最近の国の報告書を読みますと、マーケティングやデザインやブランドなどの横文字が並んでおります。
とはいえ、概念がごちゃごちゃになっているような危惧もあります。特許庁の某広報誌でもデザイン経営の「デザイン」という用語はあえて定義していないということを言っておりました。
まあ、あえて定義しなくてもよいのかもしれませんが、意識せずに使いますと、実務の場では、思わぬ地雷を踏む場合もありますので、整理しておいた方がよいかもしれません。
私の好きな分析手法に3C分析というのがありまして、これは事業を分析するうえで、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)の3つについて分析する手法です。
よく知られているのはSWOT分析ですが、機会とか脅威とかイメージしにくい分析手法でもあり、3Cの方はイメージしやすいのがメリットと思います。
ここでは、3Cすべてを分析するのを「マーケティング思考」とします。
では、「デザイン思考」では、どうなるかといえば、これは顧客ニーズの分析が重要となります。したがって、分析は、自社(Company)、顧客(Customer)の分析(ニーズ・シーズ分析)が主となります。
そんな競合を無視した分析に意味があるかといえば、ブルーオーシャン戦略などにより、競合が存在しない企業においては有効かもしれません。
有効な分析ツールとしては「QFD」などがあります。
それでは、「ブランド思考」では、どうなるかといえば、自社(Company)の分析(ブランド・アイデンティティの分析)が主となります。
競合・顧客を無視した分析に意味があるかといえば、アップル、ハーレーなど自分の売りたいものを売っている企業においては、有効かもしれません。
有効な分析ツールとしては「ブランドQFD」があります。
以上の関係を、表にまとめると以下のようになります。
例えば、「デザイン思考」的な企業に、競合分析を提案しますと、「あなたデザインをわかってますか?」ということになりますし、「ブランド思考」的な企業に、顧客ニーズ分析を提案しますと、「うちの製品がわかっていない」と、経営者の逆鱗に触れる場合があります。
ということで、用語を仕事で使う場合には、注意しましょうという話でした。