私は10年ほど前、NECの生産技術開発本部という部署で働いておりました。その名の通り、NECグループの製造機械を開発・設計する部署でありまして、男ばかりのお固い部署でした。
私がNECに入ってしばらくすると「・・・ソリューション技術部」など横文字が入った部署が増えてまいりました。3K職場の私には、「ソリューション」の部分がなんとなくいけ好かない気がしていました。
ソリューションビジネスの元祖はIBMといわれています。日本勢の攻勢によりメインフレームの販売で劣勢に立たされたIBMが始めたモデルであり、コンサルテーションやシステムインテグレーション、アウトソーシング等のサービスを組み合わせたビジネスをいいます。
簡単にいえば、単なるハードウェアの販売に、情報処理システムを構築するために好適なハードウェアの組み合わせを提案するサービスを組み合わせたものといえるでしょうか。
このようなビジネスモデルのメリットは顧客の課題解決を自社でできることと思います。従来の販売は、顧客が課題を感じ、その解決手段としてハードが売れますので、販売はあくまでも待ちの姿勢となります。
顧客の課題を分析できることができれば、必要な解決手段を販売側で提案できますので、攻めの営業を行うことができます。顧客が気づいていない潜在的な課題を抽出できれば、さらに販売を伸ばすことも可能となります。
マーケティングでは顧客のニーズを探ることが重要とされます。しかしながら、近年ではニーズといえるようなニーズは存在せず、潜在的なニーズを探ることが重要となっています。
ソリューションビジネスは、顧客の課題解決を通じて潜在的なニーズを浮き彫りにできますので、IBMはこのあたりをうまくやって復活を果たしたということでしょうか。
さて、私がNECを退社したのち、NECは半導体やPDPなどの事業を切り離し、ソリューションビジネスに経営資源を集中しました。コアコンピタンス経営というやつです。IBMと同じ土俵で戦うことになりますが、なんとか頑張ってもらいたいものです・・。
2012年1月27日金曜日
2012年1月24日火曜日
第8回「サロン・ド・MOT」 講演について
1月23日の夜、「サロン・ド・MOT」にて日米特許法改正についての講演をしてまいりました。
「サロン・ド・MOT」とは、農工大MOT卒業生、MOT在籍者、MOT教員などが月1回都内の某所に集まりまして、技術経営に関して語り合う場のことです。
今回は光栄にも私が演者ということで、何をお話しようと考えましたが、日米の特許法改正が重なりましたので、このネタにしました。
日本の特許法改正で大きな話題となったのは以下の図です(法改正とは関係ないですが・・・)。
(出典:日本経済新聞)
こうみると、日本の特許出願件数は減少傾向にあり、事実上、中国に抜かれておりますので、これはどうなんだという話となりました。確かに、日本の開発活動が低下した結果、出願件数も低下したならゆゆしき事態です。
一方、従来の出願できるものは何でも出願するというスタイルが修正され、不必要な出願が削減された結果ともいえます。
日本の発明は新興国において即座に翻訳され真似されてきましたので、そういう意味では日本の出願件数が減って不利益を被るのは中国あたりかもしれません。
いずれにせよ数字にはいろいろな見方があることを再認識いたしました。
また、米国特許法改正については、やはり先願主義への移行が話題となりました。
発明をあらかじめ公表してしまえば、米国出願まで最大2年の時間的猶予がありますので、この2年間をどう考えるべきか議論となりました。結論はでませんでしたが。
その後、田町の飲み屋で今後の「サロン・ド・MOT」の進め方など議論させていただきました。(その他就職問題など)
発表の機会をいただき誠にありがとうございました。
「サロン・ド・MOT」とは、農工大MOT卒業生、MOT在籍者、MOT教員などが月1回都内の某所に集まりまして、技術経営に関して語り合う場のことです。
今回は光栄にも私が演者ということで、何をお話しようと考えましたが、日米の特許法改正が重なりましたので、このネタにしました。
日本の特許法改正で大きな話題となったのは以下の図です(法改正とは関係ないですが・・・)。
(出典:日本経済新聞)
こうみると、日本の特許出願件数は減少傾向にあり、事実上、中国に抜かれておりますので、これはどうなんだという話となりました。確かに、日本の開発活動が低下した結果、出願件数も低下したならゆゆしき事態です。
一方、従来の出願できるものは何でも出願するというスタイルが修正され、不必要な出願が削減された結果ともいえます。
日本の発明は新興国において即座に翻訳され真似されてきましたので、そういう意味では日本の出願件数が減って不利益を被るのは中国あたりかもしれません。
いずれにせよ数字にはいろいろな見方があることを再認識いたしました。
また、米国特許法改正については、やはり先願主義への移行が話題となりました。
発明をあらかじめ公表してしまえば、米国出願まで最大2年の時間的猶予がありますので、この2年間をどう考えるべきか議論となりました。結論はでませんでしたが。
その後、田町の飲み屋で今後の「サロン・ド・MOT」の進め方など議論させていただきました。(その他就職問題など)
発表の機会をいただき誠にありがとうございました。
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