2020年3月1日日曜日

パテント誌の件

3/16ごろ発行のパテント誌3月号にわたくしの論文が掲載されることとなりました。

12月に投稿しましたので、早くても5、6月号掲載という予想でしたが、ページに空きがあったのか、早くなりました。

3月号の特集は「知財と刑事罰」ということで、非常に興味深いテーマですので、これだけでも買う価値はあると思います。

パテント誌は本屋には売っておりませんが、弁理士会のホームページから誰でも買うことができます(900円+送料)。

が、パテント誌の内容は数か月後に弁理士会のホームページで無料公開されますので、実は無理に買う必要もありません。

わたくしの論文は例のごとく「テキストマイニングによるブランドQFD作成」というテーマですが、論文作成には苦慮いたしました。

パテント誌の文章は2段組みですが、うまく図がレイアウトできないというか、大きくなったり、小さくなったりで、どうしようもなくなったので、パテント誌の編集の方にレイアウトをお任せしました。

論文のこだわりとしましては、テキストマイニングにありがちな「例の図」を使用しないよう頑張ったところにあります。

例の図とは、共起マップのことで、この図を出しますと、テキストマイニング感がでてまいりますが、わたくしはいつも思うのですが、この図の意味を理解できる人間はいるのか?理解できない私が馬鹿なのか?と感じます。

特許解析のアウトプットとしてヒートマップとか共起マップとかを出してくるのを見かけますが、人間が理解できる図は1次元か、マトリクス図程度が限度だと思いますので、今回は共起マップをできるだけ出さないようにしております。

ということで、詳しい内容については後日ということでよろしくお願いいたします。

2020年1月27日月曜日

分析と発想について

デザイン科学概論という本を読んでおりますが、理解度は2割といったところです。

しかしながら、いろいろ気付きがありました。

デザイン思考においては、分析→発想→評価というステップをとることが重要となります。

つまり、「分析」で終わるのではなく、次のステップの「発想」が重要となります(もちろん、その次の「評価」も重要ですが・・・)。

私も以前から特許情報分析に関して、もやもや感がありましたが、これは分析した次はどうするのか?という疑問があったからです。

発想ができませんと、発明も生まれませんので、特許出願も増えない(特許明細書を書く仕事も増えず、貧乏弁理士のまま・・・)という深刻なことになります。

デザイン科学概論という本では、この点に関してフォローされておりまして、M-BAR(多空間発想法)というものが提案されております(こういう内容が想起できないネーミングは困りますが・・・)。

M-BARでも、結局は従来の発想法であるブレインストーミングやKJ法を使用するのですが、多空間化されている点で、ちょっとわかりやすいことになっております。

この本では、分析・評価はM-QFD(多空間QFD)で行い、発想はM-BAR(多空間発想法)で行うという、穴のない、なかなか優れた内容となっております(この本は、何年か前、SNS上で話題になったようです。)

さらに都合のよいことに、M-QFDとM-BARとの関係は、わたくしが12月の知財学会で発表しましたブランドQFDとコンテクストの関係と類似しておりますので、いろいろ応用が利きそうです(知財学会での発表内容については年内に何らかの形で公表します)。

そうしますと、最終的には多空間QFDを用いて、ブランド・デザイン・テクノロジーの分析をし、多空間モデルを用いて、ブランド・デザイン・テクノロジーの発想を行うというのが、一つの目標となるでしょうか。

2年後くらいには、このような感じでまとめられればと思います。

2020年1月15日水曜日

デザインQFDの論理付けについて

現在、QFDをデザイン思考に使用した例の調査をしております。

J-GLOBALやGoogle Scholarなどの無料の検索システムを使用して検索してみましたが、よい文献がありませんでした。

自分で考えねばならないかと、あきらめかけていたところ、丸善の技術書籍コーナーで、「デザイン科学概論(慶應義塾大学出版会)」という2018年の書籍を発見しました。

この本には分析・評価を主な狙いとした「M-QFD」が紹介されております。

ということで、この「M-QFD」をテキストマイニングで作成すれば、デザインに使用するQFDの事例が作れることになります。

この「M-QFD」は、軸が、「価値」、「意味」、「状態」、「属性」と4つもあるので、若干軸が多い気がします。容易に理解できる軸の数は3つくらいと思います。そこで、少々アレンジが必要と思います。

また、「価値」、「意味」の意味が分かりにくいので、デザイン思考で一般的に用いられる「ニーズ」とかの用語を使用したいところです。

そもそも、この「M-QFD」は、松岡先生の独自理論である多空間デザインモデルに依拠したものとなりますので、はたしてこれに乗っかりすぎるのもどうかと悩みます。

多空間デザインモデルは少々難解ですので、シンプルにしませんと使い勝手が悪そうです。その点、デザイン思考はとっつきやすいものがあります(実行するのは難しいのかもしれませんが)。

また、「M-QFD」というネーミングもわかりにくいので、今後は「デザインQFD」という名前で行こうと思います。

と、いろいろとケチをつけましたが、この書籍の発見により、論理付けの労力が大きく低減されることになりそうなので、本を読みこみたいと思います。

2020年1月6日月曜日

セミナー講師について

昨年末、セミナー会社からテキストマイニングに関するセミナー講師をしてくれという話がありました。

3月にセミナー実施というスケジュールです。セミナーといえば、数時間はしゃべらなければならないため、それなりに準備が必要となります。

資料作成に時間が必要ですので依頼を引き受けるかどうか悩んでおりましたら、今年に入ってセミナー会社の方から、他の講師を頼んだからもういいです、との連絡がありました。

したがって、セミナー講師の件は、残念ながらお流れになりました。中途半端に受任しても、コンテンツができなければ責任問題となりますので、しょうがありません。

どのような方が講師になったのか、こそっと確認したところ、テキストマイニング関係のソフトを販売している会社の方でした。

セミナー講師をやれば自社製品の宣伝にもなりますし、宣伝用のコンテンツも豊富にお持ちでしょうから、依頼があったら即決だったろうなと推測します。

こういう方が講師をやる場合には、セミナーで学んだ知識を実行しようとしても、講師の所属する会社のソフトを買わなければならないような気もしますので、どうなんでしょう。

こういう方達に交じって、私が無料でテキストマイニングできます!というような内容で話しますと、正直微妙な空気となる(営業妨害?)と思いますので、流れてよかったのかと思います。

結局、セミナー講師を引き受けるためには、ある程度のコンテンツを事前に用意しておく必要があるかと思います。そして、セミナーの依頼があったら、趣旨に応じて内容を数か月の準備期間で小変更する、くらいの準備が必要と思います。

ただし、何らかの強制的な期限がないと用意する気もおきませんので、用意がない状態で引き受けて必死に資料作成するというのが現実でしょうか。

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