たまに、すごいアイデアを思い付いた!という感じになることがあると思います。
とはいえ、このまま突っ走って、事業化しようというのは危険です。自分が思いついたアイデアというのは、他の人がすでに思いついていたことが多いからです。
自分より優秀な人は世間にごまんとおりますので、基本的にはすでになされている(最悪の場合、すでに権利化されている)と考えた方がよいでしょう。
もちろん、そこであきらめるのではなく、従来のアイデアと自分のアイデアを比較して、違うところがあるか、ない場合には、どうやって相違を出してゆくか、というところが実際のアイデア創造のスタートラインとなります。
逆に、自分のアイデアがつまらないな、と感じることもあります。その場合には、アイデアを放置したりしますが、その後、そのアイデアを他の人が権利化したりして、まずい状況になることがあります。
アイデアを放置せずに、もう少し煮詰めて権利化したり、事業化したりすればよかったのですが、後の祭りです。
そう考えますと、アイデアの良し悪しは、主観的な判断は意味がなく、先行技術との対比において、良いか悪いか判断できるというということになるかと思います。このような客観性が重要かといえます。
自分も仕事がら、客観的な判断をするように思考が固定されてますので、発明者からアイデアをヒアリングした場合にも、すごいアイデアとも思いませんし、つまらないアイデアとも思いません。
とはいえ、すごいアイデアを思い付いたという発明者からヒアリングする際に、発明者は熱っぽく自分のアイデアを語るのに対し、自分はどうしても冷めた姿勢で聞いてしまうので、この弁理士はやる気がないのでは、と思われてしまう場合も多々あります。
ということで、どのようなアイデアも基本的にはすごいという姿勢でとらえるようにしています。もちろん最終的には先行技術調査をして判断することになるのですが。
また、発明された方も、自分のアイデアはつまらない、などと思わずに、まずは、先行技術調査をして評価し、権利化等の適切な対応をとっていただければと思います。