さて、発明とはそもそも何でしょうか。簡単にいえば、発明とは「課題を解決する手段」といえると思います。つまり、何らかの技術的な問題が存在し、それを解決するためにいろいろとアイデアを出す作業を行うわけです。
それでは、発明をする場合に「課題」を考えるのと「解決手段」を考えるのと、どちらの作業が重要でしょうか?解決手段は公知の技術を組み合わせればよいのでgoogleで調べれば誰でも考えつくと思います。
一方、技術的な課題というのはその分野の専門家でなければ、なかなか認識することはできません。 したがって、この課題の分析・検討がその後の発明の良し悪しに大きく影響することになります。
課題の分析にはロジックツリーなどを用いて課題をブレイクダウンし、より本質的な課題を抽出する作業を行います。また、特許データベースから課題部分を抽出して課題を分類し、課題の系統図を作成したりもします。
このように課題を考えることは、良い発明を生み出すために非常に重要です。また、新たな課題に基づく発明は、新規性や進歩性を有し特許される可能性も高まります。
この点、特許明細書の構成は、課題⇒解決手段の順となっておりますので、ロジック的に合理的な構成となっています。
また、必ずしも技術の専門家ではない弁理士が最新の発明の明細書をかける理由もここにあります。明細書に記載するのはあくまでも公知の手段ですので、本やインターネットを調べる程度の能力があれば明細書をとりあえず書くことができます。