良いアイデアが浮かぶと特許出願をしたくなります。出願すれば確かに特許されるかもしれません。ただし、本当にそれでよいのか考えてみましょう。
特許庁の審査では新規性、進歩性のみ判断されますので、特許されたからといってその経済的価値が保証されるわけではありません。
特許出願には結構な額の費用が必要ですので、経済的価値を考慮せずに特許出願を行った場合には、特許されたのに大赤字ということになりかねません。
例えば、新しい洗濯ばさみの構造を考案し特許をとった場合を考えます。洗濯ばさみの単価を50円として1年で1,000個売れるとすると、年間売上は5万円です。実施料率を3%とすると、1年で1500円しか収益を得られません。
そうすると10年で1万5千円しか収益が得られないわけで、特許に費やした金額数十万円には全く足りません。
逆に大ヒットして年間1億個売れたとすると、年間売上は50億円となり、年間1億5千万円、10年で15億の収益が得られ、十分にペイします。
売上の予測は非常に難しいですが、例えば、業界団体が出している統計を利用し、特許製品がどの程度のシェアを獲得できるか予測する方法などがあります。
このように、特許製品の売上がどの程度となるか予測して特許出願を行うことにより、特許出願は無駄だった・・・と、あとで後悔することもなくなると思います。