当社の夏期知財セミナーをこれまで3回ほど開催させていただいておりますが、その内容は知財戦略の定石的なものが多いです。特殊な事例は適用範囲が狭いため、まずは、定石をという考えです。
しかしながら、定石とは過去の事例を系統的にまとめて分析したものですので、やや退屈でもあり、変化の激しい今後の世の中に適用できるのか(つまり、役に立たないのでは!)という疑問もあるかと思います。
余談ですが、MBAやMOTなどでもケーススタディとして主に経営の定石的なものを学びますが、定石は世の中の人が広く知ってますので、MBAやMOTは役に立たないと言われることもあります。
では、定石を勉強することは役に立たないのでしょうか?
ひとつ考えられるのは、定石を駆使する敵に対しては定石にを知ることにより、少なくとも負けることはないということです。定石を知らない場合には定石により敵にあっさり負けてしまいます。定石を知っている場合には、定石を超えるアイデアの戦いとなります。勉強不足で負けてしまうのはちょっと悲しいですよね。
また、アイデアは既存の知識の組み合わせですので、定石を多く知ることにより、様々な定石を組み合わせて、新たな戦略を構築できます。新たな戦略により、敵に対して優位に立つことができます。
したがいまして、定石を知ることが負けないために重要であり、さらに勝つためには、定石を自分のものとすることが必要と言えるでしょう。
シャーロック・ホームズも千以上の過去の事件を研究し、それに基づいて優れた推理を行ったそうですので、めんどうで退屈でもありますが定石を勉強するしかないようです。