弁理士には法で定められた研修制度というものがありまして、所定の期間で所定の単位を取得しなければなりません。
私も月1回程度研修に参加してるのですが、時間が経つと勉強したことを忘れてしまうことが多いため、研修で気付いたことを備忘録的に書きたいと思います。
なお、以下の記載には、私の記憶違いや認識の誤りの部分もあるかと思いますので、さらに詳しく知りたい方は、講師の出されている書籍や論文をお読みいただければと思います。
本日の研修は、ランドンIP合同会社の野崎さんが講師の「弁理士が知っておきたい特許調査テクニック」でした。
先行技術調査では、ターゲットとなる特許文献を収集するために、検索式を考える必要があります。検索式を構築するにあたり講義では、特許検索マトリクスの作成が提案されておりました。
特許検索マトリクスは、横軸に調査対象の背景技術、課題・目的、技術的特徴・解決手段を配し、縦軸に、検索キーワード、キーワード同義語、IPC、FI、Fタームが配された表です。
つまり、特許検索マトリクスの横軸は異なる概念が配され、縦軸には同じ概念が配されることになります。
そして、特許検索マトリクスの空欄に、必要な情報を記入してゆきます。記入が終わりましたら、記載内容を横軸方向に「and」をとり、縦軸方向に「or」をとるようにして(つまり、同じ概念はor、異なる概念はand)、検索式を幾つか構築してゆきます。
このマトリクスの良い所は、横軸は異なる概念が配され、縦軸には同じ概念が配されるため、検索式の「and」、「or」の取り方を間違わなくて済むところです。
「and」、「or」の取り方を間違えますと、ノイズや漏れが多くなってしまいますが、 特許検索マトリクスを使用しますと、機械的に「and」、「or」をとれますので、アウトプットにブレが生じにくいと思います。
また、私は特許検索をする場合には、特許分類(IPC、FI、Fターム)を主に使用します。それはキーワードを使用しますと、検索モレが多くなるという恐怖感があるからです。
今回の講義では、キーワードを使用する際のテクニックについても教えていただきました。キーワードを使用する際には、同義語もキーワードとして使用し、検索式では「or」をとればよいとのことです。
同義語については、Cyclone、JSTシソーラス、かんたん特許検索、J-GLOBALなどの無料のサイトを利用すれば、ある程度機械的に抽出できるとのことでした。
また、先行技術調査についてはユーザーが主体的に行い、他の難易度の高い特許調査をサーチャーが行うような役割分担を提案されていましたが、これには私も全く同意です。
以上、備忘録でした。