前回、「内容に関しては、できるだけ努力しないで、特許性のある発明をする方法を考えた」などといいましたが、これは当ブログのみの発言となります。
学会では、この点は積極的には触れないで発表としようと思います。これは、上記考えには問題があるからです。
特許法の建前上、進歩性のある発明のみ保護することとなっております。
この理由にはいろいろあると思いますが、発明は人間の精神活動の成果であり、その人間の努力を評価する、というのがあると思います。
そこで、努力しないで発明をしますと、はたして法で保護する必要があるのか、という疑問が生じることなります。
上記の考えを表明してしまいますと、このような論点が浮かび上がりますので、積極的に言う必要はないかと思います。
しかし、この論点は5~10年以内に真剣に議論されることとなると思います。それはAIが発明するケースが今後増えてくると思われるからです。
AIは大量のデータに基づいて発明してくると予想されますので、人間には思いつかない奇想天外な発明を多数してくると思います。
現状の審査基準は、人間の精神活動を基準に定められておりますので、人間の精神活動の限界を超えるAIがなす発明は余裕で特許されることになります。
つまり、今の審査基準は人間にはほどよいが、AIには”ざる”ということになります。
そうしますと、審査基準を厳しくするとかの対応が必要となりますが、そうしますと、人間のなす発明は進歩性なしとなり、特許を受けることができなくなる弊害があります。
しかし、そのような時代が来た場合、人間の役割とはどのようになるのでしょうか・・・。 企業の研究所はAIをずらりと並べて、そのアウトプットを見繕って出願したり、製品化したりするようになるのかもしれません・・・。