今日は知財等の資産評価の研修を受けてまいりました。
内容としましては、米国での資産評価の事例を主にしていろいろなお話がありました。
感想としましては、やはりアメリカは進んでいるなということです。資産評価へのエネルギーがものすごく、なんでも資産価値の評価できるよう、様々な手法が体系化されているようです。
興味深いのはファイナンシャルアドバイザーという方が3万人もいて、様々な人に資産評価を提唱していることです。日本では大企業くらいしか資産評価のニーズはありませんが、アメリカでは個人事業レベルの人に対してもサービスを提供しているようです。
アドバイザーは資産を評価するだけではなく、価値を高める助言もするそうです。例えば、映画については、ただ撮影して上映するだけでは儲かりませんが、配信やBDでの販売や、様々な手法を加えることにより利益が向上しますので、映画作品としての価値が高まります。
音楽も同様の価値向上が図られているようです(昨日のニュースです)
http://www.musicman-net.com/business/54683.html
日本ではあまり金儲けの話は好まれませんが、お金が集まればよい作品も作りやすいわけで、やはり価値向上というものを考えた方がよいとも思います。
また、資産価値といえば、企業価値も注目されるところですが、アップルが時価総額50兆円に対し、トヨタ自動車が30兆円くらいということで、やはり価値向上にアメリカ人は一生懸命といえるでしょう。
面白い話としては、競業避止契約の評価というのもありました。、競業避止契約とは、会社を辞めたら例えば3年間はライバル企業で働いてはいけないと規定する契約で、優れた技術者がライバル企業に転職したら自社の不利益が大きいことからなされる契約です。
日本では何となく労働者には損な契約なのですが、アメリカでも同様の契約をするそうです。
アメリカの面白いところは、競業避止契約の価値を評価するところです。競業避止契約により会社は利益を受けられるわけですから、競業避止契約には価値があるわけです。したがって、競業避止契約の価値を評価して、 契約時にはその金銭を会社に要求するそうです。
お金が得られない場合には、契約書にサインしないということになります。
そう考えますと、日頃注目しないものにも価値があるということで、いろいろ見直すことも必要と感じました。
2016年2月24日水曜日
2016年2月14日日曜日
2016/1/17~1/23の知財高裁判決
2016年1月17日から2016年1月23日までになされた裁判は、侵害訴訟1件(省略します)、審決取消訴訟5件(特許1件、商標4件)です。
1.審決取消訴訟
*コメント
通常使用権者による本件商標の使用とされるには、本件商標の使用許諾契約が存在していたことの裏付けが必要とされました。
*コメントは省略します。
*コメント
審判において新たな文献を追加して拒絶とする場合でも、追加の内容が設計事項レベルである場合には、拒絶理由を通知することなく、拒絶審決することは手続違背ではないと判断されました。厳しいですね・・・。
*コメントはありません。
2016年2月6日土曜日
ブランド・ドリブン・イノベーション、ブランド思考など
自分は主に特許の仕事をしておりますが、中小企業の仕事をする場合には、特許だけという訳には行きませんので、意匠、商標の仕事もすることになります。
知財権的にいえば、特許は技術を守り、意匠はデザインを守り、商標はブランドを守ります。こう言いますと、技術とデザインとブランドとは別個独立のものとも感じてしまいます。
よく言われますのが、一つの製品には多数の技術が使われているということです(医薬品除く)。デザインはどうかといえば、これは1つの製品に1つとなります(部分意匠というものもありますが・・・)。
そして、事業とはいろいろな種類の商品(ポートフォリオ)を売ることで成り立ち、このような事業についてブランドが構築されます(1商品1ブランドもあるかもしれませんが・・・。)。
そうしますと、これらの関係は以下の階層構造になるかと思います。
こう見ますと、技術は事業とは距離があるという感じがします。技術で勝って、事業で負ける、という言葉もありますが、技術ばかりを見ていますと、事業がよくわからなくなるのではないでしょうか。
デザインというのは中間に位置することから、事業もある程度見え、技術も見えることから、いいポジションといえるかもしれません、デザイン思考が近年もてはやされるのは、こういう事情かもしれません。
そう考えますと、今後はブランドを起点にテクノロジーを考えるという概念が出てくると思います。例えば、ブランド・ドリブン・イノベーションや、ブランド思考という概念となるかもしれません(本ブログで先使用権を確保・・・)。
とりあえず、ブランド戦略の本を買い込みましたので、少し研究してみようと思います。
知財権的にいえば、特許は技術を守り、意匠はデザインを守り、商標はブランドを守ります。こう言いますと、技術とデザインとブランドとは別個独立のものとも感じてしまいます。
よく言われますのが、一つの製品には多数の技術が使われているということです(医薬品除く)。デザインはどうかといえば、これは1つの製品に1つとなります(部分意匠というものもありますが・・・)。
そして、事業とはいろいろな種類の商品(ポートフォリオ)を売ることで成り立ち、このような事業についてブランドが構築されます(1商品1ブランドもあるかもしれませんが・・・。)。
そうしますと、これらの関係は以下の階層構造になるかと思います。
こう見ますと、技術は事業とは距離があるという感じがします。技術で勝って、事業で負ける、という言葉もありますが、技術ばかりを見ていますと、事業がよくわからなくなるのではないでしょうか。
デザインというのは中間に位置することから、事業もある程度見え、技術も見えることから、いいポジションといえるかもしれません、デザイン思考が近年もてはやされるのは、こういう事情かもしれません。
そう考えますと、今後はブランドを起点にテクノロジーを考えるという概念が出てくると思います。例えば、ブランド・ドリブン・イノベーションや、ブランド思考という概念となるかもしれません(本ブログで先使用権を確保・・・)。
とりあえず、ブランド戦略の本を買い込みましたので、少し研究してみようと思います。
2016年1月30日土曜日
2015/12/27~2016/1/16の知財高裁判決
2015年12月27日から2016年1月16日までになされた裁判は、侵害訴訟0件、審決取消訴訟5件(特許4件、商標1件)です。
1.審決取消訴訟
*コメント
原告は特許庁の引用発明の認定に誤りがあると主張しましたが、認められませんでした。
*コメント
「分解不可」と注意書きがされている部分を分解して公然実施と認定することの可否について争われましたが、分解することは所有者の自由ということで、公然実施と認定されてしまいました。
*コメント
周知技術3をそのまま適用するか,あるいは,周知技術3の構成のうち対物レンズの上部に関する部分の技術のみを適用するか,下部に関する部分の技術のみを適用するかは,実現すべき軽量化の程度の問題にすぎないから,いずれを採用するかは,当業者が必要に応じて適宜選択し得る設計的事項であるといえるとされました。周知技術にさらに変形を加えて、組み合わせ容易とされてしまうとは、ちょっと厳しいですね・・・。
*コメント
4条1項11号の判断時期について争われ?ましたが、原則通り査定時とされました。査定時と登録時の間に引用商標が不使用取消により消滅したという事情から、原告は登録時を判断時としたかったようです。
(5)
平成27(行ケ)10016 審決(拒絶)取消
平成28年1月13日判決 請求棄却(2部)
特許権 (細胞培養物において増殖されたインフルエンザウイルスから調製された非ビリオン抗原を含むアジュバントワクチン)
進歩性
平成28年1月13日判決 請求棄却(2部)
特許権 (細胞培養物において増殖されたインフルエンザウイルスから調製された非ビリオン抗原を含むアジュバントワクチン)
進歩性
*コメント
補正発明に顕著な効果があるか否かが争いになりましたが、明細書の記載から顕著な効果があるとは認められないとされました。補正後の構成と明細書に記載の効果との間に論理的整合性がないと、訴訟ではきびしく見られてしまうようです。
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