2020年1月27日月曜日

分析と発想について

デザイン科学概論という本を読んでおりますが、理解度は2割といったところです。

しかしながら、いろいろ気付きがありました。

デザイン思考においては、分析→発想→評価というステップをとることが重要となります。

つまり、「分析」で終わるのではなく、次のステップの「発想」が重要となります(もちろん、その次の「評価」も重要ですが・・・)。

私も以前から特許情報分析に関して、もやもや感がありましたが、これは分析した次はどうするのか?という疑問があったからです。

発想ができませんと、発明も生まれませんので、特許出願も増えない(特許明細書を書く仕事も増えず、貧乏弁理士のまま・・・)という深刻なことになります。

デザイン科学概論という本では、この点に関してフォローされておりまして、M-BAR(多空間発想法)というものが提案されております(こういう内容が想起できないネーミングは困りますが・・・)。

M-BARでも、結局は従来の発想法であるブレインストーミングやKJ法を使用するのですが、多空間化されている点で、ちょっとわかりやすいことになっております。

この本では、分析・評価はM-QFD(多空間QFD)で行い、発想はM-BAR(多空間発想法)で行うという、穴のない、なかなか優れた内容となっております(この本は、何年か前、SNS上で話題になったようです。)

さらに都合のよいことに、M-QFDとM-BARとの関係は、わたくしが12月の知財学会で発表しましたブランドQFDとコンテクストの関係と類似しておりますので、いろいろ応用が利きそうです(知財学会での発表内容については年内に何らかの形で公表します)。

そうしますと、最終的には多空間QFDを用いて、ブランド・デザイン・テクノロジーの分析をし、多空間モデルを用いて、ブランド・デザイン・テクノロジーの発想を行うというのが、一つの目標となるでしょうか。

2年後くらいには、このような感じでまとめられればと思います。

2020年1月15日水曜日

デザインQFDの論理付けについて

現在、QFDをデザイン思考に使用した例の調査をしております。

J-GLOBALやGoogle Scholarなどの無料の検索システムを使用して検索してみましたが、よい文献がありませんでした。

自分で考えねばならないかと、あきらめかけていたところ、丸善の技術書籍コーナーで、「デザイン科学概論(慶應義塾大学出版会)」という2018年の書籍を発見しました。

この本には分析・評価を主な狙いとした「M-QFD」が紹介されております。

ということで、この「M-QFD」をテキストマイニングで作成すれば、デザインに使用するQFDの事例が作れることになります。

この「M-QFD」は、軸が、「価値」、「意味」、「状態」、「属性」と4つもあるので、若干軸が多い気がします。容易に理解できる軸の数は3つくらいと思います。そこで、少々アレンジが必要と思います。

また、「価値」、「意味」の意味が分かりにくいので、デザイン思考で一般的に用いられる「ニーズ」とかの用語を使用したいところです。

そもそも、この「M-QFD」は、松岡先生の独自理論である多空間デザインモデルに依拠したものとなりますので、はたしてこれに乗っかりすぎるのもどうかと悩みます。

多空間デザインモデルは少々難解ですので、シンプルにしませんと使い勝手が悪そうです。その点、デザイン思考はとっつきやすいものがあります(実行するのは難しいのかもしれませんが)。

また、「M-QFD」というネーミングもわかりにくいので、今後は「デザインQFD」という名前で行こうと思います。

と、いろいろとケチをつけましたが、この書籍の発見により、論理付けの労力が大きく低減されることになりそうなので、本を読みこみたいと思います。

2020年1月6日月曜日

セミナー講師について

昨年末、セミナー会社からテキストマイニングに関するセミナー講師をしてくれという話がありました。

3月にセミナー実施というスケジュールです。セミナーといえば、数時間はしゃべらなければならないため、それなりに準備が必要となります。

資料作成に時間が必要ですので依頼を引き受けるかどうか悩んでおりましたら、今年に入ってセミナー会社の方から、他の講師を頼んだからもういいです、との連絡がありました。

したがって、セミナー講師の件は、残念ながらお流れになりました。中途半端に受任しても、コンテンツができなければ責任問題となりますので、しょうがありません。

どのような方が講師になったのか、こそっと確認したところ、テキストマイニング関係のソフトを販売している会社の方でした。

セミナー講師をやれば自社製品の宣伝にもなりますし、宣伝用のコンテンツも豊富にお持ちでしょうから、依頼があったら即決だったろうなと推測します。

こういう方が講師をやる場合には、セミナーで学んだ知識を実行しようとしても、講師の所属する会社のソフトを買わなければならないような気もしますので、どうなんでしょう。

こういう方達に交じって、私が無料でテキストマイニングできます!というような内容で話しますと、正直微妙な空気となる(営業妨害?)と思いますので、流れてよかったのかと思います。

結局、セミナー講師を引き受けるためには、ある程度のコンテンツを事前に用意しておく必要があるかと思います。そして、セミナーの依頼があったら、趣旨に応じて内容を数か月の準備期間で小変更する、くらいの準備が必要と思います。

ただし、何らかの強制的な期限がないと用意する気もおきませんので、用意がない状態で引き受けて必死に資料作成するというのが現実でしょうか。

2020年1月2日木曜日

IPランドスケープの課題について

今話題のIPランドスケープですが、話題性については昨年あたりがピークであったのではないかと推測します。

ピークを過ぎたら重要でなくなるというのではなく、一般化が進み、どの企業でもやるのが当たり前の事項となると思います(オープン・クローズ戦略やデザイン思考も、話題性は下がりましたが、重要性は高くなっております。)

といいながらも、私は知識的には未だ本をながら読みしたレベルですので、wikiで勉強してみました。(https://ja.wikipedia.org/wiki/IPランドスケープ

そうしたところ、IPランドスケープにつきましては、いわゆる特許情報分析のマクロ分析のようなものではないかと感じました。

そこで、私が感じるIPランドスケープの課題をいくつか提示しますので、ご興味のある方はぜひ課題解決にトライいただければと思います。

(1)量的分析である。

私もパテントマップをつくってお客さんに提示することがありますが、反応がよろしくありません。それは、IPランドスケープ(以下、面倒なのでIPLとします)は量的分析であり、数の大小しかわからないからです。

例えば、IPLから特定分野の自社特許出願が少ないことがわかっても、では、特許出願を増やしましょう、とはなりません。(なってくれれば、話は早いのですが・・・。)

次のステップとしては、どのような発明をするかや、侵害リスク等の質的分析が必要となります(いわゆるミクロ分析)。

そうしますと、マクロ分析で終わるのではなく、ミクロ分析まで含んだ分析を行えるようにする必要があると思います。

これは、マクロ分析とミクロ分析との間に、セミマクロ分析のようなものを設けて、橋渡しを図ることになるのかと考えます。

(2)ユーザー(カスタマー)の観点が抜けている

IPLが依拠する情報は、特許情報(及び企業情報)となりますので、ユーザーの観点が抜けております。

IPLででてくる情報は、企業vs企業のような感じとなります。これはイメージとしては国家間の戦争のような感じとなります。例えば、小説「坂の上の雲」にあるような、二百三高地で対峙するロシア軍の物量と日本軍の物量、の分析に近くなります。

企業経営を戦争ととらえれば、IPLはまったく正しいのですが、こういう量に基づく経営判断は大企業にのみ有効と思います。

物量に劣る中小企業では、このような物量のぶつかり合いを避けたポジションでの戦いが必須となると思いますので、やはり、分析にユーザー情報を含めて、戦いやすいポジションの検討ができることが必要と思います。

そうしますと、ユーザー(カスタマー)に関する何らかのマクロ情報を探してきて、組み合わせることになるのかと考えます。

(3)意匠・商標の観点が抜けている

私は一応特許が専門とはなっておりますが、実際の仕事では、意匠・商標・不競法・その他(標準化・著作権等)の仕事もしております。

そういう観点からしますと、今のIPランドスケープは、意匠・商標の観点が抜けておりますので、IPランドスケープというより、実際にはパテントランドスケープなのではないかと思います。

品質誤認っぽいネーミングですので、パテントランドスケープにするか、商標・意匠のマクロ分析を含むような分析手法を考え、真の意味のIPランドスケープを目指すkこともよいかと思います。

昔、特許分類、商標分類、意匠分類を統一化(若しくは、対応表のようなものをつくる)ことにより、一体的にマクロ分析できるのではないか、と思いつきましたが、作業が大変なので何も作業しておりません。

(4)サービス業への対応

日本のGDPにおける製造業の割合は約2割、サービス業は約7割となっております。IPLは特許情報に依拠しておりますので、日本のGDPの、ざっと見積もって3割くらいの企業にしか対応できません。

私も、このまま経済のサービス化が進むと、日本では特許制度が不要となるのではないかと危惧しております。これは、IPLの課題というより、特許制度の課題となりますが・・・。

そうしますと、依拠するデータとして、特許情報を減らす必要があるかと思います。IPLに使用するデータにおける特許情報の割合を減らして、他の情報を入れれば、サービス業にも対応でき、IPLの利用の拡大も図れるのではないかと思います。

サービス業につきましては、商標出願が活発化しておりますので(そのため、審査期間も伸びておりますが・・・)、商標のマクロ情報を使用すればよいのかもしれませんが、よくわかりません・・・。

あとは、マップソフトが高くて私のような貧乏弁理士には手が出ない・・・いうのもありますが、これは、廉価版の開発を期待したいと思います。

2020年1月1日水曜日

混ぜると危険?

昨年の知財学会で、レビュー情報と特許情報を混ぜないほうが良いのではというご意見があったことを、以前ブログに書きました。

知財をデザインする: 発表終了の件

顧客の生の声の集合であるレビュー情報は、内容が整理されておらず、一般には汚いデータと言われるそうです。

一方、特許情報の元となる明細書は文書作成のプロである弁理士さんが書いておりますので、(比較的)綺麗なデータと言えそうです。

そうしますと、汚いデータを綺麗なデータを混ぜて処理するのは危険という考えはごもっともとなります。

今回混ぜましたのは、テキストマイニングの技術を使用しますと、混ぜて処理できる、ということを試したかったからです。

従来の特許情報分析では、特許分類や書誌的事項等を含む所定のフォーマットのデータしか分析しませんでしたが、テキストマイニングによれば、テキストデータであれば何でも処理できます。

そうしますと、特許情報に限らず、技術論文やアンケート、その他何でもテキスト化したデータであれば混ぜて処理できることになります。

もちろん混ぜたら混ぜたで弊害はあるかもしれませんが、このような処理を考えたというアピールを含めて、上記発表となった訳です。

さて、テキストマイニングの共起性に基づく評価に関しては、特許情報よりもレビュー情報のほうが有用となります。

それは、特許情報の方は、自然法則に基づいておりますので、共起性を考えずとも、要素間の関係の強さは論理的に予測可能だからです。

一方、レビュー情報の方は、心理的なものですので、論理的な分析は不可能(解釈は可能)ですので、共起性が要素間の関係を理解する唯一の手段となります。

ということで、特許分析に限れば、テキストマイニングの利用価値はあまりないかもしれませんが、レビュー情報を含める場合には利用価値は高いということになります。