2019年8月9日金曜日

自分でする特許出願 -審査請求と早期審査-

オンライン出願環境が整いましたので、以後の手続きはオンラインでやろうと思います。

まずは審査請求ですが、審査請求書を作成して、オンラインで提出します。

審査請求書の書き方は、以下のような感じです。



【書類名】      出願審査請求書
【あて先】      特許庁長官殿
【出願の表示】
  【出願番号】   特願2019- 45242
【請求項の数】    2
【請求人】
  【識別番号】   510255004
  【氏名又は名称】 川上 成年
【手数料の表示】
  【指定立替納付】
  【納付金額】   42,000円
【手数料に関する特記事項】
特許法施行令第10条第4号イに掲げる者に該当する請求人である。減免申請書の提出を省略する。






「指定立替納付」と記載しますと、クレジットカードで審査請求料を納付できます。自分のTカードで納付して、Tポイントを貯めようと思います。

審査請求料は、個人事業主の場合には1/3となります。請求項数2の場合には、通常の料金は、12万6千円(3/31以前出願の場合)となりますが、8万4千円安くなります。

「手数料の関する特記事項」の欄に、個人事業主であることを明記しませんと、この軽減を受けることはできません。自分が何に該当するかわからない方は、

https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmen20190401/

でご確認ください。

審査請求と同時に早期審査の手続きをします。早期審査が認められますと、3か月程度で拒絶理由通知や特許査定などの最初のアクションがやってきます。これにより、早期権利化を図ることができます。

早期審査自体は無料です。また、個人の場合には特段の事情を要することなく早期審査が認められます。

書き方としては以下のような感じです。



【書類名】      早期審査に関する事情説明書
【あて先】      特許庁長官 殿
【事件の表示】
  【出願番号】   特願2019- 45242
【提出者】
  【識別番号】   510255004
  【氏名又は名称】 川上 成年
【早期審査に関する事情説明】
1.事情
 出願人川上成年は個人である。

2.先行技術の開示及び対比説明
(1)文献名
 明細書中の段落「0008」に記載しております。

(2)対比説明
 明細書中の段落「0006」~「0012」において十分な対比説明を行っています。



かなり簡略化して書いておりますが、何かあれば特許庁の指示に従って修正すればよく、このような感じで十分です。仕事でやる場合には、もう少し厚く書きます。

ということで、特段の軽減証明書等を提出する必要もなく、料金納付も特許印紙ではなくクレジットカード納付可能ですので、すべての手続きがオンラインで完了し、まあ、煩わしいこともなく手続きが完了しました。

審査請求料も66%OFFということで、これは、個人で出願するしかない時代が来たのではないかと思います。

2019年8月5日月曜日

学会について(2)





先日申し込みました、知財学会の私の発表が採択されました。



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【発表番号】1A2
【発表カテゴリー】ブランド、デザイン
【発表日時】12月7日(土)10:20〜10:40 (予定)
【発表者氏名】川上 成年
【連名発表者】
【発表題名】テキストマイニングを使用したブランドQFDの作成
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今後の手続き、予稿に関する連絡および予稿の雛形は、
当学会WEBサイトの「一般発表者の方へ」をご覧ください。
https://www.ipaj.org/workshop/2019/workshop_2019_ippanhappyo_saitaku.html
■■■ご注意ください■■■
・予稿の雛型は毎年変わります。必ず最新の雛型をご利用ください
・締切日までに原稿が届かない場合は、発表中止となります。

★締切日 2019年10月7日(月)

となります。

私の発表は学会初日の1番目のセッションということで、フェスでいえば前座扱いのような感じでしょうか?。
 
次の締め切りは、予稿の提出(10/7)となります。この日までに、ある程度データをまとめて、4ページ位の文書を作成せねばなりません。
 
学会参加費は弁理士の場合には確か無料ですので、私のような貧乏人には助かります・・・。
 
 

2019年8月3日土曜日

ベネフィットについて

                                                            
ブランド分析では、ベネフィット(便益)の理解が重要となります。このベネフィットは以下の3階の階層構造となっております。


最上階:自己表現ベネフィット、情緒ベネフィット

次の階:機能ベネフィット

下の階:属性


自己表現ベネフィットは、ブランドを通して顧客が何らかの自己表現をできるようなベネフィットである。スマートな自分を演出できる、活動的な自分を表現できる、といったことである。


情緒ベネフィットは、ブランドによって顧客に何らかの感情を与えることのできるベネフィットである。自動車の例で言うと、快適な気持ちにさせる、安心感を与える、爽快感を与える、などである。


自己表現ベネフィットと情緒ベネフィットは提供するのが最も難しいが、最も有意義かつ模倣困難なベネフィットとされます。


機能ベネフィットは、ブランドを所有したり、利用したりすることにより得られる便利さ、効用等である。自動車であれば、大人五人がらくに乗れる、大きな荷物も積める、故障の心配がない、高速でも安定した走りを保つ、といったことである。



属性は、主に商品が備えている特性であり、客観的、定量的に示すことができる事実である。


属性は、提供が容易だが、最も意義が薄く、最も模倣が容易とされます。


以上、特許4223481からの抜粋です。




今回の研究では、オムツのベネフィットについて、製品のホームページを見たり、アマゾンのレビューを見たりして、何があるか考えることになります。


ブランドで一番重要なのが、自己表現と情緒ということになりますが、今の日本に足りないのも、自己表現と情緒ということになるかもしれません。


私も昔、メーカーで開発をしておりましたが、職場環境的には、自己表現も情緒も無縁でして、会社が作る製品に自己表現や情緒があるはずもなく、結果的に、ブランドと無縁な製品が開発されることになっていたのではないかと推測します。


機能や属性は模倣容易ですので(特許で守る!という考えもありますが・・・)、昔でいう所の発展途上国の追い上げにあい、日本の一部産業は競争力がなくなってしまいました。


そういう意味では、模倣困難な自己表現と情緒を重視した製品開発というのも今後の進む道の一つと思います。


今回の研究も、そういう所に陽を当てるところに面白みがあると思っています。

学会の件



6月末に12月の知財学会の発表会にエントリーしました。エントリー内容は以下のような感じです。



発表題名★

テキストマイニングを使用したブランドQFDの作成



発表要旨★

近年、ブランドを意識した製品開発が求められている。ブランドの全体像を把握する手法にブランドQFDがある。ブランドQFDとは、ブランド・プロポジションを可視化する方法論である。ブランドQFDの作成は、アンケート等に基づいて人手にて行われてきたが、作成に工数がかかる課題がある。一方、コンピュータにより、文章を定量的に分析する手法としてテキストマイニングがある。本研究では、テキストマイニングを使用してブランドQFDの作成を試みる。さらに、作成したブランドQFDを用いて製品開発方針の策定を試みる。


となります。発表可否は8月中に事務局から連絡がある予定ですが、たぶん「否」はないのではないか・・・と思います。

今回の発表には、共同発表者の方を1名お願いしました。

https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3246 をばらまきまして、反応があった人を誘いました。

共同発表者をお願いした趣旨としては

・ブランドQFDの作成がとてもに簡単になった
作り方が難しいと簡単に共同作業をお願いするわけにもいきませんが、お金もかけずに簡単に作れるようになったので頼みやすくなりました。

・炎上の防止
一人でまとめますと、思わぬ炎上が生じる場合がありますので、冷めた目で見ていただける人が必要です。

・新しいアイデアを得る
いろんな人が関わりますと、アイデアがまじりあい、思わぬブレイクスルーが生じる場合がありますので、そういうことも期待できます。

テーマは、今まで紙おむつをやっていたので、違うテーマ(掃除機など)にしようと思いましたが、共同発表者の要望で「紙おむつ」のままとなりました。

私が「P&G」のブランドQFDを作成して、共同発表者が「ネピア?」のブランドQFDを作成するという分担にして、両ブランドQFDに何か相違があれば、その要因を分析するような感じで進めようと考えております。

作業予定としては
7月:データ収集
8月:コーディング
9月:ブランドQFD完成
10月:まとめ

となりますが、進んでおりません。

実のところデータ収集からブランドQFDの完成までは1日あればできるのですが、単に、やる気ありません。

これでは、夏休みの宿題を期限ぎりぎりになって処理し始める子供と変わりません。

ということで、今週末はコーディングの検討をしようと思います。

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