「失敗の本質」という本があります。私もだいぶ昔のこの本を買ったのですが、半分程度しか読んでいません。
その理由は、文章が少々難解であることもありますが、一番の理由は日本の負け戦が延々と述べられ読む意欲が失われたからです。
昨日本屋で、「失敗の本質」の入門書なるものを見かけましたので、買って、今度は最後まで読みました。そうすると、現在の日本にも当てはまる様々な課題が存在することがわかりました。
中でも興味深かったのは兵器へのレーダーの導入部分です。技術的にはアメリカが進んでいたと思われがちですが、当時の日本にもそれなりのレーダー技術は存在しておりました。
しかしながら、アメリカは兵器へのレーダーの導入を積極的に進めたのに対し、日本ではアンダーグラウンドの技術とみなされ、十分な予算がつきませんでした。
戦艦にレーダーを搭載する実験を行おうにも、軍人からゲジゲジのようなものを船につけるのはいやと拒否され、艦内には設置させてもらえず、甲板上の掘っ立て小屋で実験を行う始末となりました。
また、攻撃機にレーダーをせっかく搭載したのに、パイロットがわざわざレーダーを取り外して夜間攻撃に飛び立ち、当然何の戦果もあげず帰って来たそうです。
なぜこうなったかはよくわかりませんが、日本軍は情報を軽視していたことが考えられます。一方、アメリカは日本の暗号も早い段階で解読していることからも、情報を重要視していたことがわかります。
アメリカ軍は情報をベースに合理的な作戦を立ててきますので、日本軍が勝てるはずもありません。
現在のアメリカの企業も情報収集に積極的に費用を投じており、情報分析に基づいて経営戦略を構築します。情報にはもちろん特許情報も含まれます。
一方、日本企業はどうでしょうか。レーダーの無い戦艦、攻撃機になっていないでしょうか?グローバルな競争に打ち勝つためには、特許情報を積極的に利用したいものです。
2012年4月12日木曜日
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