失敗の本質の続編が本屋に売っていましたので買って読んでみました。
読んで意外だったのは、戦局を打開するアイデアを持った人が様々な局面でそれなりに存在していた点でした。つまり、軍人の多くは決して無能ではなく、むしろ有能な人が多かったといえるでしょう。
ただし、それらのアイデアは採用されることなく、結局は、声の大きい人の精神論や地位の上の人のベストではないアイデアが採用され、その結果、アメリカ軍に負け続けることになります。
日本軍の意思決定は、アイデアの質ではなく、アイデアを提案した人の地位(恐怖感?)が重要ということでしょうか。
やはり、アイデアの質に注目して、勝つ可能性の高い作戦をドライに選んでゆくべきと感じました。
話は変わりますが、最近のニュースで、日産の会議の手法が記事になっていました。
日産では議事録を作成せず、模造紙に各自がアイデアをポストイットに書いて貼ってゆき、会議の終わりに、ポストイットが貼られた模造紙をデジカメで撮影し、画像を関係者に配布するそうです。
ポストイットにアイデアを記載する場合には、アイデアを出した人がわからないように無記名で記載するそうです。
模造紙にアイデアがずらりと並んでいますからレベルの高いアイデア、低いアイデアが一目瞭然です。上の地位の人のアイデアでもレベルが低ければ採用されませんし、下っ端の人のアイデアでもレベルが高ければ採用されるというわけです。
こういう人間の要素を排除したアイデア創出手法が、失敗を繰り返さないためにも必要なのかもしれません。