本年度の知的財産戦略ビジョンとやらが内閣府の知財戦略本部から公表されたようです(PDFへのリンク)。
サブタイトルが「価値デザイン社会」を目指して、となっておりまして、なにやら似たようなタイトルの報告書が最近続いているなと感じます。
それでは、特許に関する記載はどのくらいかとキーワード検索をしましたところ、「特許」という用語は1か所に出てくるのみでした・・・。
つまり、最新の日本の知財戦略ビジョンに特許は考慮されていないことになります。
中身をざっと見ましたところ、キラキラワードが多用されており、目につくのが、「シェア」、「みんなでつくる」、「オープンイノベーション」など、みんなでやろう!というような内容でした。
特許権、意匠権、商標権は、独占排他権ですので、これをビジョンに入れますと、上記みんなで一緒にやろうというロジックと整合せず破たんすると思いますので、特許に関する言及を入れることができなかったと思料します。
さらに、委員のコメントとして、「排他権を緩くして新たに共有権を設けよう」などという提案もあり、全体としてはアンチパテント的な方向(共産主義的方向?)なのかな、と感じます。
このビジョンから何を読み取るかは非常に難しく、正直、皆様にも読んでいただいて、皆様の見解を私に教えてほしいくらいです。
とはいえ、 知的財産戦略ビジョンに特許、意匠、商標がまったく考慮されないのは、逆に面白いと感じてしまいました。これは、今の知的財産の概念が、従来の特実意商を超えた人間の精神性も含めた概念となっているともいえると思います。
そういう意味では、「デザイン」に続いて、「知財」もまた、議論の前に定義を明確にしませんと、議論がかみ合わないことになるかと思います。
2018年6月14日木曜日
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