強いものが生き残るのではない。変化するものが生き残る、という有名な名言があります。ダーウィンの言葉と言われてますが、実際には言った事実は無いようです。
よくこの言葉を引用して、日本の企業は変化しないからダメなのだとか言われたりします。生き残るには変化しなければいけないな、と思ったりもします。
しかし、本当に変化することがよいことなのでしょうか?
この言葉をさらに正確にいえば、変化する生物は「大部分は死滅するが、ごく稀に」生き残る、となると思います。
なぜなら、変化が環境に適合できるかどうかは、偶然に頼るしかないからです。ただし、生き残った生物は、環境に最高度に適合し、既存の生物を淘汰してゆくでしょう。
そう考えると日本企業が変化しない理由もわかります。それは変化すると会社が潰れるリスクが高まるからです。
日本では会社が潰れると、社長は会社の債務の連帯保証人となっていたり、従業員も年金、退職金が減額され、個人の生活に大きな影響がありますので、何としても避けなければなりません。
一方、アメリカなどでは会社を潰すことに対する抵抗感は日本ほどありませんので、どんどん変化して、潰れる会社は多くとも、一部の環境に適合した強力な会社が誕生しやすいともいえます。
ということで、変化できるものが生き残るのは確かですが、それは、多くの生き残れないものの上になりたつ考えであることを冷静に考えて欲しいと思います。