2021年11月28日日曜日

知財学会の発表が終わりました。

知財学会の発表が無事?に終わりました。

当初の予想では発表時間が余りそうでしたので、ゆっくり目にしゃべろうとしましたが、結果としては発表時間オーバーとなりました。まだまだ修行が足りないようです。

次回来年のテーマは今のところありませんので、年明けにでも探そうかと思います。

学会の所感ですが、知財情報分析については、市販の特許マップソフトに頼らない発表が多く、とてもよいと思いました。

具体的には、エクセルやパイソンや私のようなKHcoderなどを使ったオリジナルの分析が多く、以前のようなどこかで見たような特許マップをズラリ出すというような発表ではなくなりました。

おそらく今後は分析にパイソンを使う人が増えてくると思いますので、私もその波に乗り遅れないようにしたいと思います。

また、特許庁からのAPIを利用した発明の品質分析が増えてくると思います。従来の特許情報分析に加えて、特許品質分析が特許分析の2本柱に育ってゆくとよいなと思います。

今回の発表内容については、文書にまとめてどこかで公表できるようにしたいと思います。

2021年11月23日火曜日

知財学会の予稿集についての雑感

11/27,28に開催の知財学会の予稿集が入手できました。その雑感を述べたいと思います。

ただし、内容について多く触れますと問題があると思いますので、問題にならない程度にしたいと思います。

なお、本ブログのアクセスは1記事1件くらいしかありませんので、何を書いても問題にはならないとは思いますが・・・。

私の発表は「その他」のカテゴリとなるのですが、申込時は「ブランド・デザイン」でした。事務局により「その他」へ変更されました。

そこで「ブランド・デザイン」を見ますと、やはり意匠法・商標法の発表がほとんどとなります。こういうことでしたら来年以降は「意匠・商標」へカテゴリ名を改名することをお勧めします。

次に、「その他」ですが、ポイントとなりますのが私の一緒のセッションの方の発表となりますので、簡単に(上辺だけ)見たいと思います。

一人目の方が、インテンシブ発表(発表論文3つくらい必要なレベルの高い内容)で、テーマは論文軸・特許軸・科研費軸による分析・・・とのことです。

内容としましては、テーマ名の3軸の立体グラフを作成して、気付きを得るというものです。

論文軸・特許軸・科研費軸のグラフですのでなかなか迫力がありますが、軸がIPC、JST分類、科研費審査分類となっておりますので、図をみましても、各種分類を知らない人には理解が難しいタイプの図となっております。

最近のIPランドスケープの図を見ましても、分類をそのまま軸に使用する図はほぼなく、人が理解しやすい用語に置き換えているものがほとんどですので、そのように改良すれば、より分かりやすい図となると思います。 

あとは軸が細かすぎて、老眼が進んだ私には文字が視認できませんので、このあたりも改良いただければと思います。

二人目の方が、テーマは、審査経過と特許品質との関係の考察・・・となります。

中間処理書類を分析して、拒絶理由の内容と特許クレームの広さとの関係を考察した内容となります。(どういう関係があったのか、無かったのか、については、発表をお聞きください。)

この予稿をみますと、気になる一文がありました。

それは「中間書類の取得には特許庁がトライアル提供中のAPIを使用した」 

このような分析は、やろうと思えば誰でもできたのですが、中間処理書類を入手して分析するのに多大な工数が必要ですので、誰もやりませんでした。

しかし、上記一文にあるようなAPIを使用すれば、データ入手が容易になり、もしかしたら、より少ない工数で分析できるのかもしれません。

このあたりは、私は完全に見逃していました。これだけでもこの発表は聞く価値があるかもしれません。

さて、私の方ですが、パワーポイントの修正をしております。日曜最後の発表ですので、まあどうなんでしょうか。

2021年10月20日水曜日

混合研究法について

 

 

 

前回、知財デザインの分析フェーズは、量的分析と質的分析とからなる、と勝手に決めました。

しかし、この量的分析と質的分析との関係はどうしたらよいのでしょう?まったく別個としますと、あまりやる意味がありませんので、何らかの関係性を持たせたいものです。

それで、何か先行事例がないか探しますと、混合研究法というものを見つけました。

混合研究法とは、課題を理解するために、量的データと質的データの両方を収集し、2つを統合し、両方のデータ解釈を導き出す、社会、行動、そして健康科学における研究アプローチである、とされます。

それで。混合研究法において、量的データと質的データをどのように統合しているかといえば、主に以下の3つとなります。

(1)説明的順次デザイン

 

説明的順次デザインは、まず、量的分析を行い、その量的分析の結果の説明のために、質的分析を行う、というような統合手法となります。

特許情報分析で言えば、まず、マクロ分析を行い、そのマクロ分析の結果の説明のために、ミクロ分析を行う、ような進め方となります。

マーケティングプロセスもこのような形の進め方であり、いろいろな分野で、なじみ深い統合手法といえます。

(2)探索的順次デザイン

 

探索的順次デザインは、まず、質的分析を行い、その質的分析の結果を用いて、量的分析を行う、というような統合手法となります。

あまり、見かけない手法ですが、去年と今年の私の知財学会の発表では、ミクロ分析からマクロ分析を行っておりますので、探索的順次デザインに近い分析手法かなと思います。

(3)収斂デザイン

 

質的分析の結果と量的分析の結果をみて、人間が解釈するという、おおざっぱ統合手法となります。

質的分析の結果と量的分析の結果が、補完関係にある場合には、 このような統合手法が用いられます。

順次デザインの方が、 質的分析の結果と量的分析の結果とのシナジーが得られるような気がして、良いようにも感じますが、こういうおおざっぱなものでもよい、ということでしょうか。

知財デザインでは、あまり他の方がやっていない「探索的順次デザイン」を前面に押し出して、旧来の分析手法との差別化を図ってみるのも面白いかもしれません。

次回(次々回?)当たりの知財学会での発表テーマとしようかと思います。

2021年9月27日月曜日

知財デザイン本構想の行方・・・

以前、知財デザイン本を出したいな~と願望を述べましたが、まったく進捗しておりません・・・。

しかしながら、この時点で、考えを整理してみましたのが以下の表です。

 

手順としては、分析から発想という流れとしたいと思います。従来の特許情報分析は発想までは行いませんでしたので、これが特徴となります。

分析につきましては、従来、マクロ分析→ミクロ分析というような表現がなされておりましたが、これを、量的分析と質的分析という表現に改めたいと思います。

量的分析とは、すなわち数の分析であり、質的分析とは、用語の関係の分析(すなわち意味の分析)となります。

特に変える必要はないのですが、ゼロベースで論理を見直したいと思います。

方法論につきましては、世に広く使用されているIPランドスケープとQFDを使用したいと思います。

しかしながら、IPランドスケープとは何かいまいち理解していないので勉強が必要かと思います。

使用ツールはエクセルとなります。これは、エクセルが使用できるめどが立ったのと、誰でも使用できるツールであるからです。

特定特許マップソフトを使用することも考えましたが、高いのと、分析手法が特許マップソフトの機能に依存してしまうことなどから、不都合な現実がありました。

また、特定特許マップソフトを使用しますと、そのソフトの宣伝をするような感じとなってしまいますので、お金ももらっていないのにそのようなことをするのも変な気がします。

このあたりエクセルを使用することによりすべて回避できます。

しかしながら、ネットで調べても、エクセルでIPランドスケープをやった事例が見つかりませんので、どなたかやっていただけないかと思います。まあ、自分でやればよいのですが・・・、そこまで時間的余裕もありません・・・。

発想についてはKHCoderを使用する予定です。エクセルを使用できればよいのですが、今のところできそうもありません。KHCoderも無料ソフトですし、使用法も難しくはないので、勘弁願います。

今年の知財学会の発表も、KHCoderを使用して、新規用途をアブダクションにより発想する内容となっておりますので、ご興味がある方は是非参加ください。

本の構成としては、前半はツールの使用法を説明して、後半は、仮想分析事例(2~3個)の説明にしたいと思います。

最大の問題の発行方法ですが、これはAmazonのkindle出版を使用したいと思います。これは、昔の共同研究者のYさんから、5~6年前に提案されたこともあり、トピックモデル同様、予言された未来の実現に努力したいと思います。 

実際のところ、私のように無名弁理士(無名会には入ってませんが・・・)では、出版社に持ち込んでも門前払いでしょうし、うまく出版できても、返本の山で狭い我が家が埋まってしまうおそれがあります・・・。

Amazonのkindleなら、少なくとも返本の山に埋まることもありません。

しかしながら、一気に書き上げるのも無理そうですので、例えば3部作くらいにして小分けに作業しようかなとも考えています。

いずれにせよ、動けるのは知財学会が終わってからとなります。さて、どうなるでしょうか。

 

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