私は妹尾堅一郎先生の講座が好きで、機会があるとよく聞きにゆきます。
先生は、場の雰囲気を和ませるためか、受講者に、「物の関係にはどういうものがあるか?」と意地悪な質問をよくします。
多くの人は答えられないのですが、先生によれば、「代替」、「補完」、「相乗」の3つの関係があるとのことです。
「代替」とは、コーヒーと紅茶の関係のようなものであり、要はどちらか一方が選ばれる関係といえるでしょうか。
ビジネスの場で「代替」関係は、例えば、ニコンとキャノンのような競合関係へつながる場合があり、少々よろしくない関係とも感じます。
「補完」とは、コーヒーとミルクのような関係と言えます。つまり、互いの足りない部分を補い合う関係といえます。
仕事をしていると、この「補完」関係というものを非常に意識することになります。
私が仕事を一緒にさせていただく相手は、特許調査の専門家や弁護士や大学の先生など、私の技能を提供できるとともに、相手の技能を利用させていただける相手となります。
逆に、他の弁理士とは「代替」関係にありますので、一緒に仕事をすることはあまりありません・・・。
ただ、補完関係にあると安心していると、いつの間にか代替関係に変化していることもあり注意が必要です。
例えば、特許事務所は主に企業の知財部から仕事をいただいています。つまり、両者は補完関係にあります。
しかし、近年知財部門を分社化する動きもあり、この場合、知財部門の会社は、特許出願関係のビジネスを始めることになります。
そうすると、特許事務所とは、「代替」関係になり、ライバル関係に変化することになります。怖いですね。
最後に、「相乗」とは、コーヒーとタバコのような関係です。私は今はタバコは吸いませんが、学生時代は研究室に篭って、コーヒーとタバコで息抜きをしていました。
「相乗」関係とは、なかなかいい例がないとも思いましたが、例えば、男女の結婚などは、場合によっては相乗関係といえると思います・・・。
特許の世界では「相乗」は非常に重要でして、発明の進歩性を主張するために、構成要素の組み合わせにより生じる相乗効果を主張することがよく行われます。
「相乗」関係はなかなか難しいですが、「補完」関係をいかにうまく作れるかが、いろいろな仕事のコツだと思います。
2013年9月21日土曜日
2013年9月16日月曜日
パテントマップについて
特許情報解析の方法の一つにパテントマップがあります。
パテントマップは、数百~数千件の特許出願から、キーワードや特許分類を抽出して図表化するものです。
私もこの業界に入ってパテントマップというものを初めて見たのですが、正直何を示しているのかよくわからない、というのが最初の感想でした。
出願人別の出願件数ランキングぐらいでしたら、あの会社の出願が多い、というレベルでの理解は可能です。
しかし、軸にIPC、Fタームなどの特許分類をとった場合には、特許分類が何を示しているのかわからず、大変理解が難しくなります。
さらに、近年ではテキストマイニング等の言語処理技術を利用して、分布図や等高線図のような図を出力するソフトがありますが、 こういう図から何を読み取るべきか非常に悩みます。
そこで、パテントマップを理解するために、自腹でパテントマップソフトを購入し、自分でつくってみることにしました。
自分でつくると、パテントマップを作る過程の試行錯誤も知識として加わりますので、最終的なパテントマップの意味内容がかなり理解できるようになりました。
ただし、これではクライアントにパテントマップを見せるときに困ります。自分は理解できていますが、クライアントは理解できないという事態に繋がります。
そこで現在はクライアントと一緒にパテントマップを作成するようにしています。
パテントマップ作成の試行錯誤を共有することによりパテントマップの理解も深まりますし、将来的にはパテントマップを自社独自で作成できるようにもなります。
もう一つの考え方としては、ソフトに頼らずマニュアルでパテントマップを作ることがあると思います。
従来のパテントマップは、特許明細書からキーワードや特許分類を自動的・機械的に抽出して出力するだけですので、特許明細書に書かれている技術内容を正確に抽出できるわけではありません。
したがって、人間が1件1件明細書を読み、キーワードをマニュアルで抽出してパテントマップを作成すれば、より理解しやすいマップを作れると思います。
しかし、この作業は多大な労力が必要となるデメリットがあります。この辺りは、あきらめて地道に作業するか、情報処理技術の進歩を待つしかなさそうです。
パテントマップは、数百~数千件の特許出願から、キーワードや特許分類を抽出して図表化するものです。
私もこの業界に入ってパテントマップというものを初めて見たのですが、正直何を示しているのかよくわからない、というのが最初の感想でした。
出願人別の出願件数ランキングぐらいでしたら、あの会社の出願が多い、というレベルでの理解は可能です。
しかし、軸にIPC、Fタームなどの特許分類をとった場合には、特許分類が何を示しているのかわからず、大変理解が難しくなります。
さらに、近年ではテキストマイニング等の言語処理技術を利用して、分布図や等高線図のような図を出力するソフトがありますが、 こういう図から何を読み取るべきか非常に悩みます。
そこで、パテントマップを理解するために、自腹でパテントマップソフトを購入し、自分でつくってみることにしました。
自分でつくると、パテントマップを作る過程の試行錯誤も知識として加わりますので、最終的なパテントマップの意味内容がかなり理解できるようになりました。
ただし、これではクライアントにパテントマップを見せるときに困ります。自分は理解できていますが、クライアントは理解できないという事態に繋がります。
そこで現在はクライアントと一緒にパテントマップを作成するようにしています。
パテントマップ作成の試行錯誤を共有することによりパテントマップの理解も深まりますし、将来的にはパテントマップを自社独自で作成できるようにもなります。
もう一つの考え方としては、ソフトに頼らずマニュアルでパテントマップを作ることがあると思います。
従来のパテントマップは、特許明細書からキーワードや特許分類を自動的・機械的に抽出して出力するだけですので、特許明細書に書かれている技術内容を正確に抽出できるわけではありません。
したがって、人間が1件1件明細書を読み、キーワードをマニュアルで抽出してパテントマップを作成すれば、より理解しやすいマップを作れると思います。
しかし、この作業は多大な労力が必要となるデメリットがあります。この辺りは、あきらめて地道に作業するか、情報処理技術の進歩を待つしかなさそうです。
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