2030年代半ばに電動車のみとする日本政府の方針が検討されているようです。
電気自動車といえば、私がMOTに通っていた10年前から、いろいろ議論がありました。
10年前の予想としては、ガソリン車はすり合わせ構造、電気自動車はモジュール構造ということで、日本は不利になり、中国は有利になるという感じでした。
そして、BYDのような新興企業が成長し、 タタのような廉価な自動車の電気自動車バージョンが、破壊的イノベーションとして市場を席巻し始めるだろう、というような予想がされておりました。
10年後の答え合わせとしては、上記のような事態は生じず、ガソリン車があいかわらずシェアの上位を占めております。
ということで、ここで電気自動車がどうなるか、予想をしてもおそらく当たりませんので、予想はしないことにします。
とはいえ、上記は政府の方針となりますので、電動車のみの未来がくることは、今度は確実といえるかと思います。
一つ疑問なのが、電動車を増やした場合、電力はどうするのだろうということです。
今の発電量では足りませんので、発電所を増設する必要がありますが、火力はつくれず、再生可能エネルギーは当てにならずということで、電力が足りません。
中国や米国のように、最新技術にアレルギーのない国は、新型原子力発電所の増設でローコストの電力供給を可能とすると思います。
中国から電気を買うという考えもありますが、安全保障上好ましくありません。
さらに、再生可能エネルギーの高い電気で車を動かそうとした場合には、物流にコストがかかりすぎ、日本の国際競争力も低くなると思います。
という難しい問題は政府に任せるとして、将来の電気自動車はどうなるか勝手に予想したいと思います。
おそらく、将来の電気自動車は移動手段というより、アンドロイドに近くなるのではないでしょうか。
例えば、牛乳が切れた場合には、電気自動車が近くのイオンに牛乳を買いに行ってくれる、とか、駅で雨に降られた場合には、駅まで迎えに来てくれる、などです。
このような場合、人間が運転する必要はありませんので、無人での移動となります。道路上の車の半分くらいが無人の移動となっているのではないでしょうか。
あと、自動車事故が起きなくなりますので、エアバック等の安全装備が不要となり、衝突安全性も不要となります。したがってシャシーはFRPとか、軽い材料で十分となるかと思います。
自動車損害保険も不要となり、自動車免許も不要となります。
まあこうなると、そもそも自動車を所有する意味もなくなりますので、よく言われるように、共有物になってゆくのかなと思います。
私としましては、ガソリン車に乗れるのがあと10年と区切られてしまいましたので、最後にSR400あたりのバイクでも買って、内燃機関の最後を見送りたいと思います。