最近、特許の世界でよく聞く言葉があります。
「量より質が大切です!」
確かに、いいことのように聞こえますよね。でも、ちょっと待ってください。本当にそうなんでしょうか?
昔の日本はすごかった!
実は、日本には「特許出願件数世界一」だった時代があるんです。そして、その頃の日本経済は世界でもトップクラスの強さを誇っていました。
「量は質を生む」っていう言葉、ご存知ですか? もしかしたら、当時の日本は、世界一の特許出願数(量)があったからこそ、世界一の経済力(質)を手に入れることができたのかもしれません。
歴史から学ぶヒント
ここで、ちょっと歴史の話をさせてください。 (戦争の話で恐縮ですが、とても分かりやすい例なんです)
日露戦争の時、日本の指導者たちは何を考えていたと思いますか? 実は、「とにかくロシアと同じくらいの数の戦力を持とう!」ということに必死だったんです。
- 陸上戦力を20万人くらいに
- 戦艦も5隻くらいに
国の予算をかなり使って、この数字を実現したんです(その分、国民は大変だったみたいですが...)。
そして面白いのは、この「数」が揃ってから、はじめて質の勝負ができたということ。
- イギリス製の高性能な戦艦
- 良質な石炭
- 熱意あふれる日本兵
こういった「質」の面での強みを活かすことができたんです。
逆に、太平洋戦争ではどうだったでしょう? アメリカの圧倒的な物量の前に、質の勝負にすら持ち込めませんでした。
何が言いたいか?
この歴史から、二つの大切なことが見えてきます:
- 量があってこそ、質も育つ
- 質が効いてくるのは、量が十分にある時
今の日本企業は大丈夫?
実は、最近の「量より質」という話には、ちょっと怪しいところがあるんです。
バブル崩壊後、多くの日本企業は経費削減に走りました。その時の言い訳として、「量より質」という理屈が使われたんじゃないか...というのが私の見方です。
その結果どうなったか? たくさんの特許を出願し続けているアメリカや中国の企業に、どんどん追い抜かれているんです。
まとめ
「量より質が大切」
確かにその通りなんです。でも、それは「十分な量がある」という前提があってこその話。量を無視して質だけを追求しても、うまくいかないかもしれません。
特許戦略を考えるとき、まずは「必要な量」をしっかり確保すること。そこから質を高めていく。そんな順番で考えてみてはいかがでしょうか?