2022年2月26日土曜日

知財とインテリジェンスについて(IPインテリジェンス、知財インテリジェンス)

ロシアがウクライナに侵攻しました。日本もロシアに隣接した国ですので、この横暴は他人ごとではありません。

このような現在進行形の状況において気を付けなければならないのは、偽情報に惑わされないことです。

例えば、メディアでロシア擁護のコメントを出している専門家は、世論操作のためのロシアのエージェントと考えた方がよさそうです。 

また、ロシアが戦果を強調するため、偽の戦果を発表する可能性もあります。

ということで、個人でも情報処理をして、妥当な判断をしてゆく必要がありますが、このような行為をインテリジェンスといいます。

すなわち、インテリジェンスとは、情報(インフォメーション)を処理して得た知識、と定義されます。

インテリジェンスのポイントは次の2点となります。

①情報源の確保

インテリジェンスにおける情報源は以下のように分類されます。


公開情報はオシントと呼ばれます。一方、非公開情報にはヒューミントなどがあります。スパイ映画などからは、非公開情報が重要と考えがちですが、例えば、CIAの情報源の80%は公開情報といわれています。

私のような一般人ではオシントしかありませんが、信用に足る情報源に限定する必要があります。この点、日本のメディアは頼りなく、BBCあたりの情報が正確なのではないかと思います。

また、米国や英国、日本の政府機関(情報機関)が出す情報も正確性が高いので、情報源をこれらに絞るのが良いと思います。 

②複数情報の突き合わせ

一つの情報源から判断するのは、偽情報である場合があり危険です。したがって、複数のオシントやヒューミント、シギントなどを必ず組み合わせて、妥当な結論を導く必要があります。

テレビやSNSの情報にすぐに飛びつくのではなく、複数情報源を突き合わせて、妥当性を自分なりに考えるのがよいと思います。 

本ブログは軍事ブログではなく、知財ブログですので、無理やり知財に結び付けますが、上記インテリジェンスは知財活動においても普通にやっていることと思います。

例えば、Jplatpatはオシントに相当しますし、これを処理して特許マップを作ることはインテリジェンス活動をいえます。

さらに、営業の方や、技術の方からヒアリングすることはヒューミントに相当しますし、とオシントとヒューミントを統合して得た知識もインテリジェンスといえます。例えば、特許情報をつかったマーケティングなどは、複数情報源を統合したインテリジェンスとなります。

最近のIPランドスケープの考え方は、インテリジェンスに近いのかなとも思います。そういう意味ではIPランドスケープよりは、IPインテリジェンス(知財インテリジェンス)の方が妥当な言葉と思いますが、また、商標出願されてしまいそうなので、みんなで使って普通名称化してしまいましょう。

2022年2月14日月曜日

知財と軍事戦略について

最近は、ロシアがウクライナに戦争を仕掛けるか否かに注目しています。

なぜ、ウクライナで戦争が起きるかといえば、これは地政学的に重要な位置だからです。ウクライナの地名を見ますと、クリミア戦争以来からの激戦地が見つかります。

ロシアは10万を超える陸上部隊を国境に集結し、艦船も太平洋艦隊から増派させているようですので、ロシアにしたらもう事実上戦争は開始している状況です。

すなわち、大規模な部隊展開には巨額の国費が投入されていることになりますので、国内の事情(世論など)を考えますと、やっぱり戦争しない、とはならず、投入したお金を回収できる程度の何らかの利益が得られなければ、ウクライナに攻め込むしかないという状況といえます。

戦争が始まったあとの行方については、予想がつきませんが、ウクライナ人に愛国心がある場合には、ゲリラ戦により数か月続き、そうでない場合には数週間でロシアが占領することになるかと思います。

とはいえ、ロシアは勝てばよいのかといえばそうでもありません。占領統治にはお金がかかりますし、傀儡政権をうまく打ち立てられるかもわかりません。さらに、西側諸国からの過酷な経済制裁が待ち受けます。

そうしますと、ロシアはいずれにせよ、じり貧、ということになります。ロシアのGDPは現状、韓国以下ですし、人口減少速度も高いのでじり貧の国ですが、今回の戦争によって、じり貧になる時期が早まるかと思います。

中国に頼る、という考えもありますが、共産主義の国は信用なりませんので、茨の道となります。

それで、話は変わりますが、知財をこのような軍事戦略にあてはめて考える人が散見されますが、もうやめた方がよいかな・・・と思います。

軍事戦略は、地表が有限な資源であることから、奪い合いが避けられない、ことを前提とした考えです。

一方、知財は無限の資源ですので、誰かがAを取っていたら、自社はBを取ればよい、という考えを取れます。ブランドとか、ブルーオーシャン戦略はこういう考えです。

もちろん、実際の戦争のように、知財でもぶつかりあうという作戦も取れますが、消耗が激しいので、今回のロシアのように、勝っても儲からないのではないでしょうか?

繰り返しますが、軍事戦略は奪い合い、が原則ですが、知財は新しいものを作るという考えですので、特に誰からも奪う必要もありません。なので、最近は戦略という言葉は個人的には使用しないようにしております。

ウクライナですが平和裏に解決することを祈っております。

2022年1月27日木曜日

AIに発明ができるのか?について

ここ数年ですが、すっかりテレビを見なくなりました。

今のテレビは予算が無いようで、安い芸人を使ったクイズ番組ばかりでつまらなくなりましたし、そもそも私ような年寄りの男を対象にした番組づくりもしていません。

では何をみているのかといえば、Youtubeとなります。よく見るが、おっさんYoutuberのgame実況となります。ゲームといっても、ヨーロッパユニバーサリスやハーツオブアイアンなどの戦略game実況をよく見ます。

30年前であれば、自分で購入してこういうゲームをやったと思いますが、今はゲームをやる気力もなくなりましたので、自分でやる必要のないgame実況をだらだらとみるのが楽でいいです。

そんな私ですが、昨日、おすすめ出て、みましたのが以下の番組となります。

ツキノミト(AI)

https://youtu.be/HBHD1CnUeaA

↑Youtubeのリンクですので、気を付けてください。

内容としては、Vtuberのつきのみとさんが、AIに自分のプロフィールや人格?を考えてもらうという内容ですが、なかなか興味深かったです。

何か文章を入力すると、それに続く文章をAIで継ぎ足してくれるというもののようですが、AIの継ぎ足す文章が、近からず遠からず絶妙ですので、面白い文章となります。

つまり、あまり遠いと意味不明になり、近いとありふれた感じとなりつまらなくなります。

番組をみますと、面白い文章を引き出すには、面白い文章が引き出せそうな文章をトライアンドエラーで入力する必要があるような気がします。

また、プロフィールがしっかりしてきますとAIが継ぎ足す文章に意外性がなくなり、つまらなくなるような気もします。

なので、AIに面白い文章を書かせるには人間の努力が必要となるような気もします。

それでまあ、将来AIが発明するようになるかどうかはわかりませんが、AIが発明するとしたら、上記のようなシステムとなると思います。

AIは全特許データを格納し、作業者が入力した用語に関連する用語を提案してゆくような感じとなると思います。

作業者は、例えば、空飛ぶクルマを開発する場合には、まず、クルマの仕様(何人乗りとか、航続距離など)の文章を入力します。

そして、動力源は?と入力するとAIが続く文章を考えてくれるわけです(例えば、モーターやら、ガスタービンやらです)。

場合によっては、意外性のある動力源を提案してくるかもしれません。そういうものは特許出願することになると思います。

そして、制御は?とか、材料は?とか入力してAIと対話することにより、 空飛ぶクルマの全容が確定するわけです。

AIも絶妙な内容を提案してくると思いますので、けっこう実現性のある空飛ぶクルマとなるのではないでしょうか。

むろん、面白そうな空飛ぶクルマにするには、人間が入力する文章のセンスが必要となると思います。そういう意味ではAI任せにできるというわけでもありません。

ということで、このようなシステムはすぐにでもできてしまうような気がします。私はお金も能力もないのでこのようなシステムをつくることはできませんが、誰か挑戦してみてください。

2022年1月22日土曜日

パテント誌の件

拙稿「テキストマイニングを使用した新市場の探索」ですが、月刊「パテント」の4月号に掲載される予定となりました。

予定というのは、決定ではなく、査読により掲載されない可能性もある、ということになりますので、掲載されませんでしたら、そういうことだったということでご理解願います・・・。

パテント誌はこの1月号から原則電子データで発行されることになりました。弁理士会のHPにアップされますので、すぐに見れますのは弁理士のみとなります。ただし希望すれば弁理士以外の方でも書籍としても入手できます(ただし、年間契約だった?と思います)。

以前と同様、記事は発行から2月程度で無料公開されると思いますので、6月くらいには、ここで紹介できると思います。 したがって、無理に購入する必要はないと思います。

さて、今年の目標の一つ、「Excelでできる特許データ分析入門(仮)」のkindle本の方ですが、本業の方も暇になってしまいました・・・ので、今のうちに着手しようかと思います。

しかし、着手するといっても、何から手をつければよいかわかりません・・・。作業量は膨大となると予想されますので、効率的に処理したいところです。

進め方としましては、項目だけ先につくり、その項目に対応する文章を日々地道につくろうかと思います。

項目については、無料のマインドマップソフト(Free MIndなど)を使用して、つくろうかと思います。マインドマップソフトは項目の入れ替えや修正が楽ですし、項目体系を把握できますので、漏れなく重複の無い項目が作成できると思います。

余談ですが、付記試験を受けた時も、マインドマップソフトで訴状体系を自分で作成しましたので、訴状の構成が頭によく入りました。 

項目が100個できたとしたら、1日1個の項目を処理すれば100日で完成となるわけです。これで、だいたいの進捗の管理もできることになります。

内容としては、初級レベル、新書レベル、1000~2000円の本レベル、を目指します。本当であれば専門書レベルと行きたいところですが、その実力がありません。

進捗につきましては、当ブログで逐次ご報告したいと思います。

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掲題の件、セミナーの1/4を担当することになりました。私の担当分は、「【第2部】生成AIで革新する特許データ分析」です。URLは以下となります。 AI 生成AI 特許調査 分析 翻訳 技術情報協会はセミナー・出版・通信教育を通じて企業の最前線に立つ研究者、技術者をサポートし社会に...