2018年3月21日水曜日

STEP2) ブランドが提供する便益の階層分析について(その2)

さて、弁理士企業年金のキャッチフレーズ作成ですが、次のステップとして、便益階層の分析を行います。

便益の階層分析ですが、作業としては下記表の空欄に該当する便益のキーワードを記入してゆきます。


便益
顧客
特定ベネフィット(情緒的、自己表現的便益)
⇒顧客がどのように感じるか

一般ベネフィット(機能的便益)
⇒顧客が何をできるようになるか

ファクト(属性、特性)
⇒顧客に提示される特性


ここで悩みましたのが、顧客は誰かということです。

通常の企業年金の顧客は加入者となりますが、 弁理士企業年金の場合には、加入者は従業員であることは同じですが、実際に加入するのは特許事務所となります。

したがって、加入者への便益のみ考えると、特許事務所への便益が不明確になり、特許事務所が加入する動機がなくなってしまいます。

特許事務所としても、弁理士企業年金への加入は経費が掛かることもあり、ここでは、特許事務所への便益を明確としたいところです。

そこで、仕方なく、加入者と特許事務所の双方への便益を考えてみました。
 

便益
加入者
事業者
特定ベネフィット
(情緒的、自己表現的便益)
⇒顧客がどのように感じるか
老後の安心、老後の豊かさ、家族への安心
働きやすい職場、人が安心して働く職場
一般ベネフィット
(機能的便益)
⇒顧客が何をできるようになるか
安心、掛け金がリーズナブル、資産運用、信用・信頼
求人容易、信用・信頼、全額損金、
ファクト
(属性、特性)
⇒顧客に提示される特性
支払金額、加入期間、節税額、老後の積立額
採用率、支払金額、経費、定着率


 加入者に対してはBtoCとなりますので、特定ベネフィット(情緒的、自己表現的便益)が重要となります。

一方、事業者に対してはBtoBとなりますので、一般ベネフィット(機能的便益)が重要となります。しかし、機能的便益のみでは味気ないので、特定ベネフィットも一応入れてあります(特定ベネフィットを重視してくれる事業者はいわゆるホワイト企業といえると思いますが・・。)。

ということで、次は、STEP3)ブランドアイデンティティ の策定へ進みたいと思います。

2018年3月10日土曜日

仕事に個性はいらない。

毎年のこの時期は確定申告の時期となります。

私も確定申告の手続きをするのですが、いつも悩むのが経費となるか否かです。

悩む例としては、スーツの取り扱いです。私は安物のスーツを愛用しておりますが、スーツは仕事にしか着ませんので、経費にしたいところです。

ネットで調べますと、スーツは経費になる説と、ならない説が拮抗しております。

ならない説としては、40年くらい前の裁判例を根拠とし、仕事以外にも着る場合がある(冠婚葬祭、夜の飲み会?など)ので、経費にできないという意見です。

なる説としては、サラリーマンは経費として認めれられる場合があるような税制度が最近設けられましたし、スーツは仕事にしか着ませんので、経費にできるという意見です。

私は、そもそも冠婚葬祭に行くことはありませんし、夜の飲み会に行くこともありませんので、スーツを経費にできるのではないかと考えておりました。

しかし、経費とすることはやめました。 それはネット上で見つけたある説が胸に落ちたからです。

その内容というのは、自己の嗜好が入ったものは経費にできないというものです。確かにスーツは、安くても、色、形状、ブランド等、選ぶ人の嗜好が入る余地が大きいです。

こういうものは仕事の道具というよりも、個性の表現の割り合いが大きくなります。そして、今の日本では仕事に個性を出すことは、考えられていないと思います。

仕事を遂行するための機能のみを発揮するものが経費として認められやすいと思います。

そうしますと、革靴は経費にならず、安全靴なら経費になる、スーツは経費にならず、作業服は経費になる、かばんは経費にならず、パソコンバッグなら経費になる、車ならプロボックスなら経費になり、メルセデスなら経費にならない、という感じでしょうか。

といっても、仕事に個性はいらないというのは、工業化時代の古い考えとも思います。

今後は無個性な仕事はAIが担当することになるでしょうから、仕事にも個性が要求される時代がくることも考えられます。

そのような時代が来たら、スーツも大手を振って経費化できるのではないでしょうか。
 

2018年2月28日水曜日

老後はない。

今日が弁理士企業年金基金のキャッチコピー期限でしたので、とりあえず応募しました。

(作成過程は別途記事にいたします。)

結局時間切れのような感じで、大したレベルのものはできませんでした・・・。

とはいえ思い知らされたのが、老後の不安といいますか、私より下の世代は老後がない、ということです。

私より上の世代は60~65歳にもなれば、引退して悠々自適な生活を送れるのかもしれませんが、私より下の世代は、引退できるほどの資産の蓄積ができず、70歳過ぎまで働く必要があることは避けようがないと思われます。

結局、バブル後の不景気や民主党政権下のデフレせいで、働いても十分な報酬を得ることもできず、さらに悪いことには社会保障費の支払い額も過剰となり、手取りとしては貧弱な状況がつづいております。

このようなことから、蓄財ができず、どうするかというような状況です。年金基金の調査を通じて、このような厳しい事実を認識いたしました。

といっても、65歳を超えればある程度の年金はもらえますので、生活に足りない分を働く(月10万~?)ようなイメージとなるかと思います。年収うん百万を稼ぐ必要はありません。

といっても、年をとったら体も動かないでしょうから、選べる仕事も減るかと思います。仕事を見つけてくれるシルバーセンターなるものもあるようで、年を取った場合の仕事の探し方も研究しておく必要がありそうです。

さらに、旅行や趣味など引退して暇ができたらやろうと思っていることがある場合でも、今後は死ぬまで働くことになることから、できる機会は永遠にこないということになります。

したがって、今できないことは、将来もできない、ということを認識した方がよいようです。

逆にいえば、やりたいことがあるなら、老後を待たず、今やる、という風にした方が満足のゆく人生を送れそうです。

私もバイクで日本1周をしてみたいのですが、仕事をやめて・・・、という訳にはいきませんので、不満足な人生となりそうです。

2018年2月18日日曜日

STEP2)ブランドが提供する便益の階層分析について(その1)

次に、STEP2の「便益の階層」ですが、

第1階層:情緒的/自己表現的便益
第2階層:機能的便益
第3階層:属性

のキーワードのセットを明らかにしてゆきます。

STEP2のブランドが提供する便益の階層分析では、「言葉の絞り込み、意味の洞察」を行うことを目的とします。

ここでいう便益とは、ブランド資産に基づいて、顧客などが真に欲する便益であり、便益の理解を通じて、ブランドが顧客に提供する価値・約束する価値を深堀して、独自性を表現する言葉や、意味を認識します。

ここで、一番重要な便益は、情緒的/自己表現的便益となります。これは、模倣が困難であり、顧客にとり有意義な便益であることから、顧客との絆が深まり、顧客ロイヤルティを得られるからです。

ところで、私は、以前は製造する側におりましたが、情緒的/自己表現的便益というものにあまり縁がありませんでした。

工場で働いておりましたが、建物は節電のため薄暗く(蛍光灯を1本外す)、工場・事務所の内装も無機質で労働のための機能を果たすのみ、という感じで、人間の情緒をあまり考慮しておりませんでした。

(全然関係はありませんが、クリーンルームで力仕事をしていたとき、汗をかいたところ、クリーンルームが汚染されるので汗をかかないでくれ、と叱られたことがあります・・・。)

もちろん、労働者の情緒的便益を積極的に充たす工場というのは、固定費が悪化することから経営的にはよろしくないという理由は当然あります。

製造する製品についても、BtoBの場合には、製品が情緒的/自己表現的便益を充たす必要はなく、もっぱら機能的便益を充たすのみとなります。

そういう環境で開発を続けておりますと、「情緒的/自己表現的便益」はまったく不要というか、よくわからないという思考となります。

しかしながら、最近人気のヨーロッパ製の家電など見ますと、明らかに「情緒的/自己表現的便益」を狙った製品となっておりますので、少なくともBtoC製品に関しては「情緒的/自己表現的便益」は有効そうです。

そうすると、BtoBに関しては「機能的便益」、BtoCに関しては「情緒的/自己表現的便益」が重要そうですが、弁理士企業年金基金は、はたしてBtoBなのかBtoCなのかという問題があります。 (つづく)

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