2021年1月17日日曜日

今年の作業予定について

令和3年もはじまりました。年を取ると月日の流れが速いです・・・。

懸案の論文の方ですが、掲載になりそうです。何も問題がなければ、月刊パテントの3月号に掲載される予定です。

個人的には、この論文の内容には、若干の問題(炎上要素?)があるかもしれないと思っておりましたが、知財学会での発表でも何の指摘もありませんでしたし、パテント編集部からも指摘がありませんでしたので、世に出して大丈夫と安心しております。

3月号は3月初旬から中旬に発行されますので、ぜひ購入してください。本屋では売っておりませんので、弁理士会のホームページから購入願います(誰でも買えます。800円か900円です。)

もちろん、発行から数か月で弁理士会のホームページで公開されますので、実のところ買う必要はないといえばないのですが・・・。

それで、今年は何をするかと考えましたが、新しいネタもありませんので、何もしないこととしようとも思いましたが、今までの論文のまとめと、事例づくりでもやろうかと思います。

ただ論文のまとめといっても、強制的なイベントを設定しませんと、やらないと思いますので、例えば、知財学会のインテンシブ?セッションあたりに申し込むことを考えております。

そうしますと、学会申込の始まる5月ごろまでに、ある程度作業の見込みをつけておかなければなりませんが、仕事や家の事情もありますので、どうなるかわかりません。

まとめの方向性としては、知財学会の発表4回分と、パテント誌論文4つを以下のような感じでまとめることを考えております。

 

ネーミングについては、独自のものをつけようかどうか迷いましたが、ネーミングがあった方が知識の整理がしやすいことと、他の人をみますと独自ネーミングをつけて営業している人も多いので、とりあえずつけてみました。

とはいえ、 インテンシブ?セッションのレベル感がまったくわかりませんので、あっさりリジェクトされることも考えられますので、ダメでも私をいじめたりしないように願います。

事例作成の方については、noteの方でやりたいと思います。諸事情によりnote記事の更新をまったくしておりませんが、上記ネーミングを用いて再出発したいと思います。

それでは、今年もよろしくお願いいたします。

2021年1月3日日曜日

陳腐化しないものについて

昨年末のニュースにありましたが、松原みきさんの「真夜中のドア」という曲が、spotifyのグローバルバイラルチャートで15日間くらい1位となっているようです(ちなみにspotifyがどういうものか知りません・・)。

 


今回、世界で聞かれることになったきっかけはTikTokで多くの人が使ったからのようです(ちなみにTikTokがどういうものか知りません・・).

この曲は1979年の確か11月ごろに発売された曲と思います。いわゆるベストテン番組では見かけることは少なかったと記憶しますが、ニューミュージックチャートでは3位くらいには入りましたので、ラジオではよくかかっておりました。 

1990年ごろ、レコード会社の友人が、女性ボーカルの研究をするから何曲か教えてくれと依頼がありましたので、何曲か紹介した曲の中にこの曲がありました。

友人はこの曲が一番気に入ったようで、AORのようだ、ストリングスが綺麗、といっておりました(その後、この曲に寄せた曲が作られたかは、ここではいいません。)

残念なことに2004年に松原みきさんはがんのため亡くなりましたが、当時の2ちゃんねるの芸スポにスレが立って、多くの人がその死を惜しんでおりました。

当時は2スレッドの制限がありましたが、荒らされることもなく短時間で2スレッドは消化され、「真夜中のドア」が多くの日本人の記憶にあることが再確認できました。

歌手の方がなくなると、その曲も時間とともに忘れられてしまうのがつらいところですが、そうはなりませんでした。

2007、8年ごろYoutubeにアップされた「真夜中のドア」は5~10年かけて1000万回再生を超え、そのコメント欄はほぼ外国からのコメントでした(ちなみにこの動画は著作権者の申し立てにより消されました)

なぜ、この曲を外国の人が知ったかといえば、vaporwaveやフューチャーファンクで使われたことが発端となったようです(ちなみにvaporwaveがどういうものか知りません・・).

この曲が外国の方にうけいられた要因を分析するのも野暮と思いますが、その理由には、松原みきさんはデビュー前に米軍キャンプを回ってジャズを歌っていた方ですので、外国人の心に訴える歌唱テクニックがあったと思っております。 

前置きが長くなりましたが、音楽のような著作物は時間の経過による陳腐化がない場合があることが今回の件で再確認できました。著作物の時間の経過による陳腐化が少ない理由としては、著作物は人間の情緒に訴えるものであるからと思います。

私が専門とする工学につきましては、時間とともに陳腐化する傾向があり、機械は陳腐化のスピードは遅い方ですが、情報通信などは数年で古い技術となったります。40年前の技術を今使えるかといえば、使うことはないと思います。

とはいえ、この技術の陳腐化というものは、今後やっかいな問題となると思います。SDGsが最近もてはやされておりますが、これによると製品の使い捨てなどもってのほかとなります。

したがって、製品については、今後長寿命化させる必要がでてまいると思います。家であれば最低100年、自動車は50年、その他の電気製品も数10年は修理しながら使い続けることが必要となるのではないでしょうか 。

ただし、製品の性能を技術にふってしまいますと、製品寿命が来る前に陳腐化し、捨てたくなってしまいます。

そうしますと、製品の長寿命化をはかるためには、陳腐化しにくい性能を加えてあげる必要があると思います。その一つに情緒的性能があるのではないでしょうか。

情緒的性能とは、人間の五感を通して人間の心理に影響を与える性能となると思います。具体的にはどうかといえば、私にもわかりませんので、今後研究してゆきたいと思います。

2020年12月20日日曜日

認知バイアスについて

先日ネットを見ておりましたら、「事後諸葛亮」という用語を見かけました。

言葉の意味としては、

「「諸葛亮」というのは三国志で有名な、中国実在した軍師であり、知恵のある人物・策士として後世に知られている。

世の中には事が起こった後になって知識をひけらかし、「こうすればよかっただろう」と策を示してくる人がいる。このような人物をして、諸葛亮名前を使って「事後諸葛亮」と呼ぶ。プロや当事者でも事前の予想ができない、または予想が難しい出来事への対応について、「これしかなかっただろう」と後になってから物申す人に対してよく使われる。」

ということのようです。

ニコニコ大百科(仮)からの引用です↓

https://dic.nicovideo.jp/a/%E4%BA%8B%E5%BE%8C%E8%AB%B8%E8%91%9B%E4%BA%AE

中国のスラングのようですが、なかなか使い勝手のよい言葉です。

私は、過去の事例分析がきらいなのですが、それは、やはり自分が事後諸葛亮化してしまうからです。

経営学も、学問なのか、事後諸葛亮なのかわからない部分もあります。例えば、ワークマンが成功した理由について様々なビジネス本が出ておりますが、これは事後諸葛亮なのではないか、と疑ってしまいますので、最近はビジネス書も読まなくなりました。

あと、かけだしのコンサルタントが、自分の宣伝のために、「私は、・・・を予想していた!」などと、SNSで自分を大げさ宣伝してしまったりしますが、これも事後諸葛亮っぽいので止めた方がよいと思います。 

さて、この事後諸葛亮というのは、どういう現象なのかというと、上記ニコニコ大百科(仮)よれば、後知恵バイアスというものだそうです。

弁理士には見逃せないキーワードが出てまいりました・・・。

では、後知恵バイアスとは何かといえば、

「物事が起きてしまった後に、それが予測可であったと判断する傾向。「そんなことだろうと思った」と、まるで予め知っていたかのように振舞う心理的傾向をす。事後の後にされる結果論は、後知恵バイアスの典的な例である。

上記の例で説明するならば、”離婚の原因が旦那浮気である”という部分に後知恵バイアスがかかっている。Aさん情報がなければ、Bさんは浮気離婚の原因だと予測することができないからだ。普通であれば"さんが浮気した可性"も十分あり得るはずなのである。しかし「旦那浮気していた」ということを知った途端に疑念が確信に変わり、「Aさんに教えて貰う前から旦那浮気していると知っていた」かのように振る舞ってしまう。そして”原因を予測できていた”と錯覚し、満足感や優越感に浸ってしまうのである。

もし仮に本当に離婚の原因が浮気だったとして、そればかりにを向けて旦那批判するのは、やはり後知恵バイアスがかかっていると言える。旦那浮気した理由が、旦那が一生懸命働いているのに給料が上がらず、さんが旦那に日頃から罵倒を浴びせていたからかもしれない。そのストレスから逃れるために旦那浮気に走ったのかもしれない。そういった可性を考慮せずに旦那の方ばかりを批判するのは、偏に「旦那浮気した」という後知恵(バイアス)がしているからなのである。」

 ということのようです。

ニコニコ大百科(仮)からの引用です↓

https://dic.nicovideo.jp/a/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9

後知恵バイアスが問題となるのは、発明の進歩性判断の局面です。拒絶理由を読みますと、後知恵バイアスとしか思えない理由が通知されることが多々あります。

この後知恵バイアスに対する反論は大変です。これは、後知恵バイアスは審査官の認知的バイアスによるものですので、反論した場合には、審査官の認知に対する批判も、いやですが、記載しなければならないからです。 

これは、技術の話でもなく論理の話でもなく、審査官の心理的な話ですので、非常に苦手です(やり手の弁護士さんでしたら得意かもしれませんが・・・。)

上記のように、審査官が、後知恵バイアスにより、満足感や優越感に浸ってしまった場合には、それを否定することは、審査官に不服感や劣等感を与えることになりますので、審査官も人間であることから心理的な拒絶反応を示すのではないでしょうか。

現実的には、審査官の説得をあきらめ、不服審判に進んで、審査する人を審判官に変えてもらう、というのが消極的な対応となります。 

私個人としましては、特許審査はAIに置き換えてゆく方がよいのかな・・・と思います。AIは人間ではありませんので、心もなく、認知バイアスがありません。したがって、進歩性判断の公平性は高くなると思います。

ということで、認知バイアスには気を付けようという話でした。

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