会社のスローガンで、たまに「金がないなら知恵を出せ」のような標語を見かけることがあります。
実際その通りの部分もありますが、文字通りに受け取るとまずい部分もあります。
1つは、知恵のみでは経営に対するインパクトがない点です。知恵というのはただのアイデアですから、これに、人・物・金の資源を投入して、はじめて経営に貢献することが可能となります。
アイデアに人・物・金を投入してレバレッジを効かせることが重要となりますので、知恵のみでなんとかなるという考えは、悪い精神論となります。
また、例えば、「すごく良いアイデア×少ないお金の投入」の戦略と、「そこそこのアイデア×大量のお金の投入」の戦略とでは、どちらが成功する可能性が高いかといえば、これはなんとも言えないところとなります。
しかし、アイデアが良くても資金の量で負けたという事例はいろいろあると思いますので、お金で負けたというのは、なんとも悔しい結果となります。
私個人としては、物量戦略というのは好きでして、なぜなら、細かいミスも物量でカバーできるからです。一方、日本は精神論好きですので、こういう考えは嫌われると思います。
あとは、ベンチャー企業の仕事でたまにありますのが、 人・物・金は何とかするから、結果を出してくれという状況です。
ベンチャー企業は「成長が命」ですので、 人・物・金を投入してでも、成長したいという状況が生じます。
こういう仕事ですと、人・物・金が投入できるのだからいいのではと思いますが、全く逆で、投入した資源に見合う成果を出さなくてはいけませんから、プレッシャーは大きなものとなります。
そうしますと、アイデアが重要なことは変わりませんが、人・物・金の効率的な使い方が重要となります。
「金がないなら知恵を出せ」的な考えで仕事をしておりますと、人・物・金を使用する経験を積むことができず、金がでる(でてしまう・・・)状況下での仕事の進め方がわからなくなります。
ということで、知恵も重要ですが、やはりお金も重要と思います。