2019年8月3日土曜日

ベネフィットについて

                                                            
ブランド分析では、ベネフィット(便益)の理解が重要となります。このベネフィットは以下の3階の階層構造となっております。


最上階:自己表現ベネフィット、情緒ベネフィット

次の階:機能ベネフィット

下の階:属性


自己表現ベネフィットは、ブランドを通して顧客が何らかの自己表現をできるようなベネフィットである。スマートな自分を演出できる、活動的な自分を表現できる、といったことである。


情緒ベネフィットは、ブランドによって顧客に何らかの感情を与えることのできるベネフィットである。自動車の例で言うと、快適な気持ちにさせる、安心感を与える、爽快感を与える、などである。


自己表現ベネフィットと情緒ベネフィットは提供するのが最も難しいが、最も有意義かつ模倣困難なベネフィットとされます。


機能ベネフィットは、ブランドを所有したり、利用したりすることにより得られる便利さ、効用等である。自動車であれば、大人五人がらくに乗れる、大きな荷物も積める、故障の心配がない、高速でも安定した走りを保つ、といったことである。



属性は、主に商品が備えている特性であり、客観的、定量的に示すことができる事実である。


属性は、提供が容易だが、最も意義が薄く、最も模倣が容易とされます。


以上、特許4223481からの抜粋です。




今回の研究では、オムツのベネフィットについて、製品のホームページを見たり、アマゾンのレビューを見たりして、何があるか考えることになります。


ブランドで一番重要なのが、自己表現と情緒ということになりますが、今の日本に足りないのも、自己表現と情緒ということになるかもしれません。


私も昔、メーカーで開発をしておりましたが、職場環境的には、自己表現も情緒も無縁でして、会社が作る製品に自己表現や情緒があるはずもなく、結果的に、ブランドと無縁な製品が開発されることになっていたのではないかと推測します。


機能や属性は模倣容易ですので(特許で守る!という考えもありますが・・・)、昔でいう所の発展途上国の追い上げにあい、日本の一部産業は競争力がなくなってしまいました。


そういう意味では、模倣困難な自己表現と情緒を重視した製品開発というのも今後の進む道の一つと思います。


今回の研究も、そういう所に陽を当てるところに面白みがあると思っています。

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