2017年5月3日水曜日
コストと統一感について
ゴールデンウィークとなると、国内小旅行に出かけることが多いですが、国内を旅行していて感じるのは、江戸時代以前のコンテンツの強さです。
地方の名物といえば、街並み、食べ物、祭り等、江戸時代以前に成立したものが多く、こういうものがある地方は、このようなコンテンツを利用して観光客を集めています。
江戸時代以前の街並みのよいところは、風景に統一感があることです。似たような建物が並ぶことにより、建物単体ではなく、地域としてのブランド価値が生じます。
ブランド戦略の要諦は、ブランド属性のコントロールにありますが、昔の街並みはこれができているということになります。
ブランドマネージャーみたいな人がいない時代で、どうしてこういうことができたかといえば、その理由にロジスティクスが未発達であったことがあると思います。
昔は物の輸送にはコストがかかるため、家を建てる際には、近場で入手できる材料を使わざるを得ない状況があります。また、大工さんも遠くの人を呼ぶにはコストがかかるため近場の人に頼まざるをえません。
結局、似たような材料で似たような人が建築しますので、町全体が似たような建物だらけになり統一感が生まれます。結局、コスト的制約が統一感を生み出しているといえるでしょう。
現代では、個々が自由な設計で自由な材料で建物を建てますので全体としてはごちゃ混ぜ感のあるアジア的な風景となってしまいます。もちろん、こういうアジア的な風景も味わい深いものがあります・・・。
地域ブランドが最近話題ですが、地域全体としてブランド属性をそろえて、統一感を出せるかがポイントとなると思います。
例えば、特産品として醤油を作ろうとした場合、ブランド属性として、原材料、製法等があると思いますが、輸入の大豆、輸入の塩、水道水、他の地域の製法を使った場合には、ブランド属性がバラバラとなり、ブランドをユーザーが認識できなくなります。
ブランド的には、地元の大豆、塩、湧き水、地元独自の発酵手法を使いたいところですが、そうすると今度はコストがかかりますのでとても高い醤油となり、商品としては微妙になります。
そうすると地域ブランドというのは、コストと地域性とのバランスをどうとるかという部分が課題となり、このあたりがマネージャーの腕の見せ所となりそうです。
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