2021年10月20日水曜日

混合研究法について

 

 

 

前回、知財デザインの分析フェーズは、量的分析と質的分析とからなる、と勝手に決めました。

しかし、この量的分析と質的分析との関係はどうしたらよいのでしょう?まったく別個としますと、あまりやる意味がありませんので、何らかの関係性を持たせたいものです。

それで、何か先行事例がないか探しますと、混合研究法というものを見つけました。

混合研究法とは、課題を理解するために、量的データと質的データの両方を収集し、2つを統合し、両方のデータ解釈を導き出す、社会、行動、そして健康科学における研究アプローチである、とされます。

それで。混合研究法において、量的データと質的データをどのように統合しているかといえば、主に以下の3つとなります。

(1)説明的順次デザイン

 

説明的順次デザインは、まず、量的分析を行い、その量的分析の結果の説明のために、質的分析を行う、というような統合手法となります。

特許情報分析で言えば、まず、マクロ分析を行い、そのマクロ分析の結果の説明のために、ミクロ分析を行う、ような進め方となります。

マーケティングプロセスもこのような形の進め方であり、いろいろな分野で、なじみ深い統合手法といえます。

(2)探索的順次デザイン

 

探索的順次デザインは、まず、質的分析を行い、その質的分析の結果を用いて、量的分析を行う、というような統合手法となります。

あまり、見かけない手法ですが、去年と今年の私の知財学会の発表では、ミクロ分析からマクロ分析を行っておりますので、探索的順次デザインに近い分析手法かなと思います。

(3)収斂デザイン

 

質的分析の結果と量的分析の結果をみて、人間が解釈するという、おおざっぱ統合手法となります。

質的分析の結果と量的分析の結果が、補完関係にある場合には、 このような統合手法が用いられます。

順次デザインの方が、 質的分析の結果と量的分析の結果とのシナジーが得られるような気がして、良いようにも感じますが、こういうおおざっぱなものでもよい、ということでしょうか。

知財デザインでは、あまり他の方がやっていない「探索的順次デザイン」を前面に押し出して、旧来の分析手法との差別化を図ってみるのも面白いかもしれません。

次回(次々回?)当たりの知財学会での発表テーマとしようかと思います。

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