12/1の知財学会で発表を行います。テーマは、戦略的商品開発手法の開発 -QFDと特許情報の融合-です。発表資料はまだ完成しておりませんが・・・。
この発表では品質表というものを特許情報からつくる、ということにチャレンジしています。
品質表とは、下のような表をいいます。
これは、100円ライターの品質表の例です。縦軸が要求品質であり、横軸は品質特性となっています。
要求品質とは、お客さんが要望する商品の品質を示しています。例えば、確実に着火する、使いやすい、などです。
品質特性とは、商品設計の目標値を引き出すために、要求品質を技術者の言葉に置き換えて抽出した言葉です。例えば、形状寸法、重量、などです。
簡単にいえば、要求品質とはお客さんの言葉であり、品質特性は技術者の言葉であり、品質表はお客さんの言葉を技術者の言葉に変換(翻訳)する役割があります。
この品質表の良い所は、お客さんの要求という抽象的な情報を、品質特性という数値で評価できるようになるところです。
例えば、お客さんから確実に着火するという要望があった場合には、そのままでは漠然とした情報ですが、この品質表を見れば、耐久性、着火性、操作性を所定の数値内とすればよいことがわかります。
したがって、商品設計を客観的な数値で管理できることになりますので、技術者も商品設計を非常にしやすくなります。
この考え方は商品設計だけではなく、いろいろな分野に役立つと思います。例えば、知的資産経営報告書では、KPI:Key Performance Indicatorsというものを評価指標として設定して、知的資産経営の進捗を数値で管理します。
これにより、知的資産経営という理解しにくい概念を、数値により見える化することにより、いろいろな人に理解してもらうことが可能になります。
難関の資格試験や英会話の勉強も、こういった数値で進捗を評価できれば目標を定めやすくなると思います。
そういう意味では、 自分が直面する課題について品質表のようなマトリクスを作成すれば、解決の一助となるかもしれません。