2019年10月24日木曜日

サービス化する知財

改正意匠法の施行が来年春に迫っております。

意匠法の改正の内容にはいろいろあるのですが、その一つに内装の意匠の保護の新設があります。

この内装というのは、要は店舗内装でして(住宅内装等もありますが)、なぜ店舗内装を保護する必要があるかといえば、飲食店のサービス模倣を防ぐ趣旨があると思います。

居酒屋や飲食店は、一つの業態が当たると、雨後の竹の子のように、類似の店舗が立ち始めます。鳥貴族やいきなりステーキなどがそうかもしれません。

似たような店が増えますと、そちらにも客が流れますので、儲けが少なくなります。しかし、模倣だと訴えようとしても、不競法の周知性の要件が厳しかったりして、裁判ではなかなか勝てません。

店舗内装の意匠の登録を受けておけば、模倣店に対しては、独占排他権である意匠権を行使できますので、有利に戦えるかと思います。

つまり、内装意匠の保護というのは、飲食店や小売業等のサービスを保護するための法律といえます。

また、商標法もトレードドレスを保護できるような法改正が議論されており、特許に関しましても、いきなりステーキの判決のようにサービスが保護される可能性が出てきました。

標準化も工業標準化法が産業標準化法へ変わったりして、こちらもサービスの標準化を重視しております。

現在、日本のGDPに占める割合がサービス業が7割で、製造業が2~3割ですので、サービス業を適切に保護することが日本経済上も非常に重要であるため、この流れも当然といえるかもしれません。

さて、弁理士というのは工学系出身者が多数を占めておりますが、これは、従来の知財が製造業の保護を主眼としており、工学系の知識がなければ業務を遂行できないからです。

しかし、今後知財においてもサービスが重視されるとなれば、工学系の知識よりも経営系の知識が重要となると思います。そういう意味では、経営系の弁理士がこれから活躍する時代が来るのではないでしょうか。