前回はパラダイムシフトの話をしましたが、現在生じているパラダイムシフトのキーワードとなるのは「グローバル化」と「イノベーション」と個人的には思っています。つまり、「グローバル化」と「イノベーション」を推進することが生き残りの鍵と考えます。
さて、「グローバル化」と簡単にいいますが実際にはどうすればよいのでしょうか。ちまたでは「グローバル化」に対応するために英語を勉強することが薦められておりますが、語学を習熟すればグローバル化に対応できるのでしょうか?
確かに語学はコミュニケーションを図る意味で重要と思いますが、会社内に通訳の方を沢山雇っただけではグローバル化企業となれるわけではないことは明らかと思います。
「グローバル化」の一つの考え方としては、「課題」や「解決手段」のネタを日本国内だけではなく国外に求めることにあると思います。つまり、従来は日本国内で閉じていた「課題」や「解決手段」の探索の範囲を国外に広げるということです。
例えば、製造コストを低減したいという課題を解決するために、「解決手段」として、人件費、土地代、税金が安い外国に工場を建設することなどがあります。従来は、国内に工場を建設していましたが、この検討範囲を海外にまで広げることが、「グローバル化」の一つの形なのではないでしょうか。
実際に日本企業は中国やベトナム、タイに工場を立てて、ユニクロなど成功している企業も多くあります。
ただし、「解決手段」をグローバル化することは非常に容易であり、第三者が模倣しやすいというデメリットがあります。つまり、「解決手段」をグローバル化しても差別化できる期間は短く、競争優位はすぐに失われることになり、価格競争から逃れることはできません。
それでは、「課題」のグローバル化はどうでしょうか?例えば、P&Gなどはインドで歯磨きを売るために超低価格のハミガキを販売していたりもします。これは、インドの低収入や歯磨きの習慣がないという課題に対応するものです。
同様にサムスン電子などは、低価格のテレビをブラジルなどの新興国に投入しております。このような国に応じた「課題」をうまく拾えれば、中々真似されにくく競争優位を長く維持することが可能となるでしょう。
ただし、このような国に応じた「課題」を抽出するには、その国の課題を把握する必要があり、非常に難易度が高いともいえます。ある程度のリソースを投入してその国の情報収集(マーケティング)に時間をかける必要があるといえるでしょう。
このような考え方は、グローカルとか現地化とも言われますが、マクドナルドやi-podなど現地化せずとも世界中に普及するビジネスもありますので、世界共通の課題を解決するという考え方もあるかもしれません。