私は主に特許の仕事をしているのですが、時たま意匠権侵害の相談を受けることがあります。
その場合、登録意匠と侵害しているであろう実際の製品とを比較して、意匠の類否を判断すればよいと思いますが、実はそうではありません。
意匠の類否を判断する前に、まず意匠の要部を認定する必要があります。意匠の要部とは、 創作が特徴的な部分とか、見る人が最も注意を引かれる部分と言われる特定の部分です。
意匠の類否には、この要部の形状や模様等が大きな影響を与えますので、登録意匠のみならず、公知意匠を参照して要部を認定してゆかなければなりません。
そうすると、相談されたその場で、2つのデザインを比較して意匠の類否や意匠権侵害の判断をするということは、非常に難しいといえます。
相談者は、デザインは目で見て明らかであるから意匠の類否の判断は容易であると思い違いをしている場合もありますので、その場合は少々申し訳ない気持ちにもなります。
意匠の登録率は約80%といわれ比較的簡単に権利化されるのですが、いざ権利行使をしようとすると、 このような意匠特有の難しい問題がでてくることになります。
そういう観点からは、意匠の要部というものを出願時にある程度、出願人の側で確定して出願すれば、意匠の要部の認定、ひいては、意匠の類否の判断を、出願人の想定通りにもってゆくことが可能となり、権利行使が容易になります。
そういう出願法としては、部分意匠出願制度と、関連意匠出願制度の利用が考えられます。
部分意匠(ぶぶんいしょう)とは、物品全体の形態の中で一定の範囲を占める部分を保護するための意匠のこと。たとえば、コップの縁の部分に特徴あるデザインの場合、そのコップの縁の部分について部分意匠を受けることができる(wiki)。
関連意匠制度では、登録を受けようとする意匠に類似する関連意匠にも、一般の意匠の権利とほぼ同様の効力が与えられる(wiki)。
先日、部分意匠及び関連意匠の活用法についての研修を受けてきましたので、次回は具体的な出願法について書きたいと思います。
2013年10月10日木曜日
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