2013年12月3日火曜日

「させる」と「させない」について


特許権とは排他権であるとよく言われます。排他権とは権利を持たない者による特許発明の実施を排除できるということを意味します。

権利者のみが特許発明を実施できますので、特許発明にかかるビジネスを支配することが可能となります。このように、特許権とは特許発明を実施「させない」作用を有します。

従来の知財マネジメントはこの排他権に着目して行われてきましたが、近年は、標準化というものが重要視されています。

技術標準とは、所定の技術において満たさなければならない仕様、取り決めのようなものです。技術標準が確定しますとその技術を使用しなければなりません。

したがって、自社に有利な技術標準が確定しますと、その技術をあらゆる会社に使用「させる」ことができます。

このように、特許権と技術標準を組みわせることにより、競合他社にある技術を使用「させる」、「させない」という具合にコントロールできますので、競合他社は自由度を奪われ、自社の競争優位が得られます。

さて、他社に使用「させる」、「させない」ようにするには、特許権、技術標準以外の方法もあります。それは、契約です。

例えば、契約により、実施権を許諾し使用「させる」こともできますし、地域を限定して実施「させない」ことも可能です。

ただし、特許権、技術標準は不特定多数に対して効力があるのに対して、契約の効力は契約を締結した特定の会社に限られます。

また、契約によれば、ノウハウ・営業秘密を使用「させる」ことも可能です。さらに、契約でなんでも実施「させない」こととできるわけではなく、公序良俗に反せず、独占禁止法に抵触しないことが必要です。

以上をまとめると以下の図のようになります。



他社をコントロールするという観点からは、特許権のみを考慮した知財マネジメントでは足りず、今後は、技術標準、不正競争防止法、独占禁止法を駆使して、「させる」、「させない」の戦略をねる必要があると思います。

もちろん他社も自社をコントロールしようと仕掛けてまいりますので、どのように防御するか、契約書の内容はどうあるべきか、いろいろと準備しておくことも必要と思います。