2021年3月22日月曜日

特許は未来の選択肢

 大学院生のとき、幕張の試験場で限定解除というものを(苦難の末)とりましたが、当時も貧乏でしたので、20万円:4年ローンで買いました中古のSRX400というバイクに乗っておりました。

 

そんな中、一足早くレコード会社に就職しておりました友人と、夏休みに東北地方へバイクツーリングへゆくことを計画しました。

 

ひとまず仙台あたりに宿をとろうと思いましたが、盛岡あたりまで行ければ工程の自由度が高まりますので、どうしようとなりました。

 

しかし、渋滞の可能性や疲労を考えますと、仙台辺りで一泊が無難と思い、提案しました。

 

そうしましたところ、友人のいうところ、仙台と盛岡の両方を予約すればよい、という驚きの提案がありました。

 

当日、スムースに盛岡に到達できそうなら、仙台をキャンセルすればよいし、渋滞に巻き込まれたら盛岡をキャンセルすればよいという、太っ腹な意見でした。

 

もちろん、当日キャンセルすれば、最悪宿泊代100%を無駄にすることになりますので、貧乏な私には受け入れられない提案でした・・・。

 

時間があるが金がない院生と、時間はないが金はある社会人とでは、価値観が異なりますので、上記のごとくなりましたが、これは、将来の選択肢を金で買う、という考えとなります。

 

友人は一足早く社会に出ておりましたので、将来の選択肢確保の重要性に気が付いていたのだと思います。要は将来の選択肢確保のために(たとえ、無駄になる可能性が高くとも)金を出す、ことがビジネス上の生き残りには必須な考えかと思います。

 

さて、話は変わりまして、いろいろな会社の特許の仕事をしておりますと、特許出願するか、しないか、の議論となることが多いです。

 

特許出願した場合の効果としては、将来のビジネスの選択肢が増える、特許出願しない場合の効果としては、将来のビジネスの選択肢がなくなる、ということになると思います。

 

もちろん将来どうなるかはわかりませんので、特許出願するかしないかの議論の時点では、将来必要となるかはわかりません。

 

そうしますと、特許出願に費用は掛かりますが、ビジネスの選択肢として残す、というのがよいと思います。ただし、予算に余裕がない場合には、判断して、選択肢を失っても後悔しないという決断が必要となります。

 

いずれにせよ、将来の選択肢をお金で買う、という考えは、ビジネスのみならず、人生にも応用できる考えと思いますので、必要な時にお金を出せるようにしたいものです。

2021年3月4日木曜日

アナリシスとデザインについて

昔の資料を整理しておりましたら、ネットで拾った吉川先生の一般設計学の講義のパワーポイントを見つけました。

↓まだこちらで見れるようです。

http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/asamalab/lectures/lecture6/files/20110112GeneralDesignTheory.pdf

しかし、内容が難解でしたので、真剣には読んでおりませんでしたので、この機会に少し読んでみました。

パワポの10ページに以下の図がありました。

 

この図は、分析と設計の関係を表した良い図と思います。

特許の世界でも、特許情報分析を行うことがありますが、分析結果はいくつかの法則性がわかることであり、分析により、何か新しいものが生まれる訳ではありません。

新しいものを生み出すには、分析により得られた法則を組み合わせる作業が必要となります。この作業がいわゆる設計(デザイン)となります。

ということで、今後はアナリシスの後工程としてのデザインが重要となると思います。

ここからは脱線ですが、上記パワポによれば、分析は、常に正しい、正当性がある、ような結果が得られるようです。

一方、デザインの方は、誤りうる、というおそろしい言葉が書かれております。

そう考えますと、例えば、人の失敗を責めるような企業文化がある企業では、デザイナー的な人は失敗により出世できない、アナリスト的な人は出世しやすい、ようなことがありそうです。

しかし、社内にアナリスト的な人が増えますと、新しいものは生まれませんので、企業としては衰退する、というようなことがあると思います。

そう考えますと、アナリシスとデザインのバランスを図ることが、特に、製造業では必要と思います。

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