昨年末、気分転換に数日沖縄へ行ってきました。
(写真は勝連城です。)
沖縄へは毎年年末に行っているのですが、今年は外国人観光客が非常に多いと感じました。
私は主に路線バスを利用して移動します。北部の方のバスは、運転手と私だけ乗っているという状況が従来なのですが、今年は中国人(台湾人)でいっぱいということもありました。
また、基地で働く米国人はクリスマス休暇で本国へ帰還してしまうのが従来なのですが、今年は家族連れで観光している姿が多く見受けられました。
そんな感じですので、今年の沖縄は例年に比べて活気があり、円安の効果を実感しました。
思えば、ここ何年かは大変な円高の時代でした。
円高になりますと、日本のものや、サービスの相対価値が上昇しますので、平均的な労働者の給料も相対的に高くなって競争力を失い、仕事が海外に逃げてゆきます。
したがって、日本国内に仕事がなくなり、一般的な労働者は失業のリスクが高まります。
ただし、資産のある人や、一定の収入が確保されている人(公務員、年金生活者)については、相対的な資産価値や収入が上昇しますので、よい生活ができます。
一方、円安になりますと、日本の物、サービスの相対価値が低下しますので、日本人の給料が相対的に安くなり競争力が向上し、日本国内に仕事が戻ってきます。
ただし、円の価値は低下しますので、働いて収入を得ても、あまり豊かにはなりません。
結局どちらが良いかといえば、私のような国際競争力のない普通の労働者には、円安の方が給料は安いものの、失業のリスクが低くなる点で有利かと思います。
とはいえ、理想としては、仕事のスキルを高め、国際競争力のある人材となり、資産を蓄積することが、円安、円高にかかわらずいい生活ができますので目指すところになりますが・・・。
さて、今年はさらに円安になるのでしょうか。それとも円高に戻るのでしょうか。
2015年2月8日日曜日
2015年1月25日日曜日
ブランドの強弱について
私は味付け海苔が好きで、よくスーパーに買いにゆきます。
スーパーの陳列棚には、PBの海苔と国産メーカーの海苔が並んでいるのですが、PBは韓国産海苔とパッケージに表記され、国産メーカーは有明海苔と表記されています。
売れ行きを見ていると、需要者は国産を好みますので、やはり有明海苔が売れており、韓国産は売れ残り気味です。
ところが、最近PBのパッケージが変更されているのに気づきました。前面には「日高昆布で味付けした」と大きく書かれており、原産地については製造欄に「韓国」と小さく書かれているのみです。
日高昆布はブランドとして認知されていますので、国産でないことによるブランドの弱さを日高昆布で補完しているのか、と感心しました。
こういう、1つの製品に複数のブランドを付すことは、他の製品でも行われており、有名なところでは、「インテルインサイド」があります。
従来のパソコンは、NEC、富士通、日立、東芝のようなブランドが付されており、このブランドを需要者が認識してパソコンを買っていました。
つまり、最終組立・販売を行うメーカーのブランドに業務上の信用が蓄積して、ブランドとしての価値が生まれることになります。
一方、MPUのような部品に関しては、マニアは認識できますが、一般の需要者は会社名も知らず、ブランドとしての価値はあまりありません。
ところが、ある時期から「インテルインサイド」のブランドがパソコンに付されるようになり、同時に、インテルのMPUのCMも始まりました。
このようにプロモーションに費用をかけると、需要者もMPUのブランドとしてインテルを認識するようになり、ブランド価値も高まります。
一般に、自社製品に他社のブランドが使用されるのは、ただ乗りされてる感もあり、好ましくはありません。
しかし、例えば、プロモーション費用を一部負担する場合や、複数のブランドを組み合わせることによるブランド価値の補完効果が見込まれる場合には、そのようなブランドの使用法もあると思います。
とはいえ、問題が無いわけでもありません。インテルのMPUの場合には、当初はパソコンメーカーのブランドの方が需要者に訴求するものでした。
しかし、多くのパソコンにインテルの商標が付され、インテル単体のテレビCMもなされる状況になると、次第に需要者はインテルのブランドを識別してパソコンを購入するようになります。
極端にいえば、よく知らない国のよく知らないメーカーのパソコンでも、インテルの商標が付されていればいいや、ということになります。
そうすると、インテルの商標が付されている安いパソコンに需要者が流れるようになり、日本のパソコンは一気に売れなくなることになります。
そう考えると、自社製品に他社の商標を付することは、主従が逆転することに繋がる可能性があり、リスクが高いといえます。
さて、味付け海苔の方ですが、日高昆布の表記をしても、やはり売れ残りがちのようです。
やはり、最近の消費者は原産地を厳しくチェックしますし、味付け海苔の品質を決定するのは、出汁ではなく、海苔本体ですので、日高昆布の効果もあまりないということになるのでしょうか。
スーパーの陳列棚には、PBの海苔と国産メーカーの海苔が並んでいるのですが、PBは韓国産海苔とパッケージに表記され、国産メーカーは有明海苔と表記されています。
売れ行きを見ていると、需要者は国産を好みますので、やはり有明海苔が売れており、韓国産は売れ残り気味です。
ところが、最近PBのパッケージが変更されているのに気づきました。前面には「日高昆布で味付けした」と大きく書かれており、原産地については製造欄に「韓国」と小さく書かれているのみです。
日高昆布はブランドとして認知されていますので、国産でないことによるブランドの弱さを日高昆布で補完しているのか、と感心しました。
こういう、1つの製品に複数のブランドを付すことは、他の製品でも行われており、有名なところでは、「インテルインサイド」があります。
従来のパソコンは、NEC、富士通、日立、東芝のようなブランドが付されており、このブランドを需要者が認識してパソコンを買っていました。
つまり、最終組立・販売を行うメーカーのブランドに業務上の信用が蓄積して、ブランドとしての価値が生まれることになります。
一方、MPUのような部品に関しては、マニアは認識できますが、一般の需要者は会社名も知らず、ブランドとしての価値はあまりありません。
ところが、ある時期から「インテルインサイド」のブランドがパソコンに付されるようになり、同時に、インテルのMPUのCMも始まりました。
このようにプロモーションに費用をかけると、需要者もMPUのブランドとしてインテルを認識するようになり、ブランド価値も高まります。
一般に、自社製品に他社のブランドが使用されるのは、ただ乗りされてる感もあり、好ましくはありません。
しかし、例えば、プロモーション費用を一部負担する場合や、複数のブランドを組み合わせることによるブランド価値の補完効果が見込まれる場合には、そのようなブランドの使用法もあると思います。
とはいえ、問題が無いわけでもありません。インテルのMPUの場合には、当初はパソコンメーカーのブランドの方が需要者に訴求するものでした。
しかし、多くのパソコンにインテルの商標が付され、インテル単体のテレビCMもなされる状況になると、次第に需要者はインテルのブランドを識別してパソコンを購入するようになります。
極端にいえば、よく知らない国のよく知らないメーカーのパソコンでも、インテルの商標が付されていればいいや、ということになります。
そうすると、インテルの商標が付されている安いパソコンに需要者が流れるようになり、日本のパソコンは一気に売れなくなることになります。
そう考えると、自社製品に他社の商標を付することは、主従が逆転することに繋がる可能性があり、リスクが高いといえます。
さて、味付け海苔の方ですが、日高昆布の表記をしても、やはり売れ残りがちのようです。
やはり、最近の消費者は原産地を厳しくチェックしますし、味付け海苔の品質を決定するのは、出汁ではなく、海苔本体ですので、日高昆布の効果もあまりないということになるのでしょうか。
2014年12月21日日曜日
付記試験について
付記試験に受かりました。といっても、弁理士の方以外には何のことやらわからないと思いますが、この試験に合格して登録すると侵害訴訟代理ができるというものです。
昨年の合格率は40%台ということで、弁理士のレベルダウンが危惧されていたのですが、今年は運営の方もかなり気合をいれたようで、65%と高い合格率となりました。
書こうかどうか迷いましたが、来年以降受験される方のために、私が考える勉強法を以下に書きますので参考に願います。
1 とりあえず書く
弁理士であれば知識の方はそれなりにありますので、あとはそれをどうやって訴状、答弁書にアウトプットするか、の問題となります。
それには過去問をひたすら書いてみる訓練をするのが有効です。そういうのが億劫な方は、有料の答案練習会に参加するのもよいと思います。
2 知財訴訟を経験されている弁護士によるチェック
訴状、答弁書とも、独特の言い回し(方言や、業界特有のクセ)がありますので、そういう知識なしで書くと、この業界の人からみて微妙に違和感のある訴状、答弁書になります。
したがって、自分の書いた訴状、答弁書を知財訴訟を経験されている弁護士に見てもらい、表現を修正するのがよいと思います。
3 40点をどう捨てるか
国家試験は、100点満点中60点を取れれば合格ですので、60点をとる、逆に言えば、40点をどう捨ててゆくか配分を考えるとよいと思います。
特許でいえば、起案40点、小問10点となりますので、起案25点、小問5点を取れば、とりあえず合格となります。後は自分の得意、不得意に応じて、目標とする点数を考えてゆきます。
細かいテクニックはいろいろとありますが、それは勉強してゆくうちに自分で見つけられると思いますので、割愛いたします。
弁理士試験と同様、付記試験も年々受験者が減少しており、このままでは尻窄みですので、興味のある方はとりあえず受験してみてはいかがかと思います。
昨年の合格率は40%台ということで、弁理士のレベルダウンが危惧されていたのですが、今年は運営の方もかなり気合をいれたようで、65%と高い合格率となりました。
書こうかどうか迷いましたが、来年以降受験される方のために、私が考える勉強法を以下に書きますので参考に願います。
1 とりあえず書く
弁理士であれば知識の方はそれなりにありますので、あとはそれをどうやって訴状、答弁書にアウトプットするか、の問題となります。
それには過去問をひたすら書いてみる訓練をするのが有効です。そういうのが億劫な方は、有料の答案練習会に参加するのもよいと思います。
2 知財訴訟を経験されている弁護士によるチェック
訴状、答弁書とも、独特の言い回し(方言や、業界特有のクセ)がありますので、そういう知識なしで書くと、この業界の人からみて微妙に違和感のある訴状、答弁書になります。
したがって、自分の書いた訴状、答弁書を知財訴訟を経験されている弁護士に見てもらい、表現を修正するのがよいと思います。
3 40点をどう捨てるか
国家試験は、100点満点中60点を取れれば合格ですので、60点をとる、逆に言えば、40点をどう捨ててゆくか配分を考えるとよいと思います。
特許でいえば、起案40点、小問10点となりますので、起案25点、小問5点を取れば、とりあえず合格となります。後は自分の得意、不得意に応じて、目標とする点数を考えてゆきます。
細かいテクニックはいろいろとありますが、それは勉強してゆくうちに自分で見つけられると思いますので、割愛いたします。
弁理士試験と同様、付記試験も年々受験者が減少しており、このままでは尻窄みですので、興味のある方はとりあえず受験してみてはいかがかと思います。
2014年12月13日土曜日
卵とかごについて
私は株式投資をしています。株を毎月お小遣い程度の金額でちびちび買ってゆくスタイルです。
2008年頃からやっていますが、すぐにリーマン・ショック、超円高、震災と、次々に事件が起こり、株価が超下落しましたので、本当に儲かるのかよくわからないところがあります。
株式投資には、いろいろと格言というものがあり、その1つに「卵は1つのかごに盛るな」があります。
これは、卵を1つのかごに入れて運ぶと、かごを落とした時に卵が全部割れてしまうから、いくつかのかごに分けて運べ、という教えです。
お金も1つの投資対象に投入すると、何かあった時にお金がパーになりますので、分散して投資することが推奨されます。
老人の方が投資詐欺に引っかかって全財産を失ってしまう被害を受けることがありますが、これは詐欺に引っかかるのが悪いというより(美味しい話と詐欺を見分けるのは難しい)、全財産を投入してしまうことにあります。
卵の原理に基づけば、全財産の1/3くらいが投資できる上限であり、この原則を守れば、財産の2/3は残るわけですから、生活が大きく破壊されることもないと思います。
また、借金をして何千万の家を買うというのも、資産が(借金付きの)家に集中することになり、リスクが高いといえます。
卵の原理に基づけば、1億円位の資産があって、初めて3千万円の家を(キャッシュで)買えることになります。ただし、そんなことを言ったら、誰も家を買えませんが・・・。
会社の事業も似たようなところがあり、会社としていくつかの事業を有していたほうが収益が安定します。
これは、儲かる事業、儲からない事業は、外部環境等の状況によっていろいろ代わりますので、事業を組み合わせると、儲かる事業が儲からない事業を補い、会社全体として安定するからです。
(儲かっている事業部の人が、儲かっていない事業部の人を揶揄することもあるようですが、環境が変われば、自分が揶揄される立場になりますので、 ほどほどにした方が良いようです。)
こういう考え方をポートフォリオとも言いますが、異なる性質の複数のものに分散して組み合わせることにより、全体としてうまくいくようにする考え方です。
力を集中したほうが利益が得られるような気がしますが、許容できるリスクを超えてしまう場合があるため、いろいろと分散させることを考えてみるのも必要と思います。
2008年頃からやっていますが、すぐにリーマン・ショック、超円高、震災と、次々に事件が起こり、株価が超下落しましたので、本当に儲かるのかよくわからないところがあります。
株式投資には、いろいろと格言というものがあり、その1つに「卵は1つのかごに盛るな」があります。
これは、卵を1つのかごに入れて運ぶと、かごを落とした時に卵が全部割れてしまうから、いくつかのかごに分けて運べ、という教えです。
お金も1つの投資対象に投入すると、何かあった時にお金がパーになりますので、分散して投資することが推奨されます。
老人の方が投資詐欺に引っかかって全財産を失ってしまう被害を受けることがありますが、これは詐欺に引っかかるのが悪いというより(美味しい話と詐欺を見分けるのは難しい)、全財産を投入してしまうことにあります。
卵の原理に基づけば、全財産の1/3くらいが投資できる上限であり、この原則を守れば、財産の2/3は残るわけですから、生活が大きく破壊されることもないと思います。
また、借金をして何千万の家を買うというのも、資産が(借金付きの)家に集中することになり、リスクが高いといえます。
卵の原理に基づけば、1億円位の資産があって、初めて3千万円の家を(キャッシュで)買えることになります。ただし、そんなことを言ったら、誰も家を買えませんが・・・。
会社の事業も似たようなところがあり、会社としていくつかの事業を有していたほうが収益が安定します。
これは、儲かる事業、儲からない事業は、外部環境等の状況によっていろいろ代わりますので、事業を組み合わせると、儲かる事業が儲からない事業を補い、会社全体として安定するからです。
(儲かっている事業部の人が、儲かっていない事業部の人を揶揄することもあるようですが、環境が変われば、自分が揶揄される立場になりますので、 ほどほどにした方が良いようです。)
こういう考え方をポートフォリオとも言いますが、異なる性質の複数のものに分散して組み合わせることにより、全体としてうまくいくようにする考え方です。
力を集中したほうが利益が得られるような気がしますが、許容できるリスクを超えてしまう場合があるため、いろいろと分散させることを考えてみるのも必要と思います。
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ご無沙汰しております。 最近投稿をさぼっておりますが、これはこのHPのアクセス数がなさ過ぎて、モチベーションが上がらないからです。 1つの記事のアクセス数が5くらいしかありません(1日ではなく、総アクセスで)ので、さすがにひどいと言わざるをえません。 このような状態になったのは、...
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https://note.com/ip_design へしばらく移転します。
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東京オリンピックのメインスタジアムの建設費用が高すぎるとして問題となっています。 今の日本であれば3000億円程度であれば、出せない額ではありませんが、世論的には批判の的となっています。 その理由はなぜかといえば、あのヌメッとしたデザインに3000億円の価値はないと日本国...