2020年12月20日日曜日

認知バイアスについて

先日ネットを見ておりましたら、「事後諸葛亮」という用語を見かけました。

言葉の意味としては、

「「諸葛亮」というのは三国志で有名な、中国実在した軍師であり、知恵のある人物・策士として後世に知られている。

世の中には事が起こった後になって知識をひけらかし、「こうすればよかっただろう」と策を示してくる人がいる。このような人物をして、諸葛亮名前を使って「事後諸葛亮」と呼ぶ。プロや当事者でも事前の予想ができない、または予想が難しい出来事への対応について、「これしかなかっただろう」と後になってから物申す人に対してよく使われる。」

ということのようです。

ニコニコ大百科(仮)からの引用です↓

https://dic.nicovideo.jp/a/%E4%BA%8B%E5%BE%8C%E8%AB%B8%E8%91%9B%E4%BA%AE

中国のスラングのようですが、なかなか使い勝手のよい言葉です。

私は、過去の事例分析がきらいなのですが、それは、やはり自分が事後諸葛亮化してしまうからです。

経営学も、学問なのか、事後諸葛亮なのかわからない部分もあります。例えば、ワークマンが成功した理由について様々なビジネス本が出ておりますが、これは事後諸葛亮なのではないか、と疑ってしまいますので、最近はビジネス書も読まなくなりました。

あと、かけだしのコンサルタントが、自分の宣伝のために、「私は、・・・を予想していた!」などと、SNSで自分を大げさ宣伝してしまったりしますが、これも事後諸葛亮っぽいので止めた方がよいと思います。 

さて、この事後諸葛亮というのは、どういう現象なのかというと、上記ニコニコ大百科(仮)よれば、後知恵バイアスというものだそうです。

弁理士には見逃せないキーワードが出てまいりました・・・。

では、後知恵バイアスとは何かといえば、

「物事が起きてしまった後に、それが予測可であったと判断する傾向。「そんなことだろうと思った」と、まるで予め知っていたかのように振舞う心理的傾向をす。事後の後にされる結果論は、後知恵バイアスの典的な例である。

上記の例で説明するならば、”離婚の原因が旦那浮気である”という部分に後知恵バイアスがかかっている。Aさん情報がなければ、Bさんは浮気離婚の原因だと予測することができないからだ。普通であれば"さんが浮気した可性"も十分あり得るはずなのである。しかし「旦那浮気していた」ということを知った途端に疑念が確信に変わり、「Aさんに教えて貰う前から旦那浮気していると知っていた」かのように振る舞ってしまう。そして”原因を予測できていた”と錯覚し、満足感や優越感に浸ってしまうのである。

もし仮に本当に離婚の原因が浮気だったとして、そればかりにを向けて旦那批判するのは、やはり後知恵バイアスがかかっていると言える。旦那浮気した理由が、旦那が一生懸命働いているのに給料が上がらず、さんが旦那に日頃から罵倒を浴びせていたからかもしれない。そのストレスから逃れるために旦那浮気に走ったのかもしれない。そういった可性を考慮せずに旦那の方ばかりを批判するのは、偏に「旦那浮気した」という後知恵(バイアス)がしているからなのである。」

 ということのようです。

ニコニコ大百科(仮)からの引用です↓

https://dic.nicovideo.jp/a/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9

後知恵バイアスが問題となるのは、発明の進歩性判断の局面です。拒絶理由を読みますと、後知恵バイアスとしか思えない理由が通知されることが多々あります。

この後知恵バイアスに対する反論は大変です。これは、後知恵バイアスは審査官の認知的バイアスによるものですので、反論した場合には、審査官の認知に対する批判も、いやですが、記載しなければならないからです。 

これは、技術の話でもなく論理の話でもなく、審査官の心理的な話ですので、非常に苦手です(やり手の弁護士さんでしたら得意かもしれませんが・・・。)

上記のように、審査官が、後知恵バイアスにより、満足感や優越感に浸ってしまった場合には、それを否定することは、審査官に不服感や劣等感を与えることになりますので、審査官も人間であることから心理的な拒絶反応を示すのではないでしょうか。

現実的には、審査官の説得をあきらめ、不服審判に進んで、審査する人を審判官に変えてもらう、というのが消極的な対応となります。 

私個人としましては、特許審査はAIに置き換えてゆく方がよいのかな・・・と思います。AIは人間ではありませんので、心もなく、認知バイアスがありません。したがって、進歩性判断の公平性は高くなると思います。

ということで、認知バイアスには気を付けようという話でした。

2020年12月11日金曜日

自分の論文を見返す

先日投稿した論文ですが、査読を開始するとの連絡がありました。

査読を通れば来年前半には公開され、通りませんでしたら、仕方がありませんので、日本マーケティング学会のワーキングペーパー送りとなります。

日本マーケティング学会のワーキングペーパーとして2件ほど公開しておりますが、そういえば、最近まったく見ておりませんでしたので、確認してみました。

一つ目の論文は

マーケティング・プロセスへの特許情報の活用について

となります。 総ダウンロード数122、総閲覧数301となっております。ダウンロードや閲覧いただいた方、まことにありがとうございます。

この論文は2012年ごろに書きましたので、ちょうどMOTを修了したての頃に作成したものです。したがって、技術経営の勘がある頃でした。

この論文のよいところは、マーケティングプロセスがまとめられているところです。これは農工大MOTのマーケティング概論の講義資料をまとめたものですので、内容はなかなかよいです(私の力ではありませんが・・・)。

私もたまにこの部分は復習がてら見返すことがあります。

マーケティングプロセスに特許情報を無理やり当てはめているのが、図7です。この図からわかるように、 なかなか難しいことになっております。

また、特許情報からは、「品質」,「価格」,「理念」,「ビジョン」,「利益」、「売上」、「顧客ニーズ」等の抽象的な情報はとれませんので、このあたりが、マーケティングプロセスへの特許情報適用の限界となります。

(なお、品質や顧客ニーズについては、この後の論文で考慮できるようになりました。)

そうしますと、かなり限定的な分析となりますが、無理せず、一般のマーケティング情報も合わせて用いればよいのかと思います。この論文を書いた時には、特許情報原理主義者でしたので、そこまでは考えませんでした。

環境分析の結果が図11となりますが、今の自分でしたらどういう図を作成するかなと考えますと、多分、IPランドスケープの本から適当にもってくることになるでしょうか。

この図のよくないところは、分析にFIを使用していることと、作成に特許マップソフトを使用しているところです。これでは、特許実務に慣れた人でないと、図の意味を理解できないことになります。 

今見ても面白いのが図14です。セグメンテーションとターゲティングをアンゾフのマトリクスを使って、一つの図に表現しています。結構すごいと思いますが、どなたか褒めてくださいませんでしょうか・・・

一方、まったく手付かずなのが、ポジショニングとミクロ分析となります。このあたりは、QFDと多空間デザインモデルを使用すれば、処理できるかもしれません。 

ということで、IPランドスケープやQFDなど、最近の知見を使用して、マーケティングプロセスを再考してみるのもよいかもしれません。来年の知財ネタの一つにできそうです。

2020年12月5日土曜日

電気自動車に思うこと。

2030年代半ばに電動車のみとする日本政府の方針が検討されているようです。

電気自動車といえば、私がMOTに通っていた10年前から、いろいろ議論がありました。

10年前の予想としては、ガソリン車はすり合わせ構造、電気自動車はモジュール構造ということで、日本は不利になり、中国は有利になるという感じでした。

そして、BYDのような新興企業が成長し、 タタのような廉価な自動車の電気自動車バージョンが、破壊的イノベーションとして市場を席巻し始めるだろう、というような予想がされておりました。

10年後の答え合わせとしては、上記のような事態は生じず、ガソリン車があいかわらずシェアの上位を占めております。 

ということで、ここで電気自動車がどうなるか、予想をしてもおそらく当たりませんので、予想はしないことにします。

とはいえ、上記は政府の方針となりますので、電動車のみの未来がくることは、今度は確実といえるかと思います。

一つ疑問なのが、電動車を増やした場合、電力はどうするのだろうということです。

今の発電量では足りませんので、発電所を増設する必要がありますが、火力はつくれず、再生可能エネルギーは当てにならずということで、電力が足りません。

中国や米国のように、最新技術にアレルギーのない国は、新型原子力発電所の増設でローコストの電力供給を可能とすると思います。

中国から電気を買うという考えもありますが、安全保障上好ましくありません。

さらに、再生可能エネルギーの高い電気で車を動かそうとした場合には、物流にコストがかかりすぎ、日本の国際競争力も低くなると思います。 

という難しい問題は政府に任せるとして、将来の電気自動車はどうなるか勝手に予想したいと思います。

おそらく、将来の電気自動車は移動手段というより、アンドロイドに近くなるのではないでしょうか。

例えば、牛乳が切れた場合には、電気自動車が近くのイオンに牛乳を買いに行ってくれる、とか、駅で雨に降られた場合には、駅まで迎えに来てくれる、などです。

このような場合、人間が運転する必要はありませんので、無人での移動となります。道路上の車の半分くらいが無人の移動となっているのではないでしょうか。

あと、自動車事故が起きなくなりますので、エアバック等の安全装備が不要となり、衝突安全性も不要となります。したがってシャシーはFRPとか、軽い材料で十分となるかと思います。

自動車損害保険も不要となり、自動車免許も不要となります。

まあこうなると、そもそも自動車を所有する意味もなくなりますので、よく言われるように、共有物になってゆくのかなと思います。

私としましては、ガソリン車に乗れるのがあと10年と区切られてしまいましたので、最後にSR400あたりのバイクでも買って、内燃機関の最後を見送りたいと思います。

2020年11月29日日曜日

発表終了の件

知財学会の発表が無事終わりました。ご聴講いただいた方、まことにありがとうございました。

パワポ33ページでしたので早口でとにかくしゃべりました。今年は会場から質問もなく、内容がよろしくなかったかもしれません。

オンライン会議の問題点は、自分の声がどの程度の大きさで相手に届いているかわからないところです。

逆によいところは、発表に対する会場の反応が分からないこともあり、心が折れることもなく発表を終えることができる点かと思います。

良い学会発表とは何か、となりますと、やはり、会場の方が質問したくなるような、発表内容づくりかな、と思います。

自分の成果をひたすら発表してしまうと会場が置き去りとなりますので、会場から質問を集め、自分の研究を改善するためのヒントとするような感じが良いと思います。

しかし、今年もいろいろありましたが、アウトプットを一つ残せてよかったと思います。今回の発表内容については、どこかで公表できるよう作業を進めたいと思います。

2020年11月26日木曜日

予稿を見ての感想

知財学会ですが、発表者には先んじて予稿が見れるようになりました。

内容をお伝えすることは厳禁ですので、簡単な感想をお伝え?したいと思います。

まず、予稿はカラーでも可というのは去年私が学んだことですが、文字数や行数等も勝手に変更してよいことも今回わかりました。

私は馬鹿正直に、学会HPにアップされていた例のままのフォーマットとしましたが、人によってはぎっしりと小さい文字で書きこんであります。

したがいまして、自分の発表に人を呼びたい場合には、予稿も字を小さく行数を多くして、ぎっしりと書き込むことをぜひお勧めします。 

それで、予稿を見た感想ですが、いろいろ考えている人がいるのだな・・・、というところです。

こういうブログを書いていてなんですが、最近、知財というものへの興味が薄くなり、知財関係の本もあまり買っておりません。したがいまして、知財に対する視野が狭くなってしまったと感じております。

こういう予稿集を見ますと、視野が再度広がった感じがして、これで参加費が3000円なら正直安いものだ、と思います。

印象としては、著作権、商標権、標準化、ビジネスモデルの話題が多いかなという印象です(あくまでも印象です。正確には分析してません・・・)。

特許屋としては寂しい限りです(といいつつ、ブランド・デザインのカテゴリーで発表しておりますが。)

ということで、日曜日の発表に備えようと思います。

2020年11月20日金曜日

発明の未来について・・・

前回、「内容に関しては、できるだけ努力しないで、特許性のある発明をする方法を考えた」などといいましたが、これは当ブログのみの発言となります。

学会では、この点は積極的には触れないで発表としようと思います。これは、上記考えには問題があるからです。

特許法の建前上、進歩性のある発明のみ保護することとなっております。

この理由にはいろいろあると思いますが、発明は人間の精神活動の成果であり、その人間の努力を評価する、というのがあると思います。 

そこで、努力しないで発明をしますと、はたして法で保護する必要があるのか、という疑問が生じることなります。

上記の考えを表明してしまいますと、このような論点が浮かび上がりますので、積極的に言う必要はないかと思います。

しかし、この論点は5~10年以内に真剣に議論されることとなると思います。それはAIが発明するケースが今後増えてくると思われるからです。

AIは大量のデータに基づいて発明してくると予想されますので、人間には思いつかない奇想天外な発明を多数してくると思います。

現状の審査基準は、人間の精神活動を基準に定められておりますので、人間の精神活動の限界を超えるAIがなす発明は余裕で特許されることになります。

つまり、今の審査基準は人間にはほどよいが、AIには”ざる”ということになります。

そうしますと、審査基準を厳しくするとかの対応が必要となりますが、そうしますと、人間のなす発明は進歩性なしとなり、特許を受けることができなくなる弊害があります。

しかし、そのような時代が来た場合、人間の役割とはどのようになるのでしょうか・・・。 企業の研究所はAIをずらりと並べて、そのアウトプットを見繕って出願したり、製品化したりするようになるのかもしれません・・・。

2020年11月19日木曜日

もう飽きた件

今日は知財学会の接続テストがありました。

今年の知財学会はオンラインということで、発表者は自宅などから発表することになると思います。今日はその接続を確認することをしました。

私の方はうまく接続できましたが、当日は多少混乱がありそうです。接続がうまくゆかなくても無慈悲に発表をスケジュール通りに進行するそうです。

パワポももう出来上がっており、改善しようと思えばさらに改善できますが、まあ、もういいかなという感じです。正直このテーマに飽きました・・・。

5月のGWの自粛期間にデータ整理をしましたので、もう昔のテーマという感じです。

学会発表後に、論文に仕上げようと思いましたが、もう、論文もできてますので、11月中に投稿して、このテーマは終わりとし、12月からは、次のテーマを探す旅にでようと思います。

発表資料ですが、パワポは通常20ポイント以上の文字を使うことが推奨されますが、今回はオンラインということで、小さな文字でも見えると思いますので、16ポイントでまとめてみました。

内容に関しては、できるだけ努力しないで、特許性のある発明をする方法を考えたものとなっておりますので、将来的には、この発表内容が、自分で自分の首を絞めるような結果となるかもしれません。

とはいえ、いずれ誰かが考えるでしょうから、気にせず発表したいと思います・・・。

2020年11月12日木曜日

まだまだ作業中

前回パワポが完成したといいましたが、構成を見直し作業中です・・・。

パワポ作成作業をしていると、内容がよいのか悪いのか感想がなくなるといいましたが、さらに作業を進めますと、自分はなぜこんなことをしているのか、何の役に立つのかという気持ちになってきました。

どうも作業に集中しますと、意識レベルが低下してゆくようです。

パワポの構成としましては、

Step1 デザイン要素の抽出

Step2 デザイン要素の分類

Step3 デザイン要素の構造化

Step4 デザイン要素の分割・追加

Step5 デザインの具現化

といった具合に、多空間デザインモデルの教科書通りに、各Stepの作業をしてゆく形としました。 

知財学会ですが、私以外にも多数の方が発表されます。しかし、私は、他の方の発表を聞かないと思います。

私の前の発表につきましては、自分の発表への極度の緊張のため、とても発表を聞く気にはなりません・・・。(修正や準備もありますし・・・。)

私の後の発表につきましては、自分の発表が終わったことへの開放感から、学会をとっとと去って、遊びたい気持ちになり、やはり聞く気にはなりません。

そういう意味では、発表しない方がよいのかもしれません・・・。

ただし、今回は、2A9(インテンシブ) 「発明の発掘」は「存在物の認知」か、「創発的な見なし・見立て」か? ~「知識、技術、発明、特許のプロセスモデル」を再考する、は見ようかと思っております。

私の発表は、情報から、創発デザインをして、特許化するというプロセスになりますので、私のテーマと何か共通点があれば、取り入れたいと思います(妹尾先生の発表ですので、私の考えをはるかに上回っているとは思います・・・。)

しかし、長いタイトルですな・・・。やはり、観客を呼ぶには、このくらいの題名にした方がよいのかもしれません。

私は、あまり観客に来られても、厳しい突っ込みがなされることをおそれますので、そっけないタイトルにしすぎたかと思います。

上記タイトルをまねしますと、私のテーマは以下のようになります。 

「発明の具現化」は「存在物の再構成」か、「創発的な思考能力」か? ~「特許情報、技術、発明、特許のプロセスモデル」を再考して、何とか楽して特許をとりたい・・・。、となります。

まあ、やっぱりやめておいた方がよいですね・・・。

そのまえに、学会参加費を振込しなくては・・・(弁理士は3000円と安いです。貧乏なので助かります)。

2020年10月30日金曜日

その他のカテゴリー・・・

知財学会発表用のパワポですが、もうできあがりました・・・。

 

こういう早くできあがるときには、地雷があるものですが、別に業務ではありませんので、気にしないことにします。

 

18回年次学術研究発表会ですが、プログラムの全容が明らかになったようです。

 

https://www.ipaj.org/workshop/2020/workshop_2020.html

 

私の発表は、11/29(日)の1440~ということになりました。

 

https://www.ipaj.org/workshop/2020/pdfs/ippan20201129.pdf

 

私の発表する「ブランド・デザイン」のカテゴリーをみますと、ブランド・デザインは、商標法・意匠法派の方が今年は多くを占め、肩身が狭そうです・・・。

 

スケジュールをみますと、私の前には10分の休憩が挟み込まれており、その下の「その他」とくっつけられておりますので、次からは「その他」のカテゴリーで発表するよう、暗に迫られているのかもしれません・・・(ちなみに、来年発表できるネタは今のところありません・・・)。

 

8年くらい前に私が知財学会で発表した時には、特許情報分析に関するカテゴリーが独立してありました。発表者も多くて一大カテゴリーという感じでした。

 

去年しばらくぶりに発表したときには、特許情報分析に関するカテゴリーは消滅しておりました。少し寂しいですね・・・。

 

今、特許情報分析に関する発表をする場合には、「その他」のカテゴリーとなるのでしょうか。

 

一方、えらい先生方のセッションのテーマを見ますとデータの利活用関係のテーマが並んでおります。


これからはデータの利活用が重要となるのかと予想できます。そう考えますと、特許情報分析というのは、再度注目されることになると思います。

 

そうしますと、来年は「データの利活用」というカテゴリーが新たに創設されるかもしれません。

2020年10月18日日曜日

戦略について

経営の本などを読みますと、~戦略、という用語をよく見かけます。

私が、戦略という言葉を初めて知ったのが、1987年ごろのシステムソフト社の「大戦略」というPCゲームとなります。

大戦略はPC9801で動くソフトであり、当時のPC9801は非常に高価でしたので、金持ちの友人の家に入り浸ってゲームを徹夜でやっておりました。 

その後、ゲームもやめ大戦略から遠ざかっておりましたが、弁理士になってからしばしば目にするようになったのが、知財戦略という言葉です。

それまでは戦略とは戦争用語という認識でしたので、知財戦略とは、ちょっと物騒な使い方と思いましたが、世間的なインパクトを狙うとこんな感じとなるのかなと思いました。

その後、MOTで、事業戦略、技術戦略、ブルーオーシャン戦略、オープンクローズ戦略・・・と、世の中には無数の戦略があることが分かりました。 

ご存じと思いますが、戦略とは戦術とセットとなって語られる言葉で、下記のような階層性を有します。

 

戦略とは、全体の大きな動き、戦術とは、個々の具体的な動きといったところでしょうか。

ちなみに、前述の大戦略というゲームは、兵器を動かすゲームでしたので、戦略というより、戦術のゲームでした。一方、外交や資金調達を含む、光栄の歴史ゲームは戦略級といえるかと思います。

それで、知財戦略とは、戦争用語にならって言えば「知財戦術」か「知財作戦」となるかと思います(むりやり戦争に当てはめればですが・・・)。

企業における戦略は一つですので、それにぶら下がる形でマーケティング戦術や知財戦術、技術戦術などの複数の戦術があるのが、階層として理解しやすいと思います。

ただし、このようなことを声高にいいますと、ミリオタ扱いされますので、決して言うことはありません・・・。

ただし、無理に戦争用語を使用しなくても、「知財管理」や「知財マネジメント」でよいのではないでしょうか。

こういう分野に「戦略」という言葉を使用し始めたのは、私の記憶では、マッキンゼーあたりの戦略コンサルという言葉となります。

米国はしょっちゅう戦争をしている国ですし、ランド研究所などの戦争専門のシンクタンクもありますので、そのあたりの人が経営コンサルに転職するときに、セールストークに使用したのかなと推測しております。

それで、戦略と戦術の見分け方ですが、簡単な方法があります。それは有名な格言に下記のものがありますので、それに当てはめて考えればよいです。

戦術のミスは戦略でカバーできるが、戦略のミスは戦術でカバーできない(正確にはわすれましたが、このような感じです。)

知財に関しましては、上記格言に照らしますと「戦術」となります。

世の中には、「知財」に劣っているにもかかわらず、成功している企業はたくさんあります。そういう企業は戦略に優れており、知財の劣勢をカバーしているといえます。

一方、「知財」に優れているにも関わらず、失敗している企業は・・・どうでしょうか?

知財の専門家としては、 成功している企業に「御社は知財戦略がないのでダメです!」といってしまうのは世間知らずといえますし、業績が悪化している企業に「もっと知財を頑張りましょう!」といってしまうのも、よろしくないといえます。

ということで、ミリオタが感じている「戦略」の使用法の違和感を述べさせていただきました・・・。

2020年10月16日金曜日

第1稿完成

もう知財学会まで1か月ちょっととなりました・・・。

発表の内容の第1稿は、ひとまずできました。

不思議なもので、自分の書いた文章をずっとみておりますと、この内容がよいのか悪いのかさっぱり認識できなくなります。

一種のゲシュタルト崩壊みたいな感じでしょうか。

これを避けるには、他の人に読んでもらったりするのがよいと思いますが、特にそういう方もおりませんので、これで本番を迎えることになります。 

学会発表で何か指摘がありましたら、その内容をフィードバックして、論文化したいと思います。

次の作業はパワーポイント化となります。発表時間は12分ですので、正味20~25ページくらいとなります。 

おそらく、来月には特許証もくると思いますので、パワーポイントの最後にページに、スキャンした特許証を張り付けて、うけを狙いたいと思います(外す可能性大ですが・・・)。

しかし、感じますのが1年は早いということです。

よほど計画的に物事を進めませんと、あっという間に1年は過ぎてゆきます。

知財学会で発表することは、私にとって何の利益もありませんが、このようなイベントを設定して、強制力を持たせませんと何のアウトプットもなく1年が終わります。

そういうことで、今年はコロナもありよくない1年でしたが、 アウトプットは1つできたということで満足したいと思います。

2020年10月9日金曜日

日本特許庁への出願が増加しないのはなぜか

掲題の件、産業構造審議会知的財産分科会 基本問題小委員会にて議論されるそうです。

資料はこちら

明確な理由は、よくわかりませんが、感じることは以下のような事項となります。

1.訴訟が有効でない

特許権が侵害されると最終的には訴えるしかないのですが、勝訴率が低かったり、無効審判を何回も請求されたり、損害賠償額が低かったりして、訴えることに躊躇することになります。

権利行使できないのであれば、権利化の費用も無駄ですので、日本には出願しない判断となります。

これを避けるには、どなたかがおっしゃってましたが、登録後5年で無効審判請求は禁止にするとか、3倍賠償にするとか、過激な措置も考えられますが、個人的にはどうすればよいかわかりません・・・。

2.発明の概念が狭すぎる

発明相談をしますと、これは法上の発明でないので出願できません、とお断りすることが多々あります。

特に近年、産業のサービス化が進んでおりますので、ハードウェアに依存しない発明や、心理的作用を狙った発明がなされますが、これらは出願しても29条1項柱書で拒絶されてしまいます。

したがって、発明の概念を拡大すれば、出願も増えるのではないかと思います。

とはいえ、日本のみ発明の概念を拡大するわけにもいきませんので、これも対応が難しいかもしれません。

3.出願費用

これに関しては、審査請求料も(中小企業等には)安くなりましたので、出願しやすくはなりました。私も出願して特許を取りました。

弁理士費用についても、弁理士志望者が激減してしまうほどの過当競争により、以前と比べて安くなったと思います。 

あとは、中国のように特許出願に補助金を出すような施策を打つことが考えられます。

個人的には、裁判の問題が一番なのかな。。。という感じとなりますが、どうでしょうか? 

2020年10月3日土曜日

マーケティング・プロセスと特許情報のその後

2012年の知財学会で以下の内容を発表しました。

マーケティング・プロセスへの特許情報の活用について

https://www.j-mac.or.jp/wp/dtl.php?wp_id=75

しかし、その後やっていないのは、以下の理由があります。

まず、論文の中の図表をつくるためには、特許マップソフトが必要な点です。特許マップソフトは高価ですので、論文の図表をつくろうと思っても、作れる人は少ないことになります。

今は、エクセルやKHCoder、Pythonなど、(ほぼ)無料ソフトを使って図表化することにトライしております 。

次に、ミクロ分析の手法を思いつかなかった点があります。この辺りは、論文では完全に無視されております。

マーケティングにおけるミクロ分析(4P)を行うためには、分析対象となる新商品のアイデアを考えねばなりませんが、これが難しいものがありました(とりあえず、既存製品でやってしまうことでもよいですが・・・)。

これも、今回、多空間デザインモデルによるアイデア発想ができましたので、これで4P分析してみることも考えられます。これは今後のテーマとなります。

結構ネックだと思うのが、マーケティングは商品と市場との関係を分析するものですが、特許情報からは技術情報を抽出できますが、商品情報を抽出できない点にあります。

したがって、テクノロジーの用語がずらりと並ぶような、いまいちマーケティングっぽくないアウトプットとなります。

これを解消するには

(1)アウトプットに商品と技術の対応表を介在させる

対応表を介在させることにより、特許情報を商品情報に変換して、これに対してマーケティング・プロセスを実施します。これですと、一般の人にもわかりやすいアウトプットとなると思います。

一応、上記論文では、商品情報に変換しているようです。

(2)開き直って技術マーケティングとする

分析対象を技術にして、マーケティング・プロセスを実施します。今流行りのIPランドスケープはこのような感じと思います(よくわかりませんが)。これですと、一般の人にはとっつきにくい感じとなると思いますが、つくりやすいというメリットがあります。

(3)意匠、商標と統合する

意匠と商標は、商品単位の権利となりますので、実のところ、マーケティングには使用しやすいという特徴があります。

そうしますと、特許のみではなく、意匠や商標の情報を使用することにより、マーケティングプロセスに組み込みやすくなると思います。

具体的に、どうするかといわれれば、特にありませんので、これも今後のテーマとなります。

ということで、余力のある方は、上記課題解決にトライしていただければと思います。

2020年10月2日金曜日

知財分析統一理論のその後

今回の知財学会では、多空間デザインモデルに関する発表をします。

このテーマを選んだ理由としましては、技術(特許)、ブランド、デザインの分析を一体的に行えないか、という個人的な仮説によります。

現時点で分析手法をまとめますと以下のようになります。

これを見ますと、一体化は可能と思われます。というより、ブランド分析とデザイン分析は、ほぼ同じようなことをやっていることに気が付きました。

ブランド分析では、便益(ベネフィット)を主軸に分析しますが、これは、デザイン分析でいうところ価値の下位概念といってもよいと思いますので、ブランド分析はデザイン分析に包含されるといってよいと思います。

言い換えれば、デザイン分析において、ベネフィットに着目すれば、ブランド分析になるということになります。

ということで、年初は知財分析を統一すると意気込んでいましたが、現状では、デザイン分析で事足りることがわかりました。

この方が考え方もシンプルでよいと思いますので、以後は、知財分析はデザイン分析、ということで、進めたいかなと考えております。

2020年9月27日日曜日

特許査定の件

懸案の特許出願の件は、先日特許査定がきました。

拒絶理由通知が来ましたら、IPsamuraiの判断結果と拒絶理由通知の内容とを比較して分析してみるのも面白いと考えておりました。しかし、すべてはブラックボックスとなりました。

これにて知財学会に向けた仕込みはすべて終了となりました。あとは、資料にまとめて発表するのみとなります。

予稿の期限が9/30で、発表が11/29で、もう発表まで2か月となってしまいました。

とはいえ、作業していたのがGW期間中でしたので、自分が何をしていたのか結構忘れてしまいました。勘を取り戻すのが先となります・・・。

自分の場合には、まず論文を書いてからパワーポイントを作ります。パワーポイントを先に作りますと、話の流れが分からなくなったりしますので、これを避ける意味があります。

また、論文にしておきますと、発表が終わった後、すぐに公開できるというメリットもあります。

SNSなどを見ておりますと、「・・・は、私が最初に考えた!」などといっておられる方を見かけます。

しかし、アイデアは、複数の人間が同時多発的に考えつくことが普通です。したがって、部外者からみるとみっともない印象となります。

これを避けるには、自分のアイデアについては、適当に公開するしかありません。

公開といっても、私の過疎ブログのような媒体で公開しても、ほぼ秘密の状態が守られてしまいます・・ので、何かよい媒体を見つけることが必要となります。

ということで、はやく公開できるよう作業を進めたいと思います。

2020年9月22日火曜日

明細書作成ツールを考える。

私は以前はメカ屋をやっておりました。私の世代はちょうど手書き図面から3D-CADへの移行期にあたる世代で、私はどちらの設計法でも機械設計が可能な最期?の世代となります。

手書きで機械設計というのは、干渉チェックや動作や構造のチェックが、実際の機械を組み立ててからでないとわからない部分もあり、手直しが多く発生し、経験がものをいう世界でした。

一方、3D-CADを使用しますと、干渉等のチェックを、設計をしながら確認できますので、設計の手直しをなくすことができ、省力化につながります。

すなわち、CADの方で設計者の経験不足を補助し、それなりの完成度の機械をはじめから設計できることになります。

その後転職して、明細書を書いておりますが、いつも感じますのが、何か便利ツールはないかな…、ということとなります。

現状の明細書作成は、機械設計における「手書き時代」に相当するかと思います。拒絶理由(29条、36条)のチェックが、審査請求をしてからでないとわからない部分があり、中間処理が多く発生し、経験がものをいう世界となります。

そうしますと、機械設計における3D-CADのような、拒絶理由の可能性をチェックしながら明細書を作成できるツールがあれば、中間処理を減らすことができ、省力化につながると思います。

ツールの方で、明細書作成者の経験不足を補助し、それなりの完成度の明細書をはじめから作成できるようになればよいと思いますし、まあ、近い将来はそうなるのかな、と思います。

明細書作成自動化という考え自体は、以前からありましたが、技術的に困難であることから、実用化に至ったものは存在しないと思います。

状況が変わったのは、いわゆる人工知能を使用すれば何とかなるのではないかという期待感があります。

しかし、現状の人工知能は、29条のざっくりとした判断ができるのみですが、明細書を作成するということは29条のみならず、36条もクリアできる必要があります。

すなわち36条対応の人工知能ができるかどうかが、明細書作成対応のポイントとなります。

私の考える、明細書作成AIの処理手順は以下のようになります。

STEP1.請求項を人間が作成する。

請求項をAIが作成するというのは、すなわち、AIが発明するということになりますので、これはこれで興味深いテーマですが、ここでは人間が作成することにします。

ここでは、請求項をA+B+Cとしておきます。

STEP2.AIが類似文献抽出

AIが請求項A+B+Cに類似する文献を抽出します。これは、現状のAIでも処理可能です。また、AとBは文献1に類似し、Cが文献2に類似するとします。

STEP3.AIが段落抽出

AIが文献1(明細書)からAとBに関する説明が記載された段落を抽出する。同様に文献2からCに関する段落を抽出する。これも現状の技術でできそうです。

STEP4.AIが明細書生成

AIが抽出した段落を適当に組み合わせて明細書を作成する(ここでの「適当」という言葉は悪い意味で使用してはおりません)。

適当に組みあわせただけでは論理的な文章にならず、36条で拒絶されると思いますので、ここで凝った処理が必要となると思います。どういう処理になるかは私にはわかりません。

この適当な明細書を人間が36条を満たすように修正するという、というのが現実的なところでしょうか。弁理士にこういう仕事が回ってきて、ディスカウントを迫られる未来が見えるようです・・・。

この凝った処理をAIにやらせるような開発も考えられますが、開発にはお金がかかりますので、市場性があるかどうかがポイントとなります。

逆に言えば、現状、明細書作成ツールが開発されていないのは、単に儲からない(開発費を回収できない)という理由だけかもしれません・・・。

2020年9月18日金曜日

多少困った件

知財学会の予稿締め切りが9/30と迫ってきましたので、そろそろ作業しようと思います。

少々困ったのが5月末に早期審査の事情説明書を提出した件について、4か月弱となる今でも審査結果の通知がないことです。

知財学会で発表する内容に関連して出願しましたので、これが特許となるか、拒絶となるかで書く内容が変わってきます。

早期審査については、通常3か月で最初の審査結果が通知されますので、これは審査が遅れているといえます。

理由についてはよくわかりませんが、コロナの影響でしょうか。

仕方がありませんので、審査結果がどうなってもよいような感じでまとめるしかありません。

本番まであと2か月であることを考えますと、そろそろパワーポイントの方も着手した方がよいかもしれません。この4連休を利用して作業を進めたいと思います。

2020年9月8日火曜日

めざせデータサイエンティスト?

noteの方に、記事を投稿しました。

Pythonで特許マップを作成してみる#8   


一応、特許マップ完成ということで終わりにしましたが、何か、こう、出願件数ベースのマップというのは素朴な感じがします。

Pythonを使いますと、もっと込み入った分析ができますので、件数の大小レベルのマップというのは、レベルが低そうな感じもします。

しかし、マップの分かりやすさで言えば件数ベースのマップがよいと思います。

統計的な解析や機械学習による解析を行えば、面白いアウトプットが得られると思いますが、マップを作った人以外には真偽の判断がつかず、誰も理解できないということも起きかねません。

とはいえ、Pythonを使う以上、一通りの解析法をマスターしておこうと思います。要はデータサイエンティスト(IPデータサイエンティスト?)を目指そうかなと思いました。

データサイエンティストといえば今流行りですのでよいかと思いましたが、私がtwitterでフォローしているえらい某先生は、そろそろデータサイエンティストも、流行りを過ぎた、とつぶやいておりました。

要は、データサイエンスの限界が見え始めて、期待が失望に変わるような兆しが見えているのだと思います。

こういう流行りものは手を出すタイミングが難しく、手を出さないという選択が正しい場合もあります。例えば、ロースクールができた後の弁護士などはそうかと思います。

あとは、IPランドスケープも、ちょっと手を出すには遅かったかな、と思います。

もちろん、流行りが過ぎても、そこで得られた知識は無駄にならず、いずれ役に立つときがきますので、流行りにはすべて手を出す、ということでもよいと思います。

おそらく今のAIブームも長続きはしないと思いますので、データサイエンスの勉強も無駄になるかもしれませんが、いろいろ勉強するのもよいかもしれません。

まあ、その前に、知財学会の発表資料を作らねばならないのですが・・・。

2020年9月3日木曜日

自己表現と情緒について

今、noteで特許マップを書くことにチャレンジしておりますが、次回のテーマはブランドQFDを使った分析を実例を使ってやろうと思っています。

ブランドQFDによる分析とは、簡単に言えば、特定商品の自己表現的ベネフィット、情緒的ベネフィット、機能的ベネフィットの関係を明らかにするということになります。

そのうち、特にユーザーにインパクトがあるのは、自己表現的ベネフィットと情緒的ベネフィットとなりますので、これらを重視した商品開発をしましょうということになります。

特にBtoC商品においてブランドが重要となります。

しかし、ここで問題となるのが自己表現とか情緒とかは、日本の社会においては、余計なもの扱いとされがちな点です。

日本の職場環境はハラスメントや精神論だらけで情緒などありませんし、自己表現をしますと、出る杭が打たれる状況となります。

そういう会社が作る製品に自己表現的ベネフィットと情緒的ベネフィットがあるはずもありませんので、BtoC製品はあきらめ、機能が重視されるBtoB製品に軸足を移すしかないことになります。

また、学校でも自己表現(self expression)とか情緒(emotion)とかの教育はしませんので、技術者にも自己表現や情緒に関する知識がなく、自己表現的ベネフィットと情緒的ベネフィットがある商品を開発しろといわれても無理な相談となります。

しかし、自己表現とか情緒とかの勉強をしなければ、BtoBの世界でしか生きられなくなってしまいますので、このあたりの知識を吸収する必要が今後の技術者には出てくると思います。

具体的な勉強のジャンルとしては、アートとなるのでしょうか?あとは心理学などもあるかと思います。何かアートの理論を商品開発に応用できれば、面白いと思います。

このあたりは、いずれ勉強したいと思います。

2020年8月27日木曜日

おそろしいPython

あいかわらずYouTube動画で勉強してます。

先日、エクセルファイル分割してメールで送る作業を自動化するプログラミングの動画を見ました。

例えば、人手でファイルを分割してメールに添付して送る作業は、手間がかかりますので、ある程度の工数が必要となりますが、プログラムにて実行すると一瞬で終わります。

これは、ちょっと怖いと思いました。

プログラミングといえば理系のものという先入観がありましたが、これからは事務系の人もPythonを知っているか知らないかで、作業効率に大きな差が出ることになります。

こういうのをYouTube動画でみてしまいますと、やばさを実感できます。

日頃のルーチン作業をPythonにやらせるという考えは、少なくとも私にはありませんでしたが、これからはそういう時代が来てしまうと思います。

特許事務所も事務処理作業は多々ありますが、Pythonができるようになると、事務処理を効率化できるかもしれません。まあ、もう誰かやっているのかもしれませんが。

2020年8月16日日曜日

YouTubeで勉強について

noteに新しい記事を投稿しました。

Pythonで特許マップを書いてみる

こういうスキル系の話は陳腐化しやすいので、深入りする気はないのですが、うまくいったので記事にしました。

ちまたで評判のPythonですが、私のようにプログラミング未経験者には、なかなかハードルが高く、手を出せませんでした。

まず、Anacondaをインストールすればよいことはわかるのですが、なかなか書籍等の情報をみてもよくわかりませんでした。

ところが、先日YouTubeのおすすめに、Python環境構築の動画が出現しましたので、その動画通りにやりましたら、うまくゆきました(実際は、動画通りにやってもエラーがでたのですが、動画のコメント欄に解消策が投稿されておりました)。

YouTube動画につきましては、情報量が少ないのであまり勉強にならないと思っておりましたが、このような手続き系につきましては、書籍等の文字情報よりも情報伝達がしやすく勉強になることがわかりました。

他に、エクセルのピボットテーブルの作り方の動画もありましたので、動画を見ましたら自分でも簡単につくれるようになりました。エクセル関係については吸収できる知識はかなりありそうです。

ということで、最近はYouTube動画をあさることが日課となりました。もはや、ブログの時代は終わりが近づいているようです。

2020年8月10日月曜日

知財マップについて

noteに記事を書いてみました。

KH Coderで知財マップを書いてみる


以前、IPランドスケープは、意匠・商標のことを考えていない、と当ブログで難癖をつけましたが、言いっぱなしでしたので、例を示すことができてよかったです。

縦軸が洗練されていませんので、あまりよい図ではありませんが、今後改良したいと思います。

特許出願は40万円、意匠出願・商標出願は10万円くらい必要となりますので、費用で加重した件数の方が比較にはよいかと思いましたが、そのままにしております。

マクロ分析的には、上記の感じでよいと思いますが、あとは、セミマクロ分析と、ミクロ分析をどう統合するかという課題はあります。

特許は要約からテキスト情報を抽出でき、商標は称呼と指定商品からテキスト情報を取り出せそうですが、意匠はテキスト情報が貧弱ですので、テキストマイニングでの処理に向かないという課題があります。

画像をテキストに変換する技術があれば、何とかなると思います(もしくは、人力でテキスト化することもできますが、量をこなすのは無理と思われます。)

まあ、無理に統合しなくとも、特許は特許で、意匠は意匠で、商標は商標で分析すればよいとは言えますが。

2020年8月4日火曜日

知財学会の件

知財学会の件ですが、発表可となりました。

発表日時は、2020年11月29日(日曜日)の14:40~となりました。

昨年は、オープニングアクトでしたが、今年はセカンド(サード?)ヘッドライナーとなりましたのでずいぶんと出世しました(発表時間だけですが)。

今年はオンライン開催ですので、会場のガラガラ感を感じることなく、発表に集中できるのではないかと思います。

これから予稿(4ページ)を作成して提出することになりますが、今年はカラーで作成したいと思います。

2020年8月1日土曜日

noteで記事を書いてみました。

noteで記事を書いてみました。

KH Coderで特許マップを書いてみる

内容としては、昨日思いついてまとめた即製の内容となりますが、厳しいご指摘はご勘弁願います。

この記事のように、自分がKHCoderを使う場合には、できるだけKHCoderの機能を制限して使用することがよいのではないかと考えております。

これは、KHCoderの機能をフルに使用して出力された結果は、人間が理解できないからです。

したがって、コーディングルールなどを使用して、人間の考えをできるだけ反映させて、KHCoderの出力に影響を与えることが重要と思います。

これとは逆に、テキストマイニング処理にできるだけ手を加えず(恣意的にせず)、出力をありのままに受け入れるのがよい、という考えもあります。

どちらがよい、というよりは、分析目的に応じて使い分ける感じとなると思います。

今後ですが、8月末か9月に入ってからくらいに、ブランドQFD分析の記事を投稿したいと思います。

2020年7月25日土曜日

発明をしたら誰に相談するのか?

誰でもちょっとしたアイデアを思いつくことがあります。

この場合、アイデアについて相談したくなることもありますが、誰に相談したらよいのでしょうか。

結論からいいますと、まず弁理士に相談するのが無難となります。

ちょっと問題があるのが、アイデア関連に多少詳しい知り合いとなるかと思います。

知り合い等に相談しますと、まじめに相談に乗ってくれることがほとんどと思いますが、「そのアイデア、自分も考えていたよ!」的な流れとなると面倒なこととなります。

特に大発明の場合には、特許をとることにより大きな利益が見込まれますから、「自分も考えていたよ」と、はったりでも言いたくなる人間心理があります。

そうしますと、その相談した相手と共同出願しなければならない流れとなりますし、それを拒否すれば、人間関係が破壊されたり、最悪訴訟ということも考えられます。

さらに、相談相手が、より悪人の場合には、自分でこっそりと特許出願してしまう、ということもあると思います。

弁理士は法上の秘密を守る義務がありますので、相談者の相談内容の秘密は必ず守ります。相談料がかかりますが、上記のような、お金では取り返しのつかない面倒な状況が生じることもありません。

ということで、アイデアを思いつきましたら、むやみに周りの人に相談してはいけない、という話でした。

2020年7月17日金曜日

note計画

noteに投稿しようとかんがえておりますが、今は様子見という段階です。半年ROMれ、という言葉もありますので。

アカウントは作成したのですが、いろいろ検討しなければならないことがわかりました。

まず、名称は何にするか、です。他の方の投稿を見ますと

・ニックネーム
・本名
・本名+肩書
・本名+会社名

というような感じでした。

ブログのような使い方をする場合には上2つ、自分の仕事の宣伝に使用する場合には下2つというような感じでしょうか。

一応、下2つで行こうかと考えております。

あとは、アピール文なども考えなければなりませんが、あまりアピールしたくない人間なので、あたりさわりのない文章を考えて、適宜改良してゆこうと思います。

記事については、有料設定もできるようです。基本は無料として、解析(のようなもの)が含まれる記事については有料としようかと思います。

これは、別に儲けようと考えているのではなく、無料設定としますと、この情報が不要な方(この情報が有害となる方)にまで、情報が拡散してしまうことになるためです。

と、いうことで、有料としても可能な限り低額(数百円)にします。

予想アクセス数は、0~1桁となると思いますが、これはしょうがありません。記事が100件を超えるくらいになりませんと、誰も見ないと思います。

記事の内容としては、知財関係者向け、というより、もう少し広い対象となるような、あまり小難しくしない感じとしたいと思います。

また、知識を伝えるというより、遊び感覚で事例分析をやってみた、的な感じとしようと思います。

したがって、分析に失敗することもありますし、細かい部分で論理的におかしいこともあるかと思いますので、多めに見ていただければと思います。

8月くらいにまず数件投稿したいと思います。

2020年7月4日土曜日

前言撤回

前回noteに書き込むと宣言したわけですが、もう少し先になると思います。

今は、年末の知財学会の資料を作っているのですが、これに非常に時間がかかります。

学会エントリーは済ませたのですが、発表可否の決定はまだ先となります。ただし、これを待っていては、資料作成が間に合いませんので、先行して作成しています。

私は、この資料作りや論文作成の速度が遅いので、大学院時代も困りましたし、今も困っています。

したがって、これに集中する必要があるので、事例づくりはその後ということにしたいと思います。

デザイン科学では、分析→発想→評価(→最初に戻る)の順でデザインを行いますが、ブランドQFDについては、発想の段階が終わった段階で、次に事例づくりを通じて評価を行う必要があります。

ということで、事例づくりはマストなのですが、上記のごとく私は仕事が遅いので、後回しとなります。

今後は、多空間デザインモデルの事例づくりもしなければなりませんので、ますます時間が足らないこととなります。

ということで資料作りに戻ります・・・。

2020年6月29日月曜日

note的なものを始めようと思う件

今後時間に余裕ができそうなので(涙)、今までできなかったことを始めようかと思います。

具体的には、ブランドQFDの事例づくりをやりたいと思います。

なぜやるかといえば、一番の目的はブランドQFDの布教となります。やはり、今後の商品開発にはブランドが必須となると思いますので、広く知ってほしいというのがあります。

二番目の目的は、事例のストックを作ることがあります。昨年末セミナーのお誘いがいくつかありましたが、事例のストックがなく、全く対応できませんでした。

よって、依頼があればすぐ対応できるように、事例のストックを作りたいと思います(まあ、もうないかもしれませんが・・・)。

三番目の目的は、事例作成を通じてプロセスの改良を図りたい(要は、より楽な方法を見つけたい)というのもあります。

一応、一か月に1事例を作成して、年内に3つ程度は事例を作れればと思います。

最初の事例は、以前からの自分の希望である「サイクロン式掃除機(すなわちダイソン)」をやり、以降のテーマについては、ネットでテーマを募ろうと考えています。

それで、発表媒体ですが、マーケティング学会のワーキングペーパーあたりを考えていましたが、あまりに頻繁に投稿するとスパム論文のような扱いとなってしまうおそれがあります。年1報あたりが限界ではないでしょうか。

このブログでもよいのですが、アクセスがありませんので布教にはなりません。

そこで、最近話題の?「note」あたりで発表するのが良いのではと考えております。

noteは文章、写真、イラスト、音楽、映像などの作品を配信するウェブサイト。運営者はnote株式会社。 2014年4月7日、サービスを開始。 ウィキペディア

とのことです。

7月中くらいに1件UPできればと思います。

2020年6月28日日曜日

特許情報分析の考え方

特許情報分析というと、いろいろパテントマップを作って、うんぬんというイメージですが、私も特許情報分析を行う目的について、混乱してまいりましたので、簡単に整理したいと思います。


いわゆるパテントマップ(含むIPランドスケープ)は何のためにつくるかといえば、これは経営戦略(含む、技術戦略、知財戦略)を策定するためとなります。

つまり、最終的な出力としては経営戦略の提言となると思います。

とはいえ、戦略とは全社的な大きな話となりますので、パテントマップは参考情報の一つにとどまざるを得ません。

このようなことから、参考情報を超えて経営戦略へ大きな影響を与えるために考案されたのがIPランドスケープというコンセプトとなると思います。

一方、私がこまごまとやっている課題-解決マップづくりの方ですが、これは、最終的な出力としては発明となります。

つまり、パテントマップと比較しますと小さな話となります。

とはいえ、発明がなされますと特許出願という話につながりますので、個人的には(食べてゆくためには?)は重要な話となります。

しかし、課題-解決マップをつくれば発明が生まれるのか、といえば、全くそうではありません。発明を生み出すには、さらに発想法を組み合わせる必要があります。

課題-解決マップというキーワードでgoogle検索をしますと、某弁理士の書かれた200ページを超える資料がヒットしました。

その資料には、課題-解決マップについて、「作成工数が多大にかかる割には、いまいち役に立たない」との見解が示されてました。確かにその資料にある課題解決マップを見ますと、役に立たなそうでした。

ということで、やみくもに課題-解決マップを作るのも、工数を消費するだけですので、やめた方がよいこととなります。

というわけで、特許情報分析手法も目的に応じて使い分け、目的に応じて作成する、という話でした。

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