2012年の知財学会で以下の内容を発表しました。
マーケティング・プロセスへの特許情報の活用について
https://www.j-mac.or.jp/wp/dtl.php?wp_id=75
しかし、その後やっていないのは、以下の理由があります。
まず、論文の中の図表をつくるためには、特許マップソフトが必要な点です。特許マップソフトは高価ですので、論文の図表をつくろうと思っても、作れる人は少ないことになります。
今は、エクセルやKHCoder、Pythonなど、(ほぼ)無料ソフトを使って図表化することにトライしております 。
次に、ミクロ分析の手法を思いつかなかった点があります。この辺りは、論文では完全に無視されております。
マーケティングにおけるミクロ分析(4P)を行うためには、分析対象となる新商品のアイデアを考えねばなりませんが、これが難しいものがありました(とりあえず、既存製品でやってしまうことでもよいですが・・・)。
これも、今回、多空間デザインモデルによるアイデア発想ができましたので、これで4P分析してみることも考えられます。これは今後のテーマとなります。
結構ネックだと思うのが、マーケティングは商品と市場との関係を分析するものですが、特許情報からは技術情報を抽出できますが、商品情報を抽出できない点にあります。
したがって、テクノロジーの用語がずらりと並ぶような、いまいちマーケティングっぽくないアウトプットとなります。
これを解消するには
(1)アウトプットに商品と技術の対応表を介在させる
対応表を介在させることにより、特許情報を商品情報に変換して、これに対してマーケティング・プロセスを実施します。これですと、一般の人にもわかりやすいアウトプットとなると思います。
一応、上記論文では、商品情報に変換しているようです。
(2)開き直って技術マーケティングとする
分析対象を技術にして、マーケティング・プロセスを実施します。今流行りのIPランドスケープはこのような感じと思います(よくわかりませんが)。これですと、一般の人にはとっつきにくい感じとなると思いますが、つくりやすいというメリットがあります。
(3)意匠、商標と統合する
意匠と商標は、商品単位の権利となりますので、実のところ、マーケティングには使用しやすいという特徴があります。
そうしますと、特許のみではなく、意匠や商標の情報を使用することにより、マーケティングプロセスに組み込みやすくなると思います。
具体的に、どうするかといわれれば、特にありませんので、これも今後のテーマとなります。
ということで、余力のある方は、上記課題解決にトライしていただければと思います。