最近はテキストマイニングを使用して特許分析などやっておりますけども、テキストマイニングのもともとの用途は文書分析となります。
文書の内容を把握するため、言葉に分解して、その関係性を探る、というのが、主なテキストマイニングの使い方です。
文書を取り扱えることから、人文学や社会科学の分野でよく使われているようです。
それで、こういう言語を用いた分析手法を質的分析というそうです。数値を用いた分析を量的分析というそうで、その内容を私なりにネットで調べた結果をまとめると以下のようになります。
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量的分析 |
質的分析 |
タイプ |
仮説検証 |
仮説生成 |
分析対象 |
数量 |
言語 |
分析手法 |
統計 |
文脈 |
解釈 |
客観的 |
主観的 |
目的 |
法則の発見 |
意味の発見 |
特許情報分析 |
IPランドスケープ |
課題-解決マップ、QFD |
事業分析 |
マーケティング |
ブランド、デザイン |
まず、タイプですが、量的分析の場合には仮説検証型とななるそうです。これは理系の人やMBAの人にはなじみ深い考え方となります。
一方、質的分析の場合には仮説生成型となるそうです。仮説が生成されてしまいますと困るような感じもしますが、これが意味するところは勉強不足のためよくわかりません・・・。
少なくとも仮説検証を目的として質的分析を行うことはやめた方がよいことはわかりました。
分析対象ですが、量的分析の場合には、数(数量)となり、質的分析の場合には、言葉となります。量的分析は理系の人間ならばよくわかるところですが、言葉を分析するとは、よくわかりません。
分析手法ですが、量的分析の場合には、数を対象としますので統計的手法が用いられますが、質的分析の場合には、文脈(言葉のつながり、コンテクスト)を用いて分析を行います。
解釈ですが、量的分析の場合には、統計的に分析しますので、客観性が比較的高いものとなります。一方、質的分析は、解釈者の主観が大きく介在しますので、客観性はどうかというところとなります。
このようなことから質的分析は、科学的でないとか、うさんくさいとか、再現性がないなどの批判を浴びがちとなります。
目的ですが、量的分析の場合には、法則の発見となり、質的分析の場合には、意味や価値の発見となります。
特許情報分析にあてはめますと、量的分析はIPランドスケープとなり、質的分析はQFDとなると思います。
つまり、IPランドスケープは、仮説検証を目的とし、数を対象とし、統計的な分析がなされ、そのアウトプットは客観性が高いとなります。
一方、QFDは、仮説生成を目的とし、言葉を対象とし、コンテクストが分析され、そのアウトプットは主観的、となります。
事業分析に当てはめますと、量的分析はマーケティングとなり、質的分析はブランド、デザインとなります。
つまり、マーケティングは、仮説検証を目的とし、数を対象とし、統計的な分析がなされ、そのアウトプットは客観性が高いとなります。
一方、ブランド、デザインは、仮説生成を目的とし、言葉を対象とし、コンテクストが分析され、そのアウトプットは主観的、となります。
私もテキストマイニングを使用して特許分析などしますと、分析者の主観が入り込むことから、とても違和感があったのですが、上記のようにまとめますと、主観的になるのはある意味当然ということで安心しました。
もちろん、量的分析と質的分析は対立するものではなく、一緒にやった方がよいのはいうまでもありません(混合分析ともいうそうです)。
ということで、特許情報の質的分析ということで、新しいジャンルをつくっていこうかなと思います。