2012年7月8日日曜日

コア技術戦略について

ものづくり革新ナビに、特許技術導入に関する事例分析の記事を投稿いたしました。

自社技術にこだわるか、それともオープンイノベーションを進めるか、議論の余地はありますが、事業を加速させるためには、技術導入も有効な手段と思います。是非ご参考に願います。

(記事はこちらです)
http://www.monodukuri.com/jirei/article/29


上記事例は、自社のコア技術に他社の特許技術を導入して事業化を志向する事例です。

コア技術とは「顧客に対して他社には真似の出来ない自社ならではの価値を提供する企業の中核的な力(コア・コンピタンス経営:ハメルとプラハラード)」をなす技術と考えればよいと思います。

コア技術戦略のイメージは、自社のコア技術を支点として、他社技術を力点とする梃子(レバレッジ)のようなものです。自社技術を他社技術で増幅するということでしょうか。

したがって、やみくもに特許技術を導入すればよいというものではなく、梃子の支点となる自社のコア技術の存在がコア技術戦略を進める上で必要なことはいうまでもありません。

さらに、コア技術については、しっかりと特許権化して、他社に支点を奪われないようにしたいものです。

このように事業戦略を守る観点からも、しっかりとした知財戦略を構築してみてはいかがでしょうか。

2012年7月3日火曜日

特許出願をする前に

良いアイデアが浮かぶと特許出願をしたくなります。出願すれば確かに特許されるかもしれません。ただし、本当にそれでよいのか考えてみましょう。

特許庁の審査では新規性、進歩性のみ判断されますので、特許されたからといってその経済的価値が保証されるわけではありません。

特許出願には結構な額の費用が必要ですので、経済的価値を考慮せずに特許出願を行った場合には、特許されたのに大赤字ということになりかねません。

例えば、新しい洗濯ばさみの構造を考案し特許をとった場合を考えます。洗濯ばさみの単価を50円として1年で1,000個売れるとすると、年間売上は5万円です。実施料率を3%とすると、1年で1500円しか収益を得られません。

そうすると10年で1万5千円しか収益が得られないわけで、特許に費やした金額数十万円には全く足りません。

逆に大ヒットして年間1億個売れたとすると、年間売上は50億円となり、年間1億5千万円、10年で15億の収益が得られ、十分にペイします。

売上の予測は非常に難しいですが、例えば、業界団体が出している統計を利用し、特許製品がどの程度のシェアを獲得できるか予測する方法などがあります。

このように、特許製品の売上がどの程度となるか予測して特許出願を行うことにより、特許出願は無駄だった・・・と、あとで後悔することもなくなると思います。

2012年6月22日金曜日

【広告】特許情報コンサルティングサービスのご案内

市場の環境変化に伴い、新製品開発や新事業へのチャレンジなど事業戦略の再構築を図る必要性が高まっております。このような事業戦略を新たに構築する際には、特許情報を活用することを考えてみてはいかがでしょうか。

特許情報は誰でも入手できる貴重な情報源です。特許情報から抽出できる情報には、権利情報だけではなく、課題、解決手段などの技術情報や、製品、出願人企業などのマーケティング情報も含みます。

これら情報を抽出し解析することにより、貴社の事業戦略の妥当性を検討する場合の有用なエビデンスが得られます。

弊社では特許情報解析ソフトを使用して、御社の事業戦略活動に資する情報を分析するコンサルティングを提供します。是非ご利用下さい。

詳しくは、弊社ホームページを参照願います。

2012年6月15日金曜日

特許はコストか財産か?

昨今の不景気下では、特許出願件数を削減して、コスト削減に努めようという企業も多いと思います 。

特許出願から登録まで、ざっくり50万円程度の金額がかかりますので、確かに大きなコスト削減となるかもしれません。

しかし、本当に出願件数を削減してよいのでしょうか?

特許権は知的財産権ともいわれます。つまり、財産的価値があるとされます。

例えば、先日の切り餅事件訴訟では、越後製菓は14億5000万円の損害賠償を勝ち取り、逆にサトウ食品は差止めにより200億円程度の市場シェアを失うことになりました。

つまり、越後製菓の特許権の財産的価値は、10~100億円となるのではないでしょうか(かなり大まかな考えですが)。

このように、特許権の価値が明らかになれば、特許出願の50万円程度のコストは安いものであり、大きな問題ではないことがわかると思います。

逆に、コスト削減にとらわれ特許出願を減らした場合には、将来の自社の財産を減らしている可能性があります。

したがって、 特許が市場に与える金額的影響を予測し、大きな利益があるのであれば、コストを気にせずどんどん出願することも必要でしょう。

note へしばらく移転します。

  https://note.com/ip_design  へしばらく移転します。