業化時代の古い考えとも思います。

今後は無個性な仕事はAIが担当することになるでしょうから、仕事にも個性が要求される時代がくることも考えられます。

そのような時代が来たら、スーツも大手を振って経費化できるのではないでしょうか。
 

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