2016年2月21日から2016年2月27日までになされた裁判は、侵害訴訟4件(特許1件、不競法1件、著作権2件)、審決取消訴訟5件(特許5件)です。
世間はもうすぐGWですが、まだ、2月の裁判例にとどまっています。
読むのがつらいのが特許の審決取消の判決なので、省略しようと思いましたが、自分の仕事には一番役立つ部分でもあり、とりあえず、特許庁の判断が覆された事件は追って行こうと思います。
1.侵害訴訟
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(4)平成27(ネ)10080 特許権侵害差止等(東京地方裁判所 平成26(ワ)5187)
平成28年2月24日判決 控訴棄却(4部)
特許権 (ピタバスタチンカルシウム塩の結晶,ピタバスタチンカルシウム塩の保存方法)
構成要件充足性,均等侵害
平成28年2月24日判決 控訴棄却(4部)
特許権 (ピタバスタチンカルシウム塩の結晶,ピタバスタチンカルシウム塩の保存方法)
構成要件充足性,均等侵害
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数値限定の解釈が争われましたが、数値の拡大解釈は一切認められませんでした。
2.審決取消訴訟
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原告、引用発明を限定解釈して本願との相違を主張、引用発明は未完成であるとの主張、いずれも認められませんでした。また、引用発明及び引用技術は,課題を共通にし,いずれも密接に関連する技術分野に属するものであるから,当業者が,引用発明に引用技術を適用する動機付けがあり,引用発明に引用技術を適用することについて阻害要因とすべき事情も認められないとされました。
*コメント
冒認について争われました。証拠として、FAX、発明ノート、議事録、書簡、電子メール等が提出され、これらを時系列で分析して、A氏が、発明の特徴部分を着想したか検討され、A氏も発明者と認定されました。常日頃から、発明ノートを作製して、確定日付を得ておくことの重要性がわかる事件です。
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本願発明に係る「省エネ行動シート」は自然法則を利用しておらず発明ではないとされました。シートへの軸の書き方等は精神活動に向けられる人為的取り決めに過ぎないので、自然法則を利用していないということで、自分であれば、どういう風な明細書を書くだろうかと考えてしまいます。まあ、著作権で保護するしかないかもしれません。
(5)平成27(行ケ)10081 審決(無効・成立)取消
平成28年2月24日判決 審決取消(4部)
特許権 (ピタバスタチンカルシウム塩の結晶)
新規性,進歩性(相違点の判断),補正・訂正の許否(新規事項の追加)
平成28年2月24日判決 審決取消(4部)
特許権 (ピタバスタチンカルシウム塩の結晶)
新規性,進歩性(相違点の判断),補正・訂正の許否(新規事項の追加)
*コメント
引用文献等から甲に示す結晶を製造することは容易になしえるが、甲結晶は本件発明と構成が異なるので、引用文献等から本件発明を容易に想到し得るとはいえないとされました。論理展開の一部に問題があったということになるでしょうか。