企業の方から明細書の書き方を教えて欲しいとの要望がよくあります。
弁理士に明細書作成の依頼をすると、数十万円の費用が発生しますので、社内で作成できれば経費の節約になるような気もします。
では、私が明細書の書き方を教えられるかというと、形式的なことは教えられますが、短時間で教えることはちょっとむずかしいです。
特許事務所で明細書を書いている人は、特許事務所に入所して、先輩の指導のもと時間をかけて明細書の書き方をマスターして行きます。
明細書作成には、形式知のみならず暗黙知的な知識も必要ですので、書き方をマスターするには自分なりに試行錯誤する時間がどうしても必要です。
では、 企業の方が明細書作成の知識を得ることが無駄かというと、そういうわけでもありません。
しっかりした明細書を完成させるためには、弁理士に適宜内容の指示を出してゆく必要がありますが、明細書作成の知識がある程度ないと、的確な指示を出すことができません。
企業の方が明細書の書き方をマスターする一番確かな方法は、実際に明細書を書いてみることだと思います。
ただし最初のうちは弁理士に修正をお願いして出願をしてもらった方がいいと思います。月1件、5年くらい出願を行えば、一人で明細書をかけるレベルになるのではないでしょうか。
社内にこういう方を一人育成してゆくことも、今後は必要かもしれません。