2022年8月31日水曜日

AIによる発明について

詳しくは知らないのですが、AIでイラストを生成するサービスが炎上の末、サービスの一時停止となったようです。

サービス内容としては、既存のイラストを教師データとした学習モデルを生成して、この学習モデルを使用して、新たなイラストを出力するサービスのようです(間違っていたらすいません。)

炎上した理由としては、勝手に有名作家のイラストを教師データに使用して、新たなイラストを自分の著作物として生成するのはよくない、ということになるかと思います。

また、このようなサービスが成立するとイラストレータの仕事を奪うとか、このサービスを中止しても、外国でこのようなサービスがどうせ開始されるので、先んじて日本でやった方がいい、などの様々な意見があるようです。

著作権法的には、他人のイラストを教師データとした学習モデルを生成して、この学習モデルを使用すること自体は著作権法違反にはなりませんが、AIにより生成されたイラストが、教師データのいずれかに類似する場合には、依拠性があるとして著作権侵害とされると思います。

そうしますと、このようなサービスを成立させるためには、アウトプットの類否判断をどうするか?という課題を解決する必要があると思います。

しかし、著作物の類否判断は裁判例に基づきますので、とても自動的にできるとは思いませんので、法律の知識がある人間がやらざるを得ませんし、その場合でも100%の判断はできないと思います。

まあ、がらっと変わったイラストを生成するようにすればいいだけかもしれませんが、それだとこのサービスの意味がないかもしれません・・・。

さて、AIにイラストを生成させることができるのであれば、発明もすることができるのではないかと思いますが、それにチャレンジしたのが、右の過去の論考の下から2番目にあるテキストマイニングを使用した多空間デザインモデルの作成について(月刊パテント)となります。

この論考では特許情報から新たな発明を生成し、実際に特許権も取得しております。ということで、すごい論文と思いますが、まったく話題になっておりません・・・。

イラストと発明が異なる点は、イラストは論理性が不要なのに対し、発明は論理性が必要なところです。

つまり、イラストや音楽は、アウトプットがなんとなく絵っぽい、音楽っぽければよいので教師データの絵や音を統計的に組み合わせれば足りるのに対し、発明は自然法則を利用していることを説明しなければなりません。 

ここはAIではできませんので、ここの論考では、論理は私が考えております(ただし、論理自体は他の特許の流用です)。

AIによる発明のよいところは、イラストのような著作権問題が生じにくいところです。つまり他社の技術を利用しても、特許出願して新規性、進歩性が認められれば、私の権利として認められます。

なお、特許法は他社の技術を利用できることを制度趣旨としておりますので、技術の利用に違法性もありません。 

ということで、AI発明の方が先に実用化されるかもしれませんね。

統計と機械学習の違いについて

更新が滞っておりましたが、これは学会用のデータづくりに行き詰まっていたからとなります。

 

今回は、LDAを使っていろいろ分析してみようと考えておりましたが、いろいろ試行錯誤してもうまくゆきません。うまくゆかない理由はLDA処理の結果が何を意味するか、理解できないからです。

 

LDA処理により、何らかの言葉のクラスタが存在することはわかりますが、それが何を意味するかは、解釈するしかないのですが、この解釈が妥当かどうかはわかりません。

 

何とか、理解できるよう試行錯誤したのですが、よい結果は得られず、時間もありませんのでLDAの使用はやめようと考えております。

 

さて、LDAは機械学習の一種となります。しかしながら、機械学習といえど、結局のところ統計的な処理にすぎませんので、従来の統計処理と何が違うのだろうと常々思っておりました。

 

そのような疑問をもっておりましたが、最近読んだ以下の本に、その答えのようなものがかいてありました。

 

「分析モデル入門(杉山聡 著:ソシム株式会社 発行)」

(今大きな本屋でしたら並んでいると思います。)

 

ざっくり言えば

統計とは、人間の思考の範疇の関数を用い、人間が解釈しやすいアウトプットを得るもの

機械学習とは、分析モデルを人間の制御下に置くことをあきらめ、人間の想像以上の成果を狙うもの

 

とされます(詳しくは本を読んでください)。

 

そう考えますとLDAを使う局面とは、分析の局面ではなく、発想の局面が好ましいことになります。

 

ということで、分析は人間が解釈できることが重要ですので、オーソドックスな分析を用い、発想の局面でLDAを使うのがよいのかもしれません。


というような方針転換をしようと思いますが、知財学会には間に合わないかもしれません・・・。

2022年7月6日水曜日

ブランドモデルの試作について(その3)

知財学会のエントリーは7/20までですが、まだ、大した作業をしておりません・・・・。

今回は前回作成したブランドモデルを改良してみました。

ブランド分析で重要となるのは、情緒便益となりますが、情緒の意味を調べると、喜怒哀楽などにつれて起こる複雑な感情、というような意味があることがわかります。

そこで、前回得られた情緒便益を喜怒哀楽で分類してみました。

 

そうしますと、多少見やすくなりました。喜怒哀楽フレームワークとして、知財学会で発表しようかと思います・・・。

だんだん、アホな感じとなってきましたが、まあただの学会発表であり、実務でないのでよいでしょう(多少は遊びがないとつまらないと思いますので・・・。)

掃除機のような民生品は「楽」の情緒が重要となるでしょうか。また、高級車などは「喜」の情緒が重要となると思います。

「怒」や「哀」はない方がよいのかもしれませんが、例えば、フェラーリなどは燃費も悪く、面倒であり、楽でもなく「怒」「哀」の情緒が生じていると思いますが、「喜」がそれらを上回っておりますので、 結局は便益の大小関係が重要なのかと思います。

リブランディングの方向性としては、「喜」「楽」を増やすか、「怒」「哀」を減らすことになるかと思います。

というところで、作業を進めたいと思います。

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